会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

「業務及び財産の状況に関する説明書類」(2013年6月期)の公表(新日本監査法人)

業務及び財産の状況に関する説明書類(公認会計士法第34条の16の3第1項に規定する公衆縦覧書類)を公表いたしました。

新日本監査法人は、2013年6月期の「業務及び財産の状況に関する説明書類」を9月9日にウェブサイト上で公表しました。計算書類も含まれています。

主な数値は以下のとおり。左から当期(2013年6月期)、前期、前々期です。

業務収入  92,508百万円←92,975百万円←95,941百万円
営業利益  315←2,028←4,113
税引前当期純利益 776←2,681← 2,241
当期純利益   352←507←1,875

業務収入は2009年6月期が最高でそれ以降減少が続いています。当期は非監査業務の売上が若干増えたようですが、監査業務の落ち込みをカバーするほどではなかったようです。利益の方は同じ2009年6月期に営業利益の段階から赤字だったのが、翌期以降は黒字になっています。しかし、当期の営業利益、税引前当期純利益、当期純利益は前期と比べて大幅な減益となっています。

新日本は、ビッグ4流の成果主義的人事考課を採用し、2010年には働きの割に給料が高いとみなされた従業員を「転進」と称して大量にリストラしたわけですが、その効果も一時的だったのでしょうか。

もっとも、財政状態をみると、借入金等の有利子負債はなく、また、負債のうちの多くは社員退職引当金(負債の約6割強)です。資産側では繰延税金資産(40億円強)が気になりますが、引当金の金額から計算されるフルの金額(80億円超?)と比べると控え目に積んでいるようにも思われます(まさか税効果で利益調整しているということはないとは思いますが)。社員退職引当金は、一般企業でいえば役員退職慰労引当金みたいなものであり、OBの年金などを除けば、いざとなれば相当部分取り崩せる(社員に退職金・年金を支払わなければよい)でしょうから、BSの方は健全だといえそうです。

ところで、不思議なことに、業績がさえないにもかかわらず、報告書の表紙をみると、経営トップは「転進」もせずに地位を維持しているようです。

こちらのページでは前期分もみることができます。

http://www.shinnihon.or.jp/about-us/stakeholder/index.html
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