「会計ビッグバン」(懐かしい言葉です)を加速すべきという日経社説。具体的な中身はあまりなさそうです。
「日本が1990年代後半から進めてきた「ビッグバン」とも呼ばれる会計改革を加速させ、資本市場にさらに多くの投資を呼び込みたい。」
新リース会計基準(→当サイトの関連記事)について。
「約1万社が対応を求められ、自己資本比率が半減する例も予想されるなど影響は大きい。丁寧な説明が必要だ。商船三井が新基準を踏まえた見込み資産量と総資産利益率(ROA)目標の開示を始めたのは参考になる。
新リース会計の範となったのは、欧州やアジアなど約150カ国・地域で普及する国際会計基準(IFRS)だ。同基準では19年にリースのオンバランス化が始まった。日本の会計処理が異なると企業の信頼が下がりかねなかっただけに、国際標準に合わせるのは賢明な措置だ。」
企業結合会計基準についてもちょっとふれています。
「日本はIFRSを改革の先導役と位置づけ、当初から基準設定の議論に専従者を送り、その決定に基づき日本基準の改革を進めてきた。資産価値の変動が財務諸表に反映されやすくなったことなどは、IFRSの影響を受けている。今後は企業買収に関する会計処理なども、国際的な視点で検討を進めてほしい。」
のれん償却廃止のことをいっているのでしょうか。8月末に金融庁が公表した金融行政方針(→当サイトの関連記事)でも、唐突にのれん非償却にふれていました。スタートアップの M&A を促進する観点とのことです。
「ビッグバン」を加速せよとのことですが、大きな会計基準改正は、金融商品会計基準の見直しが少しずつ進められているぐらいで、リース会計基準で一応打ち止めのような感じもします。
会計基準というより、社説の最後の方でふれている「非財務分野の基準」の方に、金融庁も、ASBJも、企業も、監査法人業界も、関心が向いているのかもしれません。
[社説]「会計ビッグバン」を加速し意見を世界にhttps://t.co/lNCyVLkKBX
— 日本経済新聞 電子版(日経電子版) (@nikkei) September 29, 2024