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関西中小企業研究所第76回研究会のご報告

2017-04-03 12:07:43 | 中小企業

 

本当の整骨で病気は治る、

マーケティングの整骨で業績は伸びる

~新しい医療・バイタルリアクトセラピー~

                                  講師 谷町なかの整骨院 院長 中野文武さん

 

  

 

2017年3月31日、ティグレ会議室において、谷町なかの整骨院の中野文武さんに「本当の整骨で病気は治る、マーケティングの整骨で業績は伸びる~新しい医療・バイタルリアクトセラピー~」と題して講演していただきました。以下に報告します。

 

自己紹介とプロフィール

 

 今、紹介していただきました、中野でございます。谷町9丁目で整骨院をしています。また、阿倍野区の方で日本一古い木造の個人町道場を開いています。道場は、祖父の時代から営んでいます。

今は「いいものが伝わらない」時代です。たとえば、歌などでもモーニング娘やAKBなどはプロディユ-スだけで売れます。本当にいい歌は埋もれています。医療・健康という分野で、本当にいいものを世に出すために取り組んでいる中野の活動を知ってもらえたらと思います。

 

 今日お話しすることは、①柔整・接骨院・整骨院について、②日本の医療と経済と柔整の関係、③これからの治療院の戦略、④誰もやっていない新しい治療、人が誰もやっていない柔整の新しい治療についてお話したいと思います。名称をバイタルリアクトセラピーと言います。師である山﨑雅文先生が創始し発展に力を入れられ、中野自身も、アメリカ・ドイツ・モンゴルなどで啓蒙(治療という言葉は医師法に抵触するため)にあたっています。アメリカ生まれの治療法ですが、日本で進化させて世界中に発信しています。⑤目標と希望のすり合わせによる療法です。日本の医療にもいいところがいっぱいあります。反対に悪いところもたくさんあります。患者さんの希望と医者の目標が、一致しているかというと必ずしもそうではありません。オペをしても解決しないことがあるということを、医者も患者も相互理解がなされていれば未然に防げる問題なのですが、意外と医者と患者の間の意思疎通が図れていません。お医者さんは、日本で一番学力のある方ですが、患者さんとの意思疎通が苦手な方が多くいます。そこで、看護師とかリハビリに従事する者が、間に入ることでスムーズにいくことがよくあります。⑥施術師としての理念などです。

 

 中野文武のプロフィールを少しお話させていただきます。行岡医療学園整復科と明治東洋医学院鍼灸科を卒業しています。道場をやっていますのでいろいろなスポーツ大会役の職と救護の活動をプロ・アマ問わずにやっています。ほとんど毎週救護活動に出ています。また、日本の医療だけではなくて健康回復のための異業種を含めて考える「一般社団法人 日本健康回復協会」を立ち上げて活動しています。バイタルリアクトセラピー協会では事務局長をさせていただいています。ここは大阪市中央区ですが、大阪府柔道整復師会中央区支部の代表をさせてもらっています。

 

 道場の関係で日本拳法というのがあります。ご存知の方はおられますか? たくさんおられますね。お爺さんの代に、柔道家・空手家などが集まりまして、一番強い拳法をつくろうではないかと、関西大学の澤山先生が中心となり結成されました。道場生には、全日本のチャンピオンとか、総合格闘技の世界王者や、ボクシングの渡辺二郞氏などがいます。その他にも多くの方を輩出しています。

日本拳法会での役職は、大阪府連盟の理事長をさせていただいています。

 

全国から患者さんが施術を受け(保険外)に来られる

 

 整骨院の方の説明に移りたいと思います。整骨院は、谷町9丁目の千日前の大通り沿いに開設しています。患者さんは、北は北海道から南は九州から来られます。施術は保険外を基本にしています。健康保険はケガや病気の治療のためのセーフティネットですから、それ以上の治療を受ける場合は健康保険を使うことはできません。例えば、骨を折ったときには使えますが、肩が凝ったので健康保険を使うというのでは、医療の財政がもちません。予防医学も健康保険はききません。整骨院、接骨院ではもっと健康保険を大事に扱いましょうということを訴えています。

 

 なかの整骨院では、保険外の施術を行っています。体の全体的な予防・バランスを整骨で治療しています。初診料1万円、基本治療費五千円をいただいています。この数字を見て高いと思われる方も多いと思いますが、正直に経営する側からすると安いのです。

 治療院という箱ものの中で治療しますので、手で治療できるのは1人だけです。治療する人以外にスタッフ・受付がいりますので1人の人に3人の人手を使っていることになります。お寿司屋さんをたとえにとると、お寿司屋さんは1人でたくさんのお客さんを相手にできます。治療院は1人対1人の治療で、多くの人を相手にできません。経費のかかる割には料金が安いのです。

 簡単な手術をする場合でも数万円くらいはすぐにかかります。整骨院では、数万円かかるところを、5千円でやっているようなものです。ちゃんと施術することの価値を判っていただけると、高いと思われている施術費を払って多くの方が受診に来られます。

 道場の説明に移りますが、昭和26年にGHQが武道を再開する許可を出しました。その指令を受けまして、すぐに道場ができました。この道場より古い木造の個人町道場は他にはありません。今残っている道場の多くは昭和40年代にできたものです。日本拳法の稽古はプロテクターを付けて行うけっこうハードなものです。生徒の中には、総合格闘技の現・世界フライ級チャンピオンなどがいます。

 

マスコミの取材

 

 院も道場もメディアの取材などがございます。整骨院の方へ、読売テレビの「ニュースTEN」が取材に来たときには、義眼の女子プロレスラーの方で、とても人気のある選手のドキュメントでした。無理がたたって女子プロとして活躍することができなくなるぐらい、体が悪くなっていました。整骨を受けることで復活したということで、ニュースに取り上げられました。

症状は原因ではなく結果です。腰、膝(ひざ)が悪いので、腰・膝(ひざ)を触っても回復しません。目が悪いので、頸椎(けいつい)が歪んでしまい、体全体がバランスを崩してしまうのです。その結果、めまい、吐き気、内臓に疾患、腰・肩・肘(ひじ)の痛みが出てきていました。目の周囲の緊張と頸椎(けいつい)の歪みを治してやると全体のバランスが回復して元の体に戻ってきました。その様子が放映されたのです。

 雑誌にも取り上げられていますし、師匠の山崎雅文先生の出版されている「バイタルリアクトセラピー」の中にも、同様に様々な施術実績が記されております。

 整骨院の開設は平成7年になります。阪神淡路大震災もありまして、整骨で日本の医療を少しでも良くしたいという気持ちで、23歳のときに天下茶屋にて開院しました。不便な場所でしたが車イスの方や、遠くは東京からお客さんが来てくれるまでになり、そこで、ご来院者様のご不便をなくすために、平成16年に今の谷町九丁目に移転しました。谷町9丁目は交通の便は良いところですが、整骨院には向かないところでして、周りはラブホテルとお寺ばかりです。来られる患者様は、1日開業していても、大阪市中央区の方はほぼゼロで、区外で大阪市内の方が2~3割。大阪府下の方が2~3割、その他は他府県の方ばかりです。遠方から「藁にもすがるつもり」で来られていますので、もっと頑張らなあかんと思っています。

 

アメリカの影響を受ける日本

 

「柔整」という言葉は、正式には「柔道整復師」のことを指しています。日本古来の手による施術のことです。日本の医者というと西洋医学に携わる方のことをいいます。西洋医学以外の医療を、鍼灸師・柔道整復師が担当しています。柔道復師は国家資格ですが、弁護士と司法書士の関係に似ています。弁護士は司法全般について関与できますが、司法書士はその一部を担当しているという関係です。同じように、医師は医療全般に関与できますが、柔道整復師は医療の一部を担当しているということになります。

 柔道整復師の立場から、日本の医療をどのように見ているかをお話したいと思います。日本の医療費は1年間に約40兆円掛かっています。医療費の内約9兆円が薬代です。日本は世界一薬を飲む国です。

 日本は医療と食料については主権を失っているとも言えます。GHQが武道を中止させましたが、それはすぐに解除しました。しかし、食料についてはコントロールしています。減反政策で国内の食糧自給率を下げさせて、アメリカの食糧を買えということです。軍事力・エネルギーも支配されています。

 医療も同じです。医療の元締めは、製薬会社です。中でもアメリカのファイザーが日本の医療にも大きな影響力を与えています。最近でも有名国立医大が外資系製薬会社のオーダーを通すことを前提とした治験データを集めていたことがリークされて問題視されたり、また、高血圧は平成一桁の頃までは160以上でしたが、その後、国内の基準を128まで下げて、日本人の多くが投与を受け、さらに最近また148に戻された歴史があります。これはアメリカで作りすぎて余った降圧剤を売り切るためで、現在は、在庫が処分できたので、元に戻りつつあるのだとした説もあります。

 薬を一番たくさん飲んでいるのは日本人ですが、次に多いのがアメリカ人です。アメリカ企業が金儲けのためにつくった薬をアメリカ国民に多量に飲ませているのです。

 日本は税収が50兆円で、国家予算が80兆円、医療費が40兆円になっています。しかも、医療費はこうした薬価を通して海外に流れていきます。ここを何とかしなければならないと、いつも議論しているところです。また、薬を飲んで治ればいいのですが、治るとは限りません。薬を飲まなくても治る方法があるということを一人一人の方に知ってもらって、健康になってもらえたらと思います。

 

ネットを活用して集客

 

 柔道整復師への予算は、年間で3500億円から4000億円ぐらいです。医療費の約1%に過ぎません。整骨院は年々ふえています。老人の数が増えていますので、ニーズは高くなっていますが、ニーズに応じて予算化されていませんので、柔道整復師に関する予算が年々不足してきています。最近2年間で300億円ぐらいの減少で厳しい経営をしています。

 平成10年から平成26年の間で、整骨院の数は、23000件から45000件に倍加しています。大阪では、6000件の整骨院がありますが、一年で約500件近く潰れています。柔道整復師の養成校は20年前では13校ありまして、1年間に柔道整復師に成れるのが約900人でした。現在は養成数が規制緩和され100校以上に増え、1年間に約6000人が卒業していきます。国家試験はありますが柔道整復師は一気に増えてきています。開業数が増えてくると、どのようにして生き残るのかということが、課題になります。

 

 柔道整復師のテーマとしては、「リラクゼーション」「美容・痩身」「治療・介護」の3つの分野に分けることができます。「治療・介護」は保険を使えますが、その他の分野は保険を使うことができません。私が行っているのは、3つのテーマが重なる部分の「予防と健康」の分野です。ですから、保険が効かないところをやっています。保険はききませんが、「良い施術」を基本に、「ホームページ」「クロージング」などをしっかりやることで、経営は十分にやっていけます。

 私は、仲間とともに勉強会をしながら、経営ノウハウを伝えています。コンサルタントが増えていますが、100万円を儲ける方法というコンサルがはやっています。100万円で、店を構えて受付を置いて経営するのは厳しいのですが、それでもコンサルがはやるというのは、整骨院の苦しさを象徴している出来事です。

 また、医療の従事者は宣伝できないという法律があります。しかし、インターネットには規制がないのです。ですから、ネット上では、困ったことに「ゴッドハンド」がいっぱいいます。何が本当で何がウソかわからない状況です。しかし、やはり本物の価値を広報していれば、集客はできます。

 過去にアメーバブログというSNSで一日最高4000アクセスしてもらいました。毎日無料で、それだけのアクセスをしてもらうと、その他にもアメーバブログを見てくれている人がいますので、いい宣伝になります。

 整骨の技術指導も、同業者としています。整骨院で成功するためには、お客さんの絞り込みが重要です。その整骨院が女性をターゲットにした痩身や美容を中心に経営していた場合に、肉体労働で体が凝っている方が来られても困ります。特色と商品をクライアントのニーズと合わせる絞り込みで、集客につなげていくことが大切になります。さらにはその整骨院のファンになってもらうことです。そのためにネットやWEBを活用すれば無料でも集客や業績のプラスにすることが出来るのです。

 

不思議な回復力

 

 余談になりますが、ある救急病院が患者からの理不尽な要求やクレーマーに疲れて、救急患者の受け入れを廃止したケースがあります。例えば救急で患者が来られて、骨折をしていたので、一晩、入院させて翌日に治療の体制が整ってから治療を始めたら、一晩ほったらかされたと苦情が来たりするらしいです。救急病院なので、救急の処置はできますが、本格的な手術は体制が整ってからでないとできません。今は特養に特化した病院に変わりました。病院でも絞り込みが始まっていますので、整骨院も絞り込みをする必要があります。

 みなさん、入院したら退院時に会計するまで、すべての支払料金は分からないですよね。寿司屋の場合ですとそれを「時価」と言います。入院は寿司屋の時価と同じです。中野もたまに病院や医院のお世話になることがございますが、事前に「本日の診察代は○〇円となりますが、よろしいでしょうか?」などと示唆されたことはありません。

一方、中野整骨院では、クライアントさんの希望と当院の目標を一致させて料金は前払いしてもらっています。事前成約をしているわけですがこれもネット集客やニーズの絞り込み同様、経営の安定において重要ですが、やられている同業者は少ないです。

それら、工夫の結果、北海道からも患者さんが来てくれています。

 最近では20歳~30歳の10年間、片足がうごかなくて、原因不明の不調でお困りの方が来られました。難病と診断を受けていますが、何の補償もなくて苦しんでおられました。見た目にはなんともないので、周囲の方や家族の方までも、「怠け病」ではないかと疑ってしまうという、ご本人もご家族もお困りの状態でした。

しかし、みなさん誰でも30分間正座していたら、神経と血管を圧迫して、足がしびれますね。現在の医学では、変形と圧迫のことを考えていません。この方は身体の歪みと循環圧迫による「麻痺状態」でした。正座をしてしびれて動けないのと同じ様なものだから、医学的には調べてもどこも悪くないので、ご家族はこの方のことを「怠け病ではないか?」と思わざるを得なかったのです。

正座でしびれている足をいくら手術しても、薬を飲んでも、針で治療しても治りません。しびれている足は伸ばして血行循環と神経を回復させてやると治るのです。この方は、そのコンセプトで整骨して身体の歪みと循環をよくして、結果、10年ぶりに足が動いて、年末から仕事に行かれています。施術期間は半年で、月々、大阪に泊りがけの施術で5日間くらいの頻度で加療しました。でも大変ですよね。仕事もないのに北海道から当院に来るのですから。ですが、こんな症例がたくさんあります。

 

プロレスラーSさんも復活

 

 あるとき、友人のプロレスラーS氏とたまたまナンバで出会いました。身長が190cmで、現在はチャンピオンです。当時、1年半も試合に出ていなかったので、「どないしているの」と聞きました。体がしんどそうなので理由を聞くと、「謎の心臓病で苦しんでいる」というのです。大学病院や専門病院で診てもらっているけれど病名が分からないというのです。

 そこで彼に、「人間だれでも首を絞められると心臓がバクバクなって苦しくならないか?」と聞きました。もちろん彼はうなづきます。「君、それは、長年の選手生活で首が痛めつけられて、首を絞められているかのように出ている症状かもしれないで」と告げました。彼もその謎の心臓の動機、息切れ、発作が出るときには首を絞められているような苦しさだと言います。早速、かかりつけ病院の脳神経外科の了解をもらって「首の整骨施術」を始めました。主に首と上部胸椎を正して循環と圧力を一定に良くする様に整骨します。施術を始めたその日にS選手から電話がかかってきまして、1年半ぶりに家の階段を休めずに上ることができたと報告してくれたのです。その後、約3ヶ月間加療を続けて復帰してくれました。この内臓疾患、心臓疾患のことについてはS選手のウィキぺディアにも載っています。

 また、九州から来られている女性は頭痛・めまい・吐き気が治らなくて苦しんでおられました。同じく整骨で身体の構造異常と血行循環などを正すと良くなってもらえました。他にも、20代の方で幼稚園のころからの不定愁訴とお腹の痛みで苦しんでいて、大学を中退せざるを得なくて就職も出来なかった方。50代の人で精神系の薬を長年飲んでいる方。そして、プロのアスリート・金メダリストなど、たくさんの方がこられます。

正座してしびれている足を手術しても治りません。正確な整骨をすれば回復します。谷町なかの整骨院は保険外の実費施術院です。セーフティネットとしての最低限の対症療法に対して税金から補助を認めれられているだけの保険施術ではありません。正しい整骨「バイタルリアクトセラピー」で健康で笑顔で過ごしてもらったらこれほど幸せなことはありません。

 

ネットで集客

 

 成功ばかりではありません。失敗もたくさんしました。失敗談も聞いて下さい。23歳のときに開業しました。親父から「ちゃんと治療したら、患者は来なくなる」と言われました。忠告にも関わらず、「ちゃんと治療したい」とこだわって失敗しました。

 虫歯の場合、歯医者さんに行き痛みを止める処置をしてもらって、その後、本格的に歯の治療をします。同じょうに私も腰の痛み・足の歪み・内臓疾患などをちゃんと直そうと取り組みました。ところが、整骨の場合、患者さんは虫歯のときのように完治を望んでいないのです。腰の痛いときに腰をもんでもらって気持ちよくなればいいのです。歯医者さんでいえば「虫歯を治す」よりも「痛み止めだけで満足するし、それ以上はむしろ不要がられる」様なものです。例えば姿勢が悪いので腰が痛くなる場合、整骨して筋力が発揮出来るようにして運動するのが本当はいいのですが、それをしたら患者さんは来なくなります。その患者さんはただ安価で揉んでもらって、気持ちよくしてもらえばいいのですから。こちらがいくら本当の根本的な施術をおすすめしても煙たがられて、結局は簡単にもんでくれる整骨院か、痛み止めの注射でもなんでもいいから簡単に痛みをごまかしてもらえる病院へ行かれます。そうなってくると患者のニーズに合わせて、それに迎合したサービス業として、こだわりを捨てて清濁併せのむことも必要ですし、算術も必要です。

 でも、そうしたくなかったので知恵を絞りましたし、努力もしましたが、だいぶ苦戦した時期があります。患者さんが来てくれなくて心が折れそうなくらいに悩んだものです。

 また、昔は、宣伝しなくても腕があったらお客さんは来てくれると思っていましたので、SNSもしていませんでした。それに、情熱を持って柔道整復師会での役職、業務や、スポーツ大会の救護活動などもしていましたので、整骨院経営に集中できていませんでした。

当然、本業に集中しておりませんと、それが患者様にも伝わってしまい整骨院は苦しくなりました。ふと気が付いたら立て直せるかどうかの赤字経営に陥ってしまってました。遅ればせながら「どうしたら再生できるか?」を考えることになりました。

そうして始めたのがインターネットマーケティングの走りでした。

 最近では小池百合子さん、トランプさんはネットを使って勝ちました。アラブの春は、FBから始まりました。ネットで国が転覆したのです。そいう時代だということを知っておく必要があると思います。現在、バイタルリアクトセラピー関西南ブロックの勉強会などでネットを利用する必要性を訴えています。ネットの利点は、本物の良い商材を多くの人に無料で届けることができます。しかも、ネットは、即時性・即応性・双方向性で相談を受けることができます。またその相談を見ている閲覧者が何万人もいるのですから、見込み客が何万人もいるということです。素晴らしいコミュケーションツールで使わないともったいないです。

 コンサルタントはいいます。「見込み客を増やしてリスト化しましょう。ターゲットを絞り込み顧客を増やす。高単価の設定。キャンペーンの開催。長時間労働は避けましょう」と。しかし、教えるだけで高額な費用を請求してきます。成果報酬ではありませんし、そのほとんどは無料でできる事ばかりです。それでしたら、仲間内で勉強してコンサル力を付けようということで頑張っています。一時期ブログをやめておりましたが、勉強会のためと仲間にノウハウをシェアするために最近再開しました。経営で苦しんでいる後輩があまりにも多いので、ネットの力で患者さんと出会えるようにして、後輩のところにも送りこんでいます。忙しい毎日を送っています。

 

治療の「目的と希望」を一致させる

 

 クライアントさんは、治らないのが当たり前ということを分かっていないようです。たとえば、エステを10年続けるのと、続けないのでは大きな違いが出てきます。しかし、60歳の人を20歳に若返らせるというのはできません。老化は防げません。医療においては老化は防げないけれど、遅らせることはできるということを説明していないから、老化による身体の経年変化や外傷までを防げるとクライアントさんは思いこんでいるのです。

 例えば胃がんを手術した方が、それから後に、ご飯をいっぱい食べることができますか? できないですね。命を長らえて良かったと感謝するはずです。そして、「胃の手術をしたのだから今後は以前のように暴飲暴食はできないな」と思って当たり前です。しかし、腰を手術した場合は、手術前のようにゴルフにいけると思っているんです。腰の骨を削ったのに。たとえ、腰の痛みが軽減しても、足の麻痺がましになっても、それに感謝できないのです。そこで苦しんだり悩んだり焦ったりします。医者や医療者を逆恨みしたりする場合もあります。

 これは事前の説明不足によるものです。経営や業績のためには、これの解決に知恵と工夫が必要となってきます。

 逆に虫歯の場合は「元通りにさせることはできないので、代わりにリジンや骨セメントで形成」します。元通りに治っておりませんが一生使うことができればOKです。患者さんの希望と一致するし、患者さんにも「虫歯は元の歯に戻せるものではない」という知識があるから問題がないわけです。

それと同じで、整骨でも患者さんの希望と治療する目的を一致させることが必要です。「希望と目的」が一致していないから、患者さんはジプシーのように病院や整骨院をさまようことになるのです。一致させるための知識を患者さんにレクチャーする必要もあるのです。この「希望と目的」を一致させて施術を始めます。一般的に会社では、商品を顧客と契約して販売します。整骨の場合も同じです。

 

 治療について説明

 

 一般的には、患者さんに症状が出ます。肩が痛くなった、腰が痛くなったなどです。そこで病院へ行って検査します。電気治療・運動療法などを施して症状が緩和します。そこで、治療は終了します。

 私のしている方法は少し違います。バイタルリアクトセラピーは、検査・分析から始めます。原因の究明から始めます。風邪をひきます。なぜ風邪をひたのか? 心臓が悪い、なぜ心臓が悪いのか? 膝、腰の場合も同じです。レントゲンを撮ります。膝、腰だけではなくて、体全身をみます。お医者さんとも連携しています。姿勢が悪くて腰の変形ができている場合には腰を治してもよくなりません。姿勢や日常生活を正す必要があります。施術に入る前に原因を調べて、最適の施術を行えば、首・肩・腰・肘・膝・内臓不調・心臓などの疾患もよくなります。みなさんが健康になってもらえます。そのために、検査の結果を患者さんに説明します。

 ビルでも傾いていたら正常に機能しません。骨でも変形していたらバランスが悪くなります。全体の構造を説明してバランスを回復する治療の方法を話し合います。バランスが崩れると神経を圧迫したり、骨が変形したりします。目が見えない人の圧迫を治したら、10年ぶりに目が見えるということが起っています。内臓の場合も同じです。圧迫しすぎて、骨が変形して腰の骨を手術するという場合があります。この場合は、圧迫を取り除いてバランスをとることで腰の痛みは回復します。 

 私の知っている何百億円もの売上を上げている会社の社長さんで、腰の手術を5回したという方がおられます。その方は、「なんぼ中野先生でも治すのは無理やねん。日本中の先生に診てもらって、東大の先生にも診てもらったけれど難しいのや」といわれました。もっと早く聞いていたら「直せ」たかもしれないなと思いながら、話を聞いていました。『全身の歪みと圧迫によって、変形して出た骨を削る手術をする、歪みと圧迫は変わっていないので、また変形が進んで骨が出てくる、また痛みを取るために再々手術をする』これを繰り返してしてきたので、もうひどい状態です。虫歯と同じで、虫歯を治さずに5本、次々と虫歯が悪くなっては抜いている様なものです。次は6回目の手術になるかも知れません。

全身が歪み、骨のバランスが崩れると、圧力異常が起こり酸化して潰されていきます。それに伴って神経、血液循環、内臓などの働きも悪くなります。

 

バランスを回復すると治る

 

 私の施術方法は、検査・分析をして検査器・医療器・レントゲンなどを使用して、バランスを取りながら直していきます。バランスを回復して元気になっていたただきます。

過去のケースで15歳のときに首を痛めた方がいて、25年間首を圧迫し続けていました。首を絞めつけられているようで、めまい、吐き気、頭痛、心臓バクバクといった主訴で、パニック障害を起こし、周囲からは精神病扱いされていましたが、首の圧迫を整骨で取り除き、バランスを回復して見違えるようになりました。40歳にしてスーツを着て、はじめて就活を始められました。

 同じく、別の方で14歳のときにケガをして、足の重心線の上に腰椎がのっていない方。20才になっても、腰が痛くてまともに歩くことができない状態でした。ご家族の方は、車いす生活を考えていたようです。腰椎と足の骨のバランスを整骨することで回復して歩けるようになりました。

 ドクターも来られます。手術をたくさんしているので、首の骨の隙間がなくなり、手の麻痺が出て手術をされたお医者さんです。術後がかんばしくないので、中野のことを知っている同じドクター仲間から、当院を紹介されてこられました。このドクターも良くなられて元気にされています。

 難治な場合でも治る道はあります。

 

 まとめますと、一般的には、「問診⇒治療⇒評価」となります。当整骨院では、「問診⇒分析⇒説明(勉強)・インフォームド・コンセント⇒治療⇒患者さんと柔整師の両方の評価」という流れになります。

 

理念は「人生の意味を考える」

 

 治療に対する理念を申し上げたいと思います。

 偉業のほとんどは100年後にはなくなっています。100年後に影響を与えている人は本当にわずかです。偉大なベーブルースも今の若い人は知りません。ましてや、宇宙の長い時から考えれば、100年にも満たない私たちの命は一瞬の命です。その一瞬のために「なんのために生まれてきたのか? 使命は何か?」と考えると、怖れも、焦りも無用です。ただ日々感謝して生きていければ素晴らしいと思うのです。一瞬一瞬を良い方向で生きていければいいなと思います。お金儲けしても100年後そのお金も無くなっています。道場の生徒にも、仲間にも「人生の意味を考えて生きていこう」と訴えています。このことを理念として治療にあたっています。

 本日は、ご清聴いただきありがとうございました。

 

 

質問   先生のビジョンをお聞きしていると、施術・治療も大事ですが、教育が大切だと思いました。教育が制度・法律を変えていく力になるのではないかと思いました。先生のお考えをお聞かせ下さい。

 

回答   その通りです。教育というのは僭越ですが、お互いに勉強していくということでしょうか。すでに勉強会をしていますし、中央区の大西宏幸衆議院議員と連携して健康の問題をヘルパーさんにお話しています。健康に問題を抱えているヘルパーさんはとても多いのです。著名な方と連携することで広めていくことができます。

 

     また、一般の方にも広めていこうと思っています。健康に関する簡単な話をしていこうと思うのです。いまからの時代、お金がなくても生きていける時代が来ると聞いたことがあります。一番大事なのは健康で、二番目が人間関係だそうです。その意味からも健康の話が大事になってきます。

 

 

質問   西洋医学は対処慮法で、整骨は日本の医学と考えていのでしょうか?

 

回答   整骨は日本の西洋医学と考えてもらえたらと思います。一般に思われている東洋医学的な気功や念などの神秘的なものは整骨にはございません。科学とエビデンスにもとづいた整復です。 私のやっている治療法は、アメリカの西洋医学です。 日本の医療は300年間、解剖ができませんでした。江戸時代解剖ができませんでしたので、手触りだけで治す治療が発達しました。そこへ黒船が入って来て、300年間戦争と解剖をしてきた西洋医学が日本に入ってきました。入ってきた西洋医学を神わざと勘違いしたんです。この頃、西洋医学を学ばれた新井白石の解体新書や緒方洪庵先生が有名です。

中央区に緒方洪庵の適塾があるのですが、今の大阪大学医学部の前身です。学部長は緒方家の子孫でした。黒船とともにオランダの蘭学、薬学とドイツの内科学が入ってきましたが、不完全な形でして西洋医学全部が入ってきたのではないのです。その後、明治医制できあがったヒエラルキーは今も続いています。

 

しかし日本の医療は素晴らしいところもあります。健康保険制度です。お金のない人も治療が受けられるのは素晴らしいことです。なぜ日本の医学が今のような形になったのか? 私のことを知っているドクターからは、「中野さんから見ると部分的に対症療法ばかりしている日本の医学はばかに見えるでしょうね?」と言われたことがあります。私は「そんなことはありません。日本の医学の素晴らしさや良さも感じておりますし、もし息子が、交通事故で大けがをおって、検査や手術が必要となれば、手を合わせてドクターにお願いしますし、医師はやはり凄いと敬意を持っております」と答えています。本当に日本の手術の技術も素晴らしいのです。

 

 ただ、日本の医療に対するリスペクトは持っていますが、本当はもう少しこうすればもっと良くなるのにと思うのです。日本の医療は商売になっています。毎月に行う手術の数もノルマ的なものがあります。ある病院では理事長が「今月のオペは少ないではないか」と指摘すると、担当医は、「今月はオペを増やします」と返事をしていました。そんな現場を見てきましたから残念です。

食料も医療もアメリカにコントロールされています。日本人の手に取り戻すことが必要です。食料も田舎に行けばたくさん休耕地があります。地産地消は実現できるのです。

 

 

 


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