楽器としてのヴァイオリンそのものをモチーフにした『額絵』は
なかなかありません。エンジェルが弾いている宗教画風の『額絵』
や『人形』は結構見つけるのですが・・やっと見つけたイタリー製の
額絵は寝室に飾ってあり起床時に眺めては元気を出し就寝時に
眺めては安らかな眠りを誘う幸せの額絵なのです。
クラッシクの録音はもっぱラジオからのエア・チェックでした。
音楽録音のメディアも色々と変わりました。オープンリールのレコーダーからLカセット、カセット、MD,CDなどなど、性能的には改良と進歩の連続だったのでしょうが販売されていたソフトはそれなりに高くてとても買えませんでした。唯一手軽に出来たのはラジオからのエア・チェックと友人に借りたメディアから録音して自分のライブラリーにして楽しみました。ラジオからのエァ・チェック中は他の機器のスイッチをオンすると雑音が発するので家族に協力してもらったり随分気を使いました。あの頃が懐かしいです。ライブラリーはそのまま保管しておりましたが最近良く聴く様にしています。

昭和30年(1955年)3月18日日比谷公会堂にて

その演奏会は二十歳の私にとって言葉に表せないぐらいの興奮と
感激と感動がありました。プレセントされた切符は公会堂の本当に
一番後ろの列の中ほどの席でしたが手に入れてくれた父はさぞ
苦労したのではと今でも感謝の気持ちは忘れません。勿論演奏者
とは距離が離れていて(オペラグラス等勿論ありません)細かな
表情などはわかりませんでしたが音の響きはPPでもこの席で
良く聴こえた事が印象に残っています。演奏された曲目は
《ハチャトリアンのニ短調》と《プロコフィエフのニ長調第一番》
の協奏曲でしたが後年あるバイオリニストとお話する機会でお聞き
した折演奏会でこの様な二大作品を演奏するのは大変珍しく又
大変な事なのだそうです。しかもアンコールにこたえて弾いて曲が
《序奏とロンド・カプリチオーソ》でした。
(競演・NHK交響楽団 指揮・ニクラウス・エッシュバッハー)
プログラムのタイトルは『オイストラッフ送別演奏会』となって
おり『送別のことば』を山田耕作氏が書かれています。
