会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

弁護士失墜の大元凶、ロースクール解体勧告(東洋経済より)

弁護士失墜の大元凶、ロースクール解体勧告

(特に目新しい話ではありませんが)弁護士業界の状況が悪化しているという記事。ロースクールが障害となって司法試験合格者の数をしぼれないのだそうです。

「政府は7月、司法試験の年間合格者数を3000人程度とする数値目標は「現実性を欠く」として、正式に旗を降ろした。ただ大幅減となるであろう、新たな目標人数を定めることはできなかった。3000人という合格者数を前提に制度設計された、ロースクールの扱いに窮してしまうためだ。

ロースクールは法学部以外の学生や社会人など法学未修者を積極的に受け入れ、知識ゼロから3年間の学習で7~8割を司法試験に合格させるとして、全国で74校が立ち上げられた。司法研修所で行われてきた実務教育の一部まで担うとされた。

その想定は大きく覆されている。昨年の司法試験合格率は25%まで落ち込んだ。先の検討会議は司法試験の成績不振校などへの公的支援削減を主張し、統廃合を促す。

だがこれでは何ら本質的な解決には至らない。真の問題は、ロースクールでの教育内容が徹頭徹尾、法曹志望者のニーズとは懸け離れていることにある。」

「初学者教育の欠如に加え、ロースクールでは肝心の司法試験への対応も表向きいっさい行われない。

それは、試験の得点だけによる選抜を否定し、ロースクールを中核とする法曹養成を不可欠とした、「司法制度改革の理念」を追求すべく作られているからだ。

この理念の裏には旧司法試験対策で中核となっていた受験予備校への、研究者教員の敵愾心、嫉妬心がある。法学部の講義から受験生を奪った「主犯」であるためだ。」

「教員にとって「事例問題を作成し、答案を読み、添削する起案教育は、時間と手間のかかる仕事」(森山教授)だ。大変だからやりたくない、とは言えないが、予備校的で文科省も禁じていると言えば通りがよい。「ロースクールの教授といえども、研究だけしていればいいんだ。学生が司法試験に合格するかどうかは、本人の資質と努力によるものなんだ」。和田弁護士が聞いた、あるロースクール研究科長の本音である。」

「結局ロースクールでは、歓迎していたはずの未修者に、初学者教育という「入り口」も、司法試験対策という「出口」も教えてくれない。途方に暮れた学生はどちらの対策も予備校などに頼らざるをえない。」

会計士試験制度の改正の際に誕生した会計専門職大学院の理念(「合格だけを目的とする予備校的な詰め込み教育はだめだ」的なもの)も、この記事で批判されているようなロースクールの建前と似ているような気もしますが、司法試験ほどは専門職大学院に依存した制度にはならなかったので、まだ悪影響が少なかったのでしょう。

司法試験:2049人が合格 「例外」と「原則」の差拡大(毎日)
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