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関西中小企業研究所第48回研究会のご報告

2014-08-26 14:16:00 | 中小企業

今してみたい「海外進出のこんな事あんな事・ビジネスチャンスは海外マーケットにあり」

 講師 Just Creative Design 代表 山本千代美さん

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  2014年8月19日、ティグレ会議室において、「今してみたい『海外進出のこんな事あんな事・ビジネスチャンスは海外マーケットにあり」と題して、Just Creative Desgin代表の山本千代美さんに講演していただきました。以下に要約します。

ご紹介いただいた山本千代美です。よろしくお願いします。

経済成長の持続には世界で稼ぐグローバル化が避けて通れない時代になっています。政府も海外で稼げる中堅・中小企業を支援する姿勢でいます。わかっているけれど、どこから手をつけていいのか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか?eBay(イーベイ)をご紹介してその手がかりをつかんでいただけたらと思います。

 今日のアジェンダは、①eBayとは何かということから始めたいと思います。②クロスボーダーEC市場の動向をお伝えします。③eBayの登録方法をお伝えします。④取引にはコミュ二ケーションの壁があります。⑤商品の発送方法をお伝えします。

⑥出品手数料などについてお話させていただきます。⑦どんな商品が売れているのか紹介させていただきます。⑧関税について説明します。⑨トラブル対応についてお伝えします。


eBayとは


  eBayはアメリカで誕生した世界最大のオンラインマーケットです。登録ユーザー数は2億3000万人以上で、世界最大の市場です。取引金額は2012年度で6兆円を売り上げています。1秒間に2000ドル以上の取引があったほどの市場です。Made in Japanのあなたの商品を日本市場だけで売るのか、世界市場を相手にするのかの選択です。答えは簡単です。マーケットの大きさが違います。


クロスボーダーEC市場動向

 

 海外、国内ともにEC(電子商取引)市場は右肩上がりに拡大しています。今やインターネットで物を売ったり買ったりは当たり前の時代です。日本ではここ2~3年の間に新たなトレンドとして国をまたぐクロスボーダー市場がにわかに脚光を浴びてきています。その背景には、国内EC市場の成長の鈍化が上げられます。また、アジア、特に中国のEC市場の成長・発展が著しいことが挙げられます。そして、クロスボーダーEC市場支援事業者がたくさん立ち上がりました。

 こんな経験があります。そろばんを1500円で仕入れて、2700円で出しました。そしたら2万個の注文が来ました。個人で出した商品を企業が買いに来たのです。その時は、手元に2万個のそろばんはなかったのですが、手当てして商いを成立させました。

中国の方が日本の商品を買う割合は36%、アメリカの方は割合が32%、韓国が28%となっています。日本人が中国の商品を買う割合が12%、アメリカの商品を買う割合が13%ぐらいです。欲しいものが国内で完結していることと、言葉の壁があり海外のものを買うことに消極的になっているようです。そのことは商売においても、海外に出て物を売るということに消極的になる傾向にあります。ここは乗り越えていただきたいと思います。


eBayのはじめ方


 eBayPayPalのアカウントを登録します。次にPayPalのアカウントを認証します。そしてPayPaleBayで使えるようにリンクさせるということになります。eBayは全部英語ですので、Yahoo!などの翻訳機能を利用してください。eBayに登録するために必要なものですが、まず登録を確認するためのメールアドレスです。これは皆さんお持ちですね。これとクレジットカードまたはデビットカードが必要です。国内発行のVISAまたはMASTERカードで登録ができます。PayPalアカウントを登録するために本人確認の書類が必要です。パスポート・運転免許証でOKです。これらはスキャナーで撮ってアップロードしてeBayに送れば完了です。始めようと思えば、今日からでもできます。PayPalはインターネットバンキングのようなものと思っていただけたらいいと思います。決済はすべてPayPalで行います。開設は無料です。銀行口座のようなものですが口座番号や取引番号がありません。すべてウェブ上で行います。商品が落札されると買い手はあなたのPayPal口座にアメリカドルで支払ってきます。そのアメリカドルをあなたの日本の銀行口座へ日本円で振り替えることができます。その際、振替手数料が掛かります。

 

コミュニケーションの壁

 

 eBayに登録しますとIDが与えられますが、そのIDでフランスやイギリスにも出店できます。その際には言葉の壁がありますので、アメリカであれば英語でいけるので他の国に比べたらハ-ドルは低いのではないかと思います。eBayアメリカは世界中の人が見ています。英語が得意でない人も買いに来ます。やり取りはメールです。それほど難しい英語は使いませんし、eBay定型文というのがありますのでそれを使えば便利です。「この商品はいつごろ着きますか?」とか「この製品の色は何色ですか?」という質問がきます。eBay定型文や貿易英語を検索すると「品物は2~3日で着きます」「この色は~です」という文章が出てきます。

 注意しておくことはトラブルの防止のために、商品説明を詳しく書き込むことです。色やサイズ、新品か中古か?などを細かく書いておけば、商品を買う場合い相手も判断しやすいことでサービスにもなります。文化の違いがありますので、「この商品の送料少し高くないの」とメールで質問してきます。その時ははっきりと「高くないです」と返事をしておかないと、曖昧な返事をするとトラブルの原因になります。商品の到着が少々遅れても文句を言ってくることはあまりないです。オーストラリアはアメリカとほぼ同じです。お国柄で特徴のあるのはオマーンです。商品を値切ってきます。郵送で届きにくいのはイタリアです。注意してください。ドイツは100%届きます。国の特性は理解できてくると思います。言葉の壁は英語を毎日少しずつでも使って慣れていく必要があります。商品を1個売るまではすごく時間がかかる場合もありますし、ハードルが高い場合もあります。私の場合は、1個の商品を売るのに6ヵ月掛かりました。1個売れると次から次へと売れていきました。モチベーションを維持することが重要になります。

 

取引の流れ

 

 商品の流れは、ヤフオクと同じと思っていただければいいと思います。違うのは国をまたぐということです。日本から商品をサイトに出品します。ユーザーが商品を落札します。支払いが確認できたら、商品を発送します。発送した商品に「商品が壊れていましたよ」という苦情が来ます。そういう場合に備えて、写真を撮っておくといいですね。「こちらでは、このようにちゃんと梱包して発送しました」と言えるように備えておきましょう。海外への荷物の発送は郵便局を利用するのが一般的です。民間の配送業者がありますが、郵便局が比較的料金が安くて済みます。郵便局には4つの発送方法があります。①EMS(国際スピード便)、②Air Mail(航空便)、③SAL便(サル便)、④船便の4つです。たいていはEMSを使って発送します。約3~7日で着きますし、問い合わせ番号が付いていますので、商品が今どこにあるかを追跡することができます。また、商品についてそれぞれに補償が付いています。オプションで200万円までの補償を付けられます。補償問題に発展した時に役立ちます。Air Mailは約1~2週間で着きます。問い合わせ番号や補償はありません。補償問題に対応できません。SAL便も同じで、問い合わせ番号や補償はありません。到着まで2~4週間かかります。大量に物を送る場合には船便を使います。問い合わせ番号、補償はありませんがオプションで保険が付けられます。

 

eBayの手数料

 

 オークションで出品する場合と即決価格で出品する場合で手数料が変わってきますし、品物によっても手数料が変わってきます。計算するサイトもあります。 

www.fees.ebay.com/feeweb/feecalculator

にアクセスすると計算してくれます。このサイトでカテゴリーと出品したい商品の価格などを打ち込んでいくと手数料を確認できます。

 商品が落札された時に落札手数料がかかってきます。その他の手数料としてPayPal

の手数料がかかります。PayPalの手数料は取引金額の3.9%+40円です。たとえば、100ドルでゲームを売った場合、eBay出品手数料0.5ドル+eBay落札手数料10ドル+PayPal手数料4.2ドル=14.7ドル掛かります。約15%の手数料がかかるということになり、手数料を加味しながら価格を決めていく必要があります。

 出品手数料無料枠というのがあります。毎月50商品までは無料です。ただし落札手数料は掛かってきます。eBayの中で店を持って商売がしたいという方には年間契約のストアー契約があります。アンカーストアー契約の場合、月に200ドル弱支払うことで1ヵ月2500個まで出品手数料無料で利用できます。その他に、プレミアムストア、べーシックストアなどがあります。

 

どんな商品が売れているか?

 

 扇子が売れています。日本のイメージとして紙というのがあります。金魚でパープル色のものが売れています。綿のてぬぐいが売れています。アメリカでは綿ですがフランスではポリエステルのてぬぐいが売れています。日本ではこんなものとなるんですが、世界では評価されていて飛びついてくることになります。扇子は安いものですが1本100円のものが数千円で売れることもあります。袴が武道で使われているので、アメリカで流行っています。袴を300円で仕入れてきて一万円で売れるということにもなります。衣料品に関しては男性用がよく売れています。フランスではコスプレが流行っています。日本食が流行っていますので、炊飯器などが売れています。中近東はサプリメントがよく売れます。どういうものが、どこの国で売れるのかリサーチする必要があります。

 

関税について

 

 関税とは外国からモノを輸入した時に支払う必要のある税金のことです。関税は受け取る人が支払います。消費税は国内では8%と決まっていますが、関税は何%とは決まっていません。輸入したモノによって変わってきます。関税は商品、重さ、何のために送るのかによって決まります。関税を安くしてほしい人から、化粧品では関税が高いのでシャンプーとして発送してもらえないかとかというような問い合わせがあります。化粧品よりシャンプーとして送るほうが関税は安くなります。プレゼントにすると安くなりますので、プレゼントとして送ってほしいという要望がきます。

 郵便局のサイトを見れば、送っていいものと送れないものがわかります。商売目的の場合は、(商品代金+アメリカ国内の送料+保険料)×60%の関税がかかってきます。個人使用の場合は、商品代金×60%の関税がかかります。「関税」はバイヤーさんにとって悩ましい問題です。トラブルを避けるためにバイヤーに対して注意書きをしておくことが重要です。「輸入税・関税等は商品の価格や送料に含まれていません。これらの支払い義務は落札者にあります。これら、追加の金額がいくらになるかは、ご入札、御購入前に、ご自分の国の税関に確認してください。」としておけば、クレームが来た時も「事前に商品説明に記載していた」という証明になります。

 

トラブル


 日本ではめったにありませんが、海外発送は、荷物が届かないことがあります。海外の郵便事情は日本ほどよくありません。EMSと書留で商品を送った場合、問い合わせ番号がありますので、郵便局の追跡サービスで確認しましょう。

 商品をEMSと書留で送って、商品が壊れてしまったときは補償がありますので、郵便局に損害賠償請求できます。受取人にお願いして、現地の配送業者に「商品が壊れていた」という旨を報告していただきましょう。これをダメージレポと呼ぶようです。現地の郵便局と日本の郵便局が連絡を取り合って補償の有無を決定します。 Air mailSALで送った場合は、補償がありませんので、商品を出す際に、「Air mailSALは補償がありません」とあらかじめ記載しておきましょう。もし、クレームをいただいた場合には、赤字覚悟で再び商品を送ることも考えておきましょう。

 買い手が訴えた場合、誠実に対応することで、お客様に理解していただけるように努めましょう。国や文化が違っても同じ人間。クレームに負けずに頑張ってください。


関西中小企業研究所 第48回研究会のご案内

2014-08-19 19:18:00 | 中小企業

今してみたい「海外進出のこんな事あんな事・ビジネスチャンスは海外マーケットにあり!」

海外に販路を広げたい企業さまへeBayで海外進出をするなら今です

日本のマーケットの縮小とともに世界への足がかりが重要になっています。しかし、リアルに海外進出をすれば、現地法人の設置、雇用等膨大な費用が掛かります。eBay(※日本でいうヤフオクの位置づけ)は低いランニングコストで出店が可能です。途中で諦めない情熱があれば結果は必ずついてくると講師の山本さんは言います。乗り越えなければならない課題も多くあります。この不安を解決し、海外進出に向けてはじめの第一歩をどう踏み出すべきか?ともに考えていきます。

皆様の、ふるってのご参加をお願い申し上げます。

日 時  2014819日(火)午後6時~8

場 所 ティグレ大阪会議室
  大阪市中央区谷町2-6-4谷町ビル8F  TEL.06-6966-1866

テーマ 今してみたい「海外進出のこんな事あんな事・

           ビジネスチャンスは海外マーケットにあり!」

講 師 Just Creative Design代表

       山本 千代美(やまもと・ちよみ)さん

 

プロフィール> ●兵庫県出身。●IT研修講師 富士通FOM株式会社研修サービス事業においてICT活用講師、旧パナソニックラーニングシステムズ株式会社で技術研修講師を務める。●大学情報教育講師 武庫川女子大学、大阪大学、電気通信大学等。●某半導体メーカーの世界規模の社会貢献プロジェクトに参加。コンピューター技術を教育に取り入れるための指導を行う。●現在、「Just Creative Design」代表。●IT講師、web制作・企画とともに世界が注目する「made in Japan」の製品をeBayを通じて販売する支援講座を定期的に開催。

会 費 2,000円(研究所正会員は1,000円引き)


お申込   屋号、お名前を記載の上、
       下記までメールをお願いします。
          kanchuken@estate.ocn.ne.jp

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主 催  一般社団法人関西中小企業研究所
 大阪市中央区谷町2-6-4谷町ビル8F TEL.06-6966-1866



関西中小企業研究所第47回研究会のご報告

2014-08-01 11:53:00 | 中小企業

お手軽な“海外進出”(市場開拓)

~中国ECNO1 タオバオへの出店支援~

講師  株式会社ナセバナル 代表取締役 橋谷亮治さん

 2014年7月15日にティグレ会議室において、株式会社 ナセバナル代表取締役 橋谷亮治さんに「お手軽な“海外進出”(市場開放)~中国EC,NO1 タオバオへの出店支援~」と題して講演をしていただきました。以下に要約します。

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【タオバオ出店と運営代行事業の立ち上げ】

  株式会社ナセバナルの橋谷亮治です。会社は八尾の木の本にあり、中国の広州という所にも現地事務所があります。そこでは総経理をしています。中国の現地法 人には、日本語がペラぺラの20代の若いスタッフが20数名元気よく働いています。もともと、ネット通販の会社でした。中国の商品を仕入れてヤフーに出品 していました。その後、中国でタオバオが注目されてきましたので、タオバオを研究しました。日本の製品がよく売れているので、自分で仕入れて販売するのは 自分の強みではないと思い、日本の企業との付き合いがありましたので、「タオバオ」出店をお手伝いして、運営代行する方が向いているのではないかと思い新 しい事業を立ち上げました。日本で化粧品やその他のいい商品をつくっているが、中国で売るのは不得意な業者さんと手を組んで、日本での通販ノウハウをもった自社の強みを生かして行けばいいと思いました。現在、32社の代行しているので量的にも、実務的にも多くのことを経験しています。

【沸騰する中国市場とタオバオ】

 中国は、2016年にはアメリカを抜いてGDPにおいて世界最大になるという報告があります。2013年で1億円以上の資産を持っている富裕層は世界第2位になりました。日本の富裕層は、124万世 帯、中国の富裕層は238万世帯になっています。この層が1年に16%の割合で増えています。富裕層の年代が若いというのが特徴です。45歳以下が80% を占めています。2013年には年収500万円~3000万円が2000万人、130万円~500万円が8000万人います。2015年には年収500万 円~3000万円の人口が4000万人に、年収130万円~500万円の人口が1億8千万人になると予想されています。現在2014年ですからこの中間ぐらいのところにいるのではないかと思います。その人口約2億人ということになります。最低賃金が15%ぐらいの伸びを示しています。

次に、タオバオについて説明したいと思います。「タオバオ」って何という感じですが、掲載商品点数8億点以上、会員数5億人以上の世界NO1の電子ショッピングサイトです。毎日6000万人がアクセスしてきます。1分で98000点の商品販売をしたこともあります。このサイトはアリババグループ が2003年に設立したショッピングサイトです。2014年8月にアメリカで上場するということになっているようです。アリペイという会社も運営しており、オンライン決済サービスも完備されています。

 オバオは、2012年で楽天の約10倍の16兆円を売り上げています。楽天は日本では成長起業ですが、それを凌ぐ成長を続けています。2013年には25兆 円を記録しています。タオバオ最大の大規模セールは「独身の日」です。昨年の楽天優勝セールのようなものです。楽天は1ヵ月間のセール期間中に1426億 円を売り上げました。タオバオは2013年11月11日の「独身の日」に、売上高5600億円、取引件数1億7000万件を記録しました。

【実践!タオバオ出店・運営方法

 タオバオで売るためにはどうしたらいいのか?タオバオではC to C 基本ですから、出店する会社の名前を出すことは出来ません。すべて個人名になります。タオバオに出店するためには、3つの条件が必要です。①パスポートを 持っていること。②出店者名義のアリペイアカウントが要ります。98%以上がアリペイで決済されています。③出店者名義の銀行口座(中国本土)が必要で す。面倒な口座開設などは当社でフルサポートします。広州の空港まで来ていただいて、現地の日本語検定1級のスタッフが観光もかねて手続きをすすめていき ます。ここを乗り越えれば出店が可能になります。しかし、タオバオ出店への不安がつきまといます。例えば、①反日感情②中国語が分からない③海外発送が大 変④代金の解消が大変⑤中国の販売予測などです。反日感情ですが、デモが中国に発生している時に、ユニクロのネット上での売上げが20%伸びたというデータがあります。日本製はいいものと分かっているので、実店舗で買うのは戸惑うが、ネット上であれば問題ないということで、売上げが伸びています。中国語は自社の日本語検定1級のスタッフがお手伝いします。売上げの回収についてはアリペイで回収しますので問題はありません。中国の販売予測については売れるかどうかは予測が付きます。

 国ではいい加減な会社もたくさんあるので、中国のお客さんはチャットで会話して商品の購入を決めます。自社の経験で8~9割のお客さんはタオバオのサイト についているチャット機能を使って会話してきます。その会話の反応を見て注文を決めているようです。自社のオペレターが対応しています。現地の日本語の分 かるスタッフがスカイプで日本の会社と意思疎通を図ります。明日も、中国のスタッフと東京の企業さんと大阪にいる私の3者でやり取りをすることになっています。商品を扱う店舗のメインスタッフとサブスタッフの2名を決めます。商品のデザイン・翻訳を自社のスタッフで行います。商品について何の知識もないス タッフが中国のお客様と対応することは出来ませんし、現地での表現を使うことで商品に魅力を感じてもらうためにそうしています。

発送については、日本からの直送する方法と、中国の自社の物流倉庫から発送する方法があります。日本からの発送はメリットもありますが、国際送料が高いことです。中国発送の場合は国内送料が安いことです。

決済の関係ですが、アリペイを使った経験から商品代金の未回収は1件もありません。アリペイの年間取引は約64兆円です。その決済方法は、①お客様が出店 企業のタオバオ店舗で、アリペイ決済の商品が購入されます。②購入者のアリペイ口座の残高から、商品代金分が凍結されます。③アリペイよりタオバオ店舗に 商品代金の確保が通知される。④商品を購入者に発送します。⑤購入者に商品が到着する。⑥購入者からアリペイに商品受けとりの連絡が入る。⑦代金がアリペイから送金されるという仕組みです。手数料は基本的にはかかりません。楽天のように1ヵ月後に決済ということはありません。

決済されたお金は元で中国の銀行口座に送金されますので、日本の提携ATMから日本円で引き出すことが出来ます。提携ATMは年々増えています。引き出し金額が1日1万元(約16万円)に制限されていますので、自社が円建てにして中国の銀行に振り込むという方法も取っています。相談していただけたらと思います。

【販売戦略と現地スタッフの熱心な販売活動】

 次に、販売戦略を考えて生きたいと思います。30社以上のタオバオ運営代行の実績を生かして販売戦略を立てています。タオバオの検索アルゴリズムを意識したSEO対策を立てています。タオバオでは20段階でそれぞれの店舗を評価しています。購入者がこの店の商品は「いいよ」と評価した数に応じて点数がつきます。当然 最初は0から始まりますので、時間がかかります。評価を上げるために安売りをかけたり、送料を無料にするとかの方法で短期間に点数を上げています。販売戦略も提案しています。

中国では模造品が出回っているというイメージがありますが、本物志向が強まっています。現地法律事務所と提携して中国商標権の獲得や特許権の取得をしています。

まとめますと、自社の魅力は5つです。

 出店手続きと銀行開設のサポート②トップページの作成③商品ページの翻訳と出品④受注と梱包発送代行⑤販促のアドバイスなどです。さらに、特徴として弊社 では売上げに応じて手数料をいただいています。その一部を現地スタッフの「ボーナス」として毎月支給しています。店舗の売上げが上がれば上がるほど中国人 スタッフの給料が上がるというシステムを導入しています。スタッフの仕事に対する熱の入れようが違いますし、優秀な人材が集まるという仕組みにもなっています。