粉飾疑惑の渦中にあるオルツ(→当サイトの関連記事)は、監査人以外の監査法人(グループ会社含む)との関係もあったようです。
以下、オルツのウェブサイトとそこでリンクされている報道などより。
まず、デロイトトーマツ。
AI開発のオルツ、生成AIの提供でデロイトトーマツと連携(2023年)(日経)
「人工知能(AI)開発のオルツ(東京・港)は企業向けの生成AIの提供でデロイトトーマツコンサルティングと協力する。まずは機密性の高い情報を多く扱う金融業界を対象に、個別企業に特化した「大規模言語モデル(LLM)」などを提供するサービスを共同で展開する。
協力の柱の一つが「AIクローン」の活用だ。オルツは利用者のメールやチャットの履歴などを自身のさじ加減で学習させて個人にカスタマイズするAIを開発している。性格や習慣、癖や好みなどを反映し、業務を担わせることを狙いとする。このAIクローンを通じて顧客企業の生産性や生成AIに対するリテラシーの向上を支援する。」
最近もオルツの幹部と対談していたようです。
デロイトのウェブサイトに飛ぶリンクが掲載されているのですが、切れていました。粉飾と決まったわけでもないのに、手回しがよすぎる。
次は、あずさ監査法人。
オルツとキャスターの合弁会社「LUVO」、KPMGジャパンと協業を開始~AIエージェントを開発・活用し、経理業務改革を支援~(2024年11月)
「本サービスでは、あずさ監査法人が有する経理業務に係る専門知見と実績、LUVOのAI開発技術およびアノテーション技術を融合させ、経理部門の従業員の代理として動くAIアシスタント*1とAIエージェント*2を開発します。また、人間の指示を理解してタスクを遂行する「AI社員*3(AIクローン)」を経理部門業務に広く配置し、業務に関わる従業員の負担を削減し、効率的かつ目に見える成果を実現します。」
あずさ側のプレスリリース。デロイトトーマツと違って、削除していませんでした。
KPMGジャパン、LUVO社と協業を開始AIエージェントを開発・活用し、経理業務改革を支援(2024年11月)
「あずさ監査法人は経理業務に関する豊富な知見をもとに、数多くのクライアントの業務改革を支援しています。本サービスは、あずさ監査法人が有する経理業務に係る専門知見と実績、LUVOが有するAI開発やアノテーション(タグ付け)の高い技術を組み合わせて、経理部門の従業員の代理として動く「AIアシスタント」・「AIエージェント」を開発、人間の指示を理解してタスクを遂行する「AI社員(AIクローン)」を経理部門業務に広く配置し、業務に投入する人的リソースを削減、そして目に見える成果へとつなげる支援をします。」
問題になっている極端な広告宣伝費の多さのせいか、メディアへの露出度が高い会社だったようです。実情を知らない一般企業やマスコミなどがだまされるのは仕方ないとしても、粉飾退治のプロと認知されている大手監査法人は、名前を使われることに、もっと警戒しないといけないのかもしれません。(提携する前に、AIに調べさせた方がよいのでは)