奏~かなでうた~詩

自作詩を書いています。自分の心と向き合いながら。

不適切な未来

2012-06-28 | 心詩~こころうた・世
世界は おそらく
用意された未来に向かって
動いているのかもしれない

どれだけの人間が
それを望まぬとしても

どれだけ その未来が
間違っているとしても


その未来は
誰が用意したものなのか

神の意思?
宇宙の摂理?

いいえ
それらとは別の

人間のエゴが用意した
無理矢理 軌道修正された
不適切な未来


その未来は
人間らしい生活を奪い
人間社会の秩序とモラルを
根こそぎ奪い去っていくだろう

その未来では
すべての価値が失われ
人は 生きる意味さえも
見失ってしまうだろう


私たちに
食い止める手段(てだて)などない
ひとりひとりの力は
あまりにも無力だ

私たちは
権力という魔物の前に
屈服するしかない


私の中に棲む
非力な戦士よ
その奥に滾らせる怒りを
どうか眠らせるな

井の中の蛙 大海を知る

2012-06-23 | 詩詠~うたうたい
私は
私しか知らない

私は
私以外を 知ろうとしない

私は
私で 手一杯

私の一日を
生きることで 手一杯


他人を知ろうとしない
私は

世界を知ろうとしない
私は

井の中の蛙

私が知る 世界の中で
私という 等身大のすべてで

なにもかもを知った気になる
なにものにもなれる気でいる


そして ある日
意気揚々と
井の中を飛び出した蛙は

そこに広がる
見たこともない風景に
戦慄し 立ち竦む

思い描いた理想の自分は
手も足も出せない現実に
無惨に掻き消されてゆく


私は いったい
なにを見て 生きてきたのだ

私は いったい
なにを信じて 生きてきたというのだ

うなだれる私に
答えるものは ない


この世界で生きていくのなら
己の足で 見つけ出せ

丸裸の自分を知ったのなら
ゼロから始められるはずだろう

心のどこかで 声がした

自問自答・2

2012-06-20 | 心詩~こころうた・己
これでいいのか
大事なことから
目を背けてはいないのか

他人の苦しみを
どこまで引き受けて
人は 生きればいいのか

頭で理解するだけでは
心を痛めるだけでは
真実を知ることにはならない


それならば

私の人生を
誰が 知っていてくれるのか

声を上げる者と
そうではない者の差
それだけなのか?

苦しみの重さを
誰かと比べることはできない
訴える先もない葛藤を
抱え続けて生きる者もいる


しょせんは
自分自身の問題
自分の人生は
自分で守るしかない
自分で切り開くしかない

それならば 「絆」など
無意味なものになるじゃないか


日常にありながら
非日常を憂える心
他人事ではない
いつかは 我が身にも
どれだけの人間が
本気で考えているだろうか

同じ大地の上に生きる
すべてが運命共同体

一番大きな問題に
すべての人間が
力を注げたならば
この世界は
本当の意味で
変わっていくのだろうか


私は
どう生きればいいのだろう

「ありがとう」「ごめんなさい」

2012-06-17 | 詩詠~うたうたい
「ありがとう」
「ごめんなさい」
今まで何回
言ったかな

「ありがとう」より
「ごめんなさい」のほうが
勇気がいるよね

「ありがとう」より
「ごめんなさい」が
いつも多いかもね

「ありがとう」も
「ごめんなさい」も
大事な人ほど
言えないんだよね

思いとは裏腹な
「ありがとう」や
「ごめんなさい」を
言ってない?


でもね 本当はね


「ありがとう」と
「ごめんなさい」と
正反対のようで
どちらも相手への
尊敬の言葉

「ありがとう」も
「ごめんなさい」も
神様がくれた
幸せを呼ぶ
魔法の呪文

思いのままに
声に出せばいいんだよ


気持ちは伝わる
心は繋がる


本当は ちゃんと
言いたいんだもんね?

信念

2012-06-17 | 心詩~こころうた・己
まっすぐに生きる
正直に生きる

ただ ひたすらに
善くなりたいと
善くなればいいと

汚されても
踏みにじられても
後ろ指さされても
身ぐるみ剥がれても

幸せを願う心
平和を願う心
正義を信じる心
希望を信じる心

それだけは
奪われずに
失わずに

強い信念を持って
生きよう

焦燥感

2012-06-15 | 心詩~こころうた・己
向かうべき 道を求め
手当たり次第に
ドアをノックしていく

あれから もう3年
何ひとつ変えられない現実に
気持ちだけが 前のめりになる

中身のない自分を
痛いほど自覚している
なのに また
同じ失敗を 犯してしまうのか


頭では理解している
今はまだ
行動する時じゃない


向かうべき世界がどこなのか
自分にできることが何なのか
分からないから 見つからない

何をすればいいのか
どこを目指せばいいのか
自分は何者かに なれるのかさえも


ノックしたドアから
返事はまだ 聞こえない
今度こそはと 縋る思いで
足を踏み入れたのに

このまま
進み続けても いいのだろうか
本能に従う生き方が
本当に正しい 生き方なのか

諦めの早さが
私を何者にもさせなかった
また 同じ結末を
引き寄せるつもりなのか


どんな道を選んでも
同じ自分でしか いられないのか
本能は 運命に 抗えないのか

自分の手に余ると嘆く人生など
二度と ごめんだ

希望-ヒカリ-

2012-06-08 | 詩詠~うたうたい
人は この世界に
なにを見ているのだろう

人は この世界に
どんな希望を抱くのだろう

社会は秩序をなくし
世界は荒廃した
獣と化した亡者どもが
獲物の心臓をえぐり喰らう


気付く者は
誰もいなかったのか
己の過ちに
世界の腐敗に

傷を塞ぐには
もう 遅すぎる
化膿した裂傷から
膿が垂れ流される


世界を救うには
誰か じゃだめなんだ
世界を救うのは
自分 という意識

見て見ぬふりをした
その蓄積された代償
私たちは 犠牲者じゃなく
加害者なのだと


人はまだ
希望を抱くことができる
未来を諦めてはいない

気づいたときに
変わっていける
変わりたいと望むのならば

戦う相手は 己の心
堕落に抗う強さがあるか
惜しみなく注げる愛があるか


何度も同じ過ちを繰り返す
そんな愚かな生き方を
醜い本性(すがた)を偽善で飾り立てる
そんな卑怯な生き方を

本当は誰も
望んでなんかいないはず

この世界の未来に
なにを残すことができるだろう
未来を引き継ぐ者たちに
希望(ヒカリ)ある世界を託したい

夜空に思ふ……

2012-06-07 | 心詩~こころうた・己
忘れていたこと
ふと 思い出す

幼き日
星に憧れ
月に憧れ
天文学者になりたい
そんな夢を抱いていた

忘れていた思い
ふと よみがえる

いじめられても
いじめられても
痛覚のない者のように
なにを感じることもなく
学校へ通いつづけた


大人になった私は
なぜ こんなに
弱くなってしまったのか

大人になった私は
空を見上げることさえ
忘れてしまっていた

痛覚を遮断する方法が
心にバリアを張る方法が
分からなくなってしまっていた

人生に打ちひしがれる私を
星は 月は
あの頃と変わらぬ煌めきで
見守りつづけてくれていたのに


夜空を仰ぐとき
幼き日の思いが
胸の奥を駆け巡る

あの頃の痛みなど
もう 思い出すこともできないが

星に憧れ
月に憧れ
遠く 遠くまで
無限の宇宙へと馳せた思いは
少しも色褪せることなく


孤独などではない
居場所なら ここにある
ここで生きよと生まれたのだ

ひとつひとつの命が背負う
運命を見守る 宇宙の煌めきよ

私が星になる日まで
どうか あなたの子供のように
その懐に包み込んでいて欲しい

生きていきましょう

2012-06-06 | 詩詠~うたうたい
心の毒を 全部出して
清らかに生きていきましょう

花を見て
綺麗と微笑みましょう
星を見上げて
悠久に思いを馳せましょう

心の毒を 全部出して
身軽に生きていきましょう

スキップしながら
鼻歌でも歌ってみましょう
風の香りを感じながら
背中に羽根を生やしてみましょう


心の毒を 全部出すためには
自分のことを
精一杯 愛してあげましょう
苦しみに汚れた「私」を
すべて許してあげるのです

その毒は
長い間に蓄積された垢です
あなたが成長するために
脱ぎ捨てなければいけないものなのです

その毒と 歩んだ時間は
決して忘れちゃいけません
だけど 脱ぎ捨てたあとは
決して振り返ってはいけません


心の毒を 出しきったなら
新たな「私」を生きていきましょう

見慣れた景色も 部屋も 自分も
キラキラ輝いて見えるでしょう
夢を叶えたくなるでしょう
無性に誰かを愛したくなるでしょう

心の毒を 出しきれたなら
新たな毒が 入り込む隙などありません

弱いあなたは もういません
自信を持って生きていいのです
あなたの心は 何百倍も
強くなっているのですから


さあ 深呼吸をして
息吹を体に満たしましょう

あなたの未来は
ここから 始まるのです