バカに厳しいバカばかり

自戒の念も込めてそういうタイトルにしました。

【2010年版】ありがちだが、今年の流行語大賞を完全予想(その3)

2010年12月01日 12時34分28秒 | 流行語大賞/予想企画
このページは、できればその1その2もあわせてお読み下さい。



4.入賞候補予想

○まず、前記事で評価したAランク2語+Bランク16語の計18語を抽出する。入賞は通常10語。ひとまずAランクは当確とみなすと、Bランクの16語を半分の8語前後まで絞る必要がある。


【Aランク】2語

◎「はやぶさ」【社会】
◎「ととのいました」【芸能】

【Bランク】16語

○「家庭内野党」【政治行政】
○「一兵卒」【政治行政】
○「最小不幸社会」【政治行政】
○「脱小沢/親小沢/反小沢」【政治行政】
○「無縁社会」【社会】
○「名ばかり高齢者」【社会】
○「待機老人」【社会】
○「もしドラ」【出版・マスコミ】
○「AKB48」【芸能】
○「いい質問ですねえ」【芸能】
○「ゲゲゲの~」【芸能】
○「もってる」【スポーツ】
○「岡ちゃん、ごめんね」【スポーツ】
○「~なう」【その他】
○「イクメン」【その他】
○「山ガール」【その他】


<1次選考>

○それでは比較可能なキーワード同士で絞り込みを。「もってる」「岡ちゃん、ごめんね」は、ともにW杯絡み。

広く一般に使われたという意味では、問題なく「もってる」だが、そもそもの出所が本田選手でなく「今年」でもないのは難点。ただし、本田選手関連でもう一語「本田△」がノミネートされていたことも考慮する必要はあり。

他方、「岡ちゃん、ごめんね」は、問題なく「今年」であるものの、極めて期間限定気味に使われたワードに過ぎないという意味で、新語・流行語の主旨に馴染むかという点が挙げられる。

トータルでの使われ方という点では、誰を表彰するかという問題は残るものの「もってる」に一日の長あり?

「もってる」・・・○
「岡ちゃん、ごめんね」・・・×


○「高齢化/コミュニティ崩壊」関連の用語である「無縁社会」「名ばかり高齢者」「待機老人」のうち「名ばかり高齢者」は、インパクトは最も強いものの、肝心のフレーズとしてのはまり具合がやや薄い。googleで検索すると「名ばかり高齢者」が95100件に対し、類義語の「消えた高齢者」が451000件。なんでノミネートこっちにしなかったんだろうか。

残りの1つ「無縁社会」は、NHKの番組で問題提起された経緯があり、流行語大賞の保守本流「メディア発の新語」であるのがプラス要素。ただ、対象範囲が広く、やや漠然とした印象。対して「待機老人」は、3つの中では最もテーマがピンポイント。

これらも甲乙つけがたいが、1語だけを選ぶのであれば、それ自体で、残り2つの「名ばかり高齢者」「待機老人」の提起する問題を包含できる「無縁社会」の一歩リードか。


「無縁社会」・・・○
「名ばかり高齢者」・・・×
「待機老人」・・・×


○出版・マスコミカテゴリーで、ほかに有力な対抗馬が見つからなかった「もしドラ」は、経済カテゴリーにも有力候補が少なかったことも踏まえて入賞候補。トータルのバランスで入賞臭がとても強いと感じられた「イクメン」も、色んな知事の人とか、簡単に授賞式来てくれそうなことまで含めて生き残り。「~なう」も、過去数年のネット関係の入賞語と比較して、浸透度では全く遜色なし(「ミクシィ」など)。「山ガール」だけが、やや落ちる印象。

「もしドラ」・・・○
「イクメン」・・・○
「~なう」・・・○
「山ガール」・・・×

○ここまで見てきて気づいたのだが、授賞式に女性を呼べそうなキーワードがちょっと少ない印象である。


○判断が難しい政治分野。ただ一つ言えるのは、菅政権側から選ぶにしても小沢氏側から選ぶにしても、支持率がこんな状況で数ヶ月先がどうなっているのか見えない中では、現政権の政策を意味する語を入賞させるとか、政局とか将来の政界再編との関連性が想起される語を入賞させるのは、しづらいのではないかということである。

そういう意味では、菅政権なら「家庭内野党」、小沢関連なら「一兵卒」の方が、ひとまず当たり障りないというか、授賞を通じて何も言及していない感じが強い。

「家庭内野党」・・・○
「一兵卒」・・・○
「最小不幸社会」・・・×
「脱小沢/親小沢/反小沢」・・・×



○さて、芸能関連の「AKB48」「いい質問ですねえ」「ゲゲゲの~」であるが。みんな高いなあ。国民誰にでも分かる「今年の人」揃い踏みという感じである。昨今の流行語大賞では結構めずらしいパターンだが、その分高すぎて、授賞式に居並ぶ画というのが誰一人思い浮かばないという。

授賞式の「華」が今のところ決定的に不足しているという意味では、結局「AKB48」「ゲゲゲの~」のいずれかという話だろうか。ただダブル入賞となると、ここ数年の授賞式のトホホさを振り返るに、ちょっと確率低いかも。


「AKB48」・・・○
「いい質問ですねえ」・・・×
「ゲゲゲの~」・・・○



<2次選考>

○ここまででA・Bランク18語から11語を選定した。

【A/Bランク残り】12語 注:◎はAランク

◎「はやぶさ」【社会】
◎「ととのいました」【芸能】
○「家庭内野党」【政治行政】
○「一兵卒」【政治行政】
○「無縁社会」【社会】
○「もしドラ」【出版・マスコミ】
○「AKB48」【芸能】
○「ゲゲゲの~」【芸能】
○「もってる」【スポーツ】
○「~なう」【その他】
○「イクメン」【その他】


○「最小不幸社会」【政治行政】
○「脱小沢/親小沢/反小沢」【政治行政】
○「名ばかり高齢者」【社会】
○「待機老人」【社会】
○「いい質問ですねえ」【芸能】
○「岡ちゃん、ごめんね」【スポーツ】
○「山ガール」【その他】



○ではこの中からたった1つ落とすわけだが、基本的には、
①AKBと松下奈緒のダブルオファーは無理という点にたって、そのうちの1つを絞るか。
②それ以外のフレーズの中で、人口に膾炙した具合という基本に立って比較劣位を落とすか。
のいずれかの方法しかないと思う。

○で正直、これ最後まで結論が出なかったのだが、AKB・松下の2者を1点買いにして、それで裏目に出た場合のリスクを考えると、①での絞込みには踏み切れない。②の中で相対的に劣位なものを選ぶしかない。で、結論としてはこうである。


5.大賞候補

★★★「AKB48」【芸能】
★★「無縁社会」【社会】
★★「ととのいました」【芸能】
★★「ゲゲゲの~」【芸能】
★「はやぶさ」【社会】
★「一兵卒」【政治行政】
★「もしドラ」【出版・マスコミ】
★「もってる」【スポーツ】
★「~なう」【その他】
★「イクメン」【その他】

「家庭内野党」【政治行政】

ということである。★の数は大賞有力度を表す。

AKBにしろ松下にしろ、仮に入賞すればその時点で大賞候補で遇されるレベルの候補だが、どちらか一つをということであれば、単に人気面だけでなく、そのビジネスモデルの是非も含め、「現象」として語られた感の強いAKBということになる。一方、AKB・松下ダブル授賞で、どちらか一方が大賞だと角が立つという判断なら、当たり障りのないところとして「ととのいました」の可能性もあるかも知れない。






<<追記>>速報。「もってる」は受賞者ハンカチ王子で「審査員特別賞」枠での受賞とか。

「持ってる」男は違う!佑「ゆうもあ大賞」と2冠! 【スポーツ報知】

特別賞というと、トップテンの枠内で表彰する場合(例:08年「上野の413球」)と、トップテンの枠外で表彰する場合(例:02年「Godzilla
」)の両方が考えられるが、「サプライズゲスト」という扱いなので、今回はトップテン枠外かも。しかしそんなことより問題なのが「ゆうもあ大賞と2冠」って。いったい、いつからこの2つリンクして語られるようになったのか。ちなみに、ゆうもあ大賞と流行語大賞のダブル入賞は、エドはるみ・野村克也に続き3年連続(ただしエドはるみはダブル大賞)。エドさんの偉業には一歩届かなかったものの・・・ということか。栄冠なのかそれ。



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1 コメント

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流行語大賞 (giants-55)
2010-12-01 17:15:53
書き込み及びトラックバック有難う御座いました。

理に適った分析、興味深く拝読させて貰いました。今年は例年以上に「突出した流行語候補」が無い感じがしており、大賞予想は難しく在りました。「AKB48」とか「はやぶさ」も人口に膾炙したという意味では充分「流行語」とは言えるのでしょうが、“広義で”「商品名」と言える言葉が「流行語」というのは、何か個人的にしっくり来なくて。

それにしても、発表前に受賞語の一部が報じられる(「もってる」)というのは、異例な事ですよね。「紅白の出場メンバー確定報道」では、例年以上に誤報を連発したマスメディアですので、今回も誤報の可能性が無いとは言えないけれど、もし事実とすれば「爆発的な流行語が見当たらない今年、少しでも多くの人達の興味を向けさせる為の、事前のリーク。」といった感じもしております。
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