【読書感想文】「シークレット・レース」（タイラー・ハミルトン＆ダニエル・コイル）

梵天○さまからお借りして読みました。梵天○さま、有難うございました。

内容は、ツール・ド・フランス（以下TdF）で7連覇を達成したL.アームストロングと同時期に、同じUSポスタルサービスで走ったタイラー・ハミルトンが経験したドーピングを中心に、プロサイクリング界の内情を語ったものです。
ちなみにハミルトンは、鎖骨を完全骨折してもテーピングだけで固定し、TdFを完走した偉人です。

ドーピングに関しては、当時から疑惑は存在していたので、「やっぱりね～」って感想です。
それ以上に、選手をドーピングに駆り立てた原動力（≒お金？）と、それに巻き込まれて意識が麻痺していく過程についてあれこれと考えさせられました。自転車ロードレースに限らず、スポーツがイベント化＝商業化していく現代、見る側も呑気というか無責任に「スポーツの祭典」なんてもてはやしていいのかな？とも思います。

あと、L.アームストロングのアシストが毎年コロコロ交代した理由とか、C.カーマイケルがランスのコーチでも何でもない癖に上手に売名してたとか、UCIも本気で反ドーピングに取り組んでたの？、って小ネタも面白かったです。

インデュライン王朝以後のTdFに嵌ってた方なら、興味深く読めることは間違いありません。お勧めです。

それにしても、「フェラーリ医師の自転車トレーニング」って本が出たら、絶対買います！。