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特別調査委員会の設置に関するお知らせ( ラ ッ ク ラ ン ド)

特別調査委員会の設置に関するお知らせ(PDFファイル)

ラ ッ ク ラ ン ド(東証プライム)のプレスリリース(2023年5月12日)。

四半期レビュー手続の中で、工事原価に関連する偽造された見積書(電子ファイル)が監査人に提出されるという問題が発生し、外部有識者を委員に含めた特別調査委員会を設けて、調べることにしたそうです。

発覚したときの様子。

「(内部監査室長は)ゴールデンウイーク明け5月8日に当該制作リーダーと電話で連絡が取れ、翌日5月9日に面談の場を設け確認したところ「当該見積書ファイルは私(当該制作リーダー)が同じ業者から以前に入手していた見積書ファイル(PDF形式の電子ファイル)を利用し、見積書ファイルをソフト「Adobe Acrobat Reader」にて開いた上で、同ソフトの「入力と署名」を利用の上、変造箇所4か所において、元々の見積書の文字の上を白地で塗りつぶし、場合によっては文字を記載することで上書き、変造したものである。会社ルールの見積書取得期日の3月 17 日までに取得が間に合わないので、業者に見積金額を聞いて3月 14 日に見積書ファイルを変造した。」との回答を受け、当該制作リーダーが 2023 年3月 14 日付で見積書を変造していたことが判明しました。 」

プレスリリースを読む限りでは、偽造された見積書は、会計処理にはほとんど影響がないものだったようです。また、書類としては未入手ではあるものの、業者との商談から、金額目安は把握できていたようです。監査人には、未入手であることを正直に伝えて、後日、正規のものを入手したときに見せれば、特に問題はなかったのかもしれません。

しかし、監査人からすれば、偽造された書類をみせられたことがわかって、はいそうですかというわけにはいかないでしょうから、徹底した調査を求めるしかないのでしょう(「会計監査人から公正かつ適切な調査を行う必要があるとの指摘」)。

(以上は、プレスリリースを読んだ感想にすぎず、実際は深刻な問題が潜んでいるのかもしれません。)

(補足)

当サイトの関連記事(「イメージ文書により入手する監査証拠に関する実務指針」について)

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