奏~かなでうた~詩

自作詩を書いています。自分の心と向き合いながら。

絶望の淵で

2012-03-30 | 心詩~こころうた・己
結局は
なにも変えられない

どこにいようと
この運命からは
逃れられない

あの手この手で
私の居場所は
奪われていく

ただ
害を成す人間が
変わるというだけのこと

傷付けられる人間は
その運命から逃れることは
できないのか
今より先の未来が好転することなど
あり得ないのか


わずかな光も
目ざとく見つけて破壊する
レーダーが張り巡らされているように

1ミリの希望さえ
私には許されないものの如く
容赦なく摘み取られ

「ここがお前の居場所だろう」と
暗闇の淵へと
引きずり戻される


希望も懇願も
すべては儚い幻想
最初から
存在さえしなかったもののように
やがて この記憶からも
葬りさられていく

私は何を欲していたのだろう
私は何を目指していたのだろう

立ち上がる力も萎えてしまう
このまま 置き去りにされてゆく……

この世が平らであるならば……

2012-03-29 | 心詩~こころうた・己
攻撃する人間が
いなくならないのならば
その攻撃をはね返す
強さを持てばいい

傷付かない場所が
どこにもないのならば
傷にならないくらい
心を丈夫にすればいい

本当にそうか?
それが最善の解答か?


なぜ 人の尊厳を
奪おうとする人間が
いなくならないのか

なぜ 人は
人を支配することでしか
己を誇示することが
できないのか


人は平等ではいけないのか
誰しもの尊厳が守られる世界ではだめなのか

優しさに価値はないのか
醜い心でなければ望むものは手に入らないのか

弱者は強者の生贄か?
それが与えられた宿命なのか?

なぜ 人の世はこうなってしまったのか──?


この世界のすべての景色が
見渡すかぎり 平らであったなら

3.11

2012-03-11 | 心詩~こころうた・己
大震災から 今日で1年

あの日 ほんの少しだけ
家が揺れた場所に住む私に
震災が与えたものは

揺れの何万倍もの
精神的ダメージ

それは
TV画面に広がった
被災地の惨状よりも

これから起こりうる
我が身に迫る
大地震への恐怖


鬱に憑りつかれた魂は
恐怖心を絶望へと増幅し
途切れ途切れにも
心に生まれていた
未来へ向かう気持ちを
すべて無意味に変え
生きる気力を
根こそぎ奪い取った

一寸先も見えない
今の私の現状

復興を信じ
笑顔を取り戻していく
東北の人々が
まぶしくて
泣けてくる


鬱に負け
恐怖にも
負けるのか


神に祈るばかりの日々
その日が訪れるまでに
せめて
すべてを受け入れる
覚悟を持ちたい

愚問・4

2012-03-09 | 心詩~こころうた・己
何を信じても
裏切られるのなら
何も信じずに
生きられるだろうか

傷付かなければ
強くなれるのか
傷付くから
前に進めるのか


なぜ
傷付くのだろう
なぜ
傷付けるのだろう

その行為の先にしか
進むべき道は見えないのか


本当は何も
信じてはいないのか
本当は誰も
ひとりきりなのか

傷付くことで
傷付けることで
ひとりではないと
安堵しているのか

そんなに弱い
生き物なのか
そんなに空虚(からっぽ)な
世界なのか


ただ ひたすらに
自問を続ける

答えなどない
愚かな問いかけを