【最初に】
たった1年前に大賞とった2つのキーワードも、片や造反議員復党というグズグズの措置で風化させられ、片や主役のデブが捕まって裁判中という、まさに諸行無常という言葉を再実感せずにはいられない、そんな年末恒例のお約束「新語・流行語大賞」。一般にはしかし、けったいな選考基準で毎年「何それ」という入賞を多々選定することでも知られるイベントである。
去年の当ブログでは、延べ1ヶ月、8本も記事を分けて、完全予想シリーズというのを繰り広げた末、的中7つという、何の感想も思い浮かばない普通の結果に落ち着いたものだが、懲りずに今年もやる。
「流行や社会風俗への感度がそれほど高くない人(審査委員)が、高いふりをしなければいけない」ところに、流行語大賞の妙味があると去年の総括で書いたが、そこらへんのズレをもウラ読みして的中させる困難さにハマりつつあると言っても良い。といいつつ私も段々年をとってきて、確実にズレている側の一員にはなりつつあるわけだが。
1.本年のノミネート60語と、予想上の注意
○去年の予想企画では、まず主催者によるノミネート語の発表より前に、【政治】【経済】【社会】【文化】【スポーツ】【イベント】の6カテゴリー別に、ノミネート候補自体を選定する手順をとったが、今年は既に主催のユーキャンより、実際のノミネート候補全60ワードが発表されてしまっているので、そちらをまず列挙する。
【今年度ノミネートの全60ワード】
「アンチエイジング」 「イナバウアー」 「飲酒運転」 「美しい国」 「ウルトラ・ダラー」 「エハラー」 「エビ売れ(エビちゃん)」 「エロカッコイイ(エロカワイイ)」 「オシムの言葉(オシム語録)」 「オレ流勝利」 「格差社会」 「学力低下」 「下層社会」 「勝ち組・負け組・待ち組」 「喝・天晴」
「がっかりだよ!」 「カー娘(チーム青森)」 「亀田ファミリー(亀田3兄弟)」
「下流社会」 「偽装請負」 「キモカワイイ」 「GyaO(ギャオ、動画配信サービス)」 「ググる」 「グレイゾーン金利」 「脳トレ」 「再チャレンジ」 「サムライブルー」 「SHINJO」 「新庄劇場」 「シンジラレナ~イ」 「数独」 「ズバッ」 「他人を見下す若者」 「頭突き」 「代理出産」 「ダ・ヴィンチ・コード」 「WBC」 「たらこ・たらこ・たらこ」 「団塊(もの)」 「着うたフル」 「駐車監視員」 「チョット、チョットチョット」 「ツンデレラ」 「デンデンデデンデン(武勇伝)」 「東京タワー」 「中食」 「浪速乃闘拳」 「涙本/泣ける本」 「捏造(論文とか)」 「バイオエタノール」 「ハンカチ王子」 「番号ポータビリティー」 「品格」 「貧困率」 「ミクシィ」 「未履修」 「冥王星」 「メガドル」 「メタボリックシンドローム(メタボ)」 「ユーチューブ(YouTube)」
【感想】
○一目見た第一印象は「確かに今年の話題かも知れないけど、それにしても新語じゃないの多すぎ」である。
○例えば「学力低下」「頭突き」「冥王星」など。流行ってない言葉を入賞させることで定評あるとは言え、仮にも「新語・流行語大賞」と銘打つイベントで、こんな新語でも流行語でもない一般語が大量ノミネートされた年がかつてあっただろうか。「知らない」と即答されそうな問いかけではあるが。(ただし、新語でもなんでもないからといって、なら入賞可能性なしかと言うとそうとは言い切れない)
○去年入賞の「フォー!」のように、流行語大賞の選考には、特に芸能関連やネット関連で「流行語大賞時間」ともいうべき微妙な「遅れぶり」がつきまとうことを、あらかじめ念頭に置くべきだが、それにしても「時間」の概念を無視しすぎと思わせる語が多い(「ググる」「喝・天晴」)。これといった新語に乏しくノミネートに苦慮した痕跡が、随所に表れている印象。
○ヒットした映画・テレビ・本の題名がまんまノミネートという慣例は、今年も当然のように踏襲。「他人を見下す若者」とか「たらこ・たらこ・たらこ」とか、それは流行語とは違うだろと一々突っ込むのも、もう飽きた。
【予想上の注意】
○偶数年度の場合、主に夏冬いずれかの五輪があるため、スポーツ関連用語が大量入賞する傾向がある。
○重複するテーマから複数ノミネートされている用語は、いずれかで入賞する可能性が高い。が、重複するノミネート語を、勝手に一括りにまとめて入賞という、なし崩しに近い選考を行う場合もたまにあるので注意。(例:01年大賞「小泉語録(米百俵/聖域なき改革/恐れず怯まず捉われず/骨太の方針/ワイドショー内閣/改革の「痛み」)」)
<今年の該当例>
①「格差関連語」(「格差社会」「下層社会」「下流社会」「貧困率」)
②「日本ハム関連語」(「SHINJO」「新庄劇場」「シンジラレナ~イ」)
③「亀田三兄弟関連語」(「亀田ファミリー(亀田3兄弟)」「浪速乃闘拳」)
④「泣ける本関連語」(「東京タワー」「涙本/泣ける本」)
⑤「偽装・捏造関連語 ※重複度低い」(「偽装請負」「捏造(論文とか)」「未履修」)
○逆に重複する分野から、重複性のない語が複数ノミネートされている場合、分野内のバランスで、一部の語が、本来の重要性よりも不利に扱われる場合も考えられる。
<今年の該当例>
①「野球分野」(前述の日本ハム関連語、「オレ流勝利」「ハンカチ王子」「WBC」)
②「お笑い分野」(「がっかりだよ!」「キモカワイイ」「チョット、チョットチョット」「デンデンデデンデン(武勇伝)」)
○去年の同賞では、厳密には「ノミネートされていない語」(ノミネートされた語を勝手にいじくって変形)が入賞という、何のためノミネートを発表しているのか意味不明な荒業があった。わざわざルール曲げてまで入賞させた、当のキーワードが「ちょいモテオヤジ」という、無理して流行語認定する意義ゼロの語だったのが、また口アングリだったわけだが。こればかりは、同じ事やられたらお手上げだが、可能性としてなくはない。
※さて、去年用いた【政治】【経済】【社会】【文化】【スポーツ】【イベント】の6カテゴリーだが、今年はもう少し細分化して
【社会】
【政治】
【経済】
【映画、出版、音楽】
【TV、その他芸能】
【スポーツ】
【インターネット】
【その他文化、風俗】
の8カテゴリーに分類して検討をしてみたい。まずは、過去10年間の傾向から。以下(その2)にて。
<関連記事>
【2006年版】ありがちだが、今年の流行語大賞を完全予想(その2) ※最近10年間の入賞傾向
【2006年版】ありがちだが、今年の流行語大賞を完全予想(その3) ※今年度ノミネート60語を評価する
【2006年版】ありがちだが、今年の流行語大賞を完全予想(その4-最終版) ※入賞、大賞候補と受賞者予想
たった1年前に大賞とった2つのキーワードも、片や造反議員復党というグズグズの措置で風化させられ、片や主役のデブが捕まって裁判中という、まさに諸行無常という言葉を再実感せずにはいられない、そんな年末恒例のお約束「新語・流行語大賞」。一般にはしかし、けったいな選考基準で毎年「何それ」という入賞を多々選定することでも知られるイベントである。
去年の当ブログでは、延べ1ヶ月、8本も記事を分けて、完全予想シリーズというのを繰り広げた末、的中7つという、何の感想も思い浮かばない普通の結果に落ち着いたものだが、懲りずに今年もやる。
「流行や社会風俗への感度がそれほど高くない人(審査委員)が、高いふりをしなければいけない」ところに、流行語大賞の妙味があると去年の総括で書いたが、そこらへんのズレをもウラ読みして的中させる困難さにハマりつつあると言っても良い。といいつつ私も段々年をとってきて、確実にズレている側の一員にはなりつつあるわけだが。
1.本年のノミネート60語と、予想上の注意
○去年の予想企画では、まず主催者によるノミネート語の発表より前に、【政治】【経済】【社会】【文化】【スポーツ】【イベント】の6カテゴリー別に、ノミネート候補自体を選定する手順をとったが、今年は既に主催のユーキャンより、実際のノミネート候補全60ワードが発表されてしまっているので、そちらをまず列挙する。
【今年度ノミネートの全60ワード】
「アンチエイジング」 「イナバウアー」 「飲酒運転」 「美しい国」 「ウルトラ・ダラー」 「エハラー」 「エビ売れ(エビちゃん)」 「エロカッコイイ(エロカワイイ)」 「オシムの言葉(オシム語録)」 「オレ流勝利」 「格差社会」 「学力低下」 「下層社会」 「勝ち組・負け組・待ち組」 「喝・天晴」
「がっかりだよ!」 「カー娘(チーム青森)」 「亀田ファミリー(亀田3兄弟)」
「下流社会」 「偽装請負」 「キモカワイイ」 「GyaO(ギャオ、動画配信サービス)」 「ググる」 「グレイゾーン金利」 「脳トレ」 「再チャレンジ」 「サムライブルー」 「SHINJO」 「新庄劇場」 「シンジラレナ~イ」 「数独」 「ズバッ」 「他人を見下す若者」 「頭突き」 「代理出産」 「ダ・ヴィンチ・コード」 「WBC」 「たらこ・たらこ・たらこ」 「団塊(もの)」 「着うたフル」 「駐車監視員」 「チョット、チョットチョット」 「ツンデレラ」 「デンデンデデンデン(武勇伝)」 「東京タワー」 「中食」 「浪速乃闘拳」 「涙本/泣ける本」 「捏造(論文とか)」 「バイオエタノール」 「ハンカチ王子」 「番号ポータビリティー」 「品格」 「貧困率」 「ミクシィ」 「未履修」 「冥王星」 「メガドル」 「メタボリックシンドローム(メタボ)」 「ユーチューブ(YouTube)」
【感想】
○一目見た第一印象は「確かに今年の話題かも知れないけど、それにしても新語じゃないの多すぎ」である。
○例えば「学力低下」「頭突き」「冥王星」など。流行ってない言葉を入賞させることで定評あるとは言え、仮にも「新語・流行語大賞」と銘打つイベントで、こんな新語でも流行語でもない一般語が大量ノミネートされた年がかつてあっただろうか。「知らない」と即答されそうな問いかけではあるが。(ただし、新語でもなんでもないからといって、なら入賞可能性なしかと言うとそうとは言い切れない)
○去年入賞の「フォー!」のように、流行語大賞の選考には、特に芸能関連やネット関連で「流行語大賞時間」ともいうべき微妙な「遅れぶり」がつきまとうことを、あらかじめ念頭に置くべきだが、それにしても「時間」の概念を無視しすぎと思わせる語が多い(「ググる」「喝・天晴」)。これといった新語に乏しくノミネートに苦慮した痕跡が、随所に表れている印象。
○ヒットした映画・テレビ・本の題名がまんまノミネートという慣例は、今年も当然のように踏襲。「他人を見下す若者」とか「たらこ・たらこ・たらこ」とか、それは流行語とは違うだろと一々突っ込むのも、もう飽きた。
【予想上の注意】
○偶数年度の場合、主に夏冬いずれかの五輪があるため、スポーツ関連用語が大量入賞する傾向がある。
○重複するテーマから複数ノミネートされている用語は、いずれかで入賞する可能性が高い。が、重複するノミネート語を、勝手に一括りにまとめて入賞という、なし崩しに近い選考を行う場合もたまにあるので注意。(例:01年大賞「小泉語録(米百俵/聖域なき改革/恐れず怯まず捉われず/骨太の方針/ワイドショー内閣/改革の「痛み」)」)
<今年の該当例>
①「格差関連語」(「格差社会」「下層社会」「下流社会」「貧困率」)
②「日本ハム関連語」(「SHINJO」「新庄劇場」「シンジラレナ~イ」)
③「亀田三兄弟関連語」(「亀田ファミリー(亀田3兄弟)」「浪速乃闘拳」)
④「泣ける本関連語」(「東京タワー」「涙本/泣ける本」)
⑤「偽装・捏造関連語 ※重複度低い」(「偽装請負」「捏造(論文とか)」「未履修」)
○逆に重複する分野から、重複性のない語が複数ノミネートされている場合、分野内のバランスで、一部の語が、本来の重要性よりも不利に扱われる場合も考えられる。
<今年の該当例>
①「野球分野」(前述の日本ハム関連語、「オレ流勝利」「ハンカチ王子」「WBC」)
②「お笑い分野」(「がっかりだよ!」「キモカワイイ」「チョット、チョットチョット」「デンデンデデンデン(武勇伝)」)
○去年の同賞では、厳密には「ノミネートされていない語」(ノミネートされた語を勝手にいじくって変形)が入賞という、何のためノミネートを発表しているのか意味不明な荒業があった。わざわざルール曲げてまで入賞させた、当のキーワードが「ちょいモテオヤジ」という、無理して流行語認定する意義ゼロの語だったのが、また口アングリだったわけだが。こればかりは、同じ事やられたらお手上げだが、可能性としてなくはない。
※さて、去年用いた【政治】【経済】【社会】【文化】【スポーツ】【イベント】の6カテゴリーだが、今年はもう少し細分化して
【社会】
【政治】
【経済】
【映画、出版、音楽】
【TV、その他芸能】
【スポーツ】
【インターネット】
【その他文化、風俗】
の8カテゴリーに分類して検討をしてみたい。まずは、過去10年間の傾向から。以下(その2)にて。
<関連記事>
【2006年版】ありがちだが、今年の流行語大賞を完全予想(その2) ※最近10年間の入賞傾向
【2006年版】ありがちだが、今年の流行語大賞を完全予想(その3) ※今年度ノミネート60語を評価する
【2006年版】ありがちだが、今年の流行語大賞を完全予想(その4-最終版) ※入賞、大賞候補と受賞者予想