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福建省平タンにおける企業所得税優遇政策を享受できる実質的経営要件

2023-11-15 | 税制

2023年4月24日、福建省平タン総合試験区税務局、財政金融区、経済発展局、市場監督管理局と共同で「福建省平タン総合試験区における企業所得税優遇政策の明確に関する公告」を発表し、福建省平タン総合試験区(以下「試験区」と略称する)の企業に対する所得税優遇政策を適用する時の実質的経営要件を明確に規定しました。本公告が2023年1月1日から効力が生ずるとされています。

 

試験区で登記するだけでは生産・経営、人員、会計業務、財産等のいずれかを試験区に置かないと試験区で実質的に経営している条件を満たせない為、試験区の企業に対する所得税優遇政策の恩恵を享受できません。詳細規定は下記のようになります。

 

1.   生産・経営を試験区に

 

(1)    企業は試験区に固定的な生産場所、必要な生産経営の設備等を確保しなければなりません。且つメインな生産場所又は生産経営に対して、全面的管理と統制を担当する機構を試験区に設立しなければなりません。

(2)    当該企業の名義で相手方と取引・契約成立を行わなければなりません。

 

2   人員を試験区に

 

(1)  生産経営に必要な人員は試験区にある当該企業で確実に働き、給料が試験区にある銀行で開設された口座に振り込まれるとのことです。

(2)    企業の規模・人員の状況に基づき、1つの課税年度内に3~30人の人員に試験区で最低6ヶ月間の社会保険年金に加入させなければなりません。

 

3   会計業務を試験区に

 

(1)    会計資格・会計帳簿・財務諸表等の会計関係書類を試験区に保管しなければなりません。

(2)    企業の基本貯金口座と主な業務の取引時に使われる決済口座を試験区の銀行で開設しなければなりません。

 

4   財産を試験区に

 

企業が所有権・使用権を持っている財産を試験区で確実に使用している又はそれに対して実質的管理・統制をしている部署を試験区に置いている、且つ当該財産は当該企業の生産経営に相応しいものだとのことです。

 

試験区で登記されている企業が試験区以外のところで分岐機構を設立し、当該分岐機構の生産経営・人員・会計業務・財産等に全面的な管理・統制をできている場合、当該企業は試験区で実質的経営の要件に該当します。

 

福建省平タン総合試験区税務局、財政金融局、経済発展局、市場監督管理局が共同で公表した公式解釈によると、下記のいずれに該当すると、実質的経営要件を満たせないということです。

 

(1)    生産経営の機能を備えず、試験区外の業務との財務決済・確定申告及び納税・領収書の発行等の機能がしかない場合。又、

(2)    登記住所と実際の経営住所と相違し、コンタクトを取れない若しくは実際の経営住所を提供できない場合。

 

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