Kaizen(啓源会計事務所)

海外の会社設立手続き、税制等の方面に関する情報は、Kaizenは皆様とシェアしましょう。

米国会社の「抜本的変更」における株主の株式買取請求権(1)

2024-07-29 | 会社設立

むかし、会社の「抜本的変更(Fundamental Changes)」は株主全員の承認が必要でした。そのため、各株主は拒否権を有します。株主1人でも「反対票」を投じた場合、その変更は無効になります。現行の法律では、上述のやり方が否定され、指定された株式数の割合による承認を承認します。拒否権の代わりに、現代法は「抜本的変更」を反対する株主に「株式買取請求権(Appraisal Right)」を与えています。

 

株式買取請求権は、単に株式を評価する権利ではなく、会社に株式を公正価値で買い戻させる権利です。各州の法令は当該権利を導入し、当該権利を行使する手続を定めています。株主は法令に定める要件に従わない場合、権利を放棄することとみなされます。

 

  1. 株式買取請求権が行使できる場合

 

株式買取請求権が行使できる場合を確認するために、関連法を精査することは重要です。各州の法律条項は次のように異なっています。

 

(1)    一部の州では、会社設立書類を変更する時(ある種類株主に損害が発生する時)に株式買取請求権が発生します。

 

(2)    一部の州では、合併の双方(消滅会社と存続会社)の株主は株式買取請求権を有します。一方、一部の州では、消滅会社の株主のみは株式買取請求権を有します。

 

(3)    ほとんどの州では、抜本的変更について議決権を有する株主のみが株式買取請求権を有します。いくつかの州では、議決権のない株式の保有者であっても株式買取請求権を行使することができます。

 

一般的に、議決権を有する消滅会社の株式の保有者、ほとんどの資産を譲渡する会社の株主、及び「株式交換」で株主を取得する会社の株主は、株式買取請求権を有します。

 

しかし、会社は上記の変更を行ったとしても、株主は株式買取請求権の行使には重要な制限があります。ほとんどの州では、会社の株式が公開されている場合、又は株主の人数が多い場合(通常は2000人以上)、株式買取請求権は発生しません。従って、株式買取請求権は非公開会社のみに発生します。原因は、非公開会社には株式市場が存在しないため、市場価値もないことです。

 

続きます~~

 

免責声明

本文の内容と意見は一般的な情報共有のみであり、専門的なアドバイスではありません。本文の内容への信頼によって生じた全ての損失に対しては、啓源が一切責任を負いません。専門的なサービスがご必要な場合は、お気軽にご連絡ください。

PVアクセスランキング にほんブログ村

Kaizen(啓源会計事務所) - にほんブログ村


この記事についてブログを書く
« シンガポールにおける学歴証... | トップ | 米国会社の「抜本的変更」に... »
最新の画像もっと見る

会社設立」カテゴリの最新記事