会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

大手監査法人トップの新年あいさつ2021年

大手監査法人トップの新年あいさつへのリンクを集めてみました。日付が入っていないが、たぶん新年になってから更新されたと推測されるものを含みます。

1.監査法人トーマツ

包括代表からのご挨拶
日本の未来に新たな価値を


「...ステークホルダーと深度あるコミュニケーションを継続して実施する他、監査品質のモニタリングを含めた品質管理体制の継続的な改善、アドバイザリー業務による経営高度化への貢献、さらに会計・監査知識に加え洞察力や対話力を有する人財の育成などの施策を引き続き進めていくことが重要となります。環境変化が厳しい今だからこそ、ステークホルダーが求める期待に応えるべくこれら価値創出に注力する所存です。」

「これまでトーマツでは、「Audit Innovation部」を2019年に編成し監査業務のデジタル化を推し進め、機械学習等の人工知能を用いながら大規模かつ広範なデータを活用するAudit Analytics®を全ての上場する当法人監査先に適用する等、監査業務の高度化・効率化を通じて付加価値のある洞察や知見を追求してきました。また、大手国内監査法人初のクラウドベースのリスク分析サービス(Risk Analytics on Cloud)や画像解析AIによる紙文書のデジタル化(Deep ICR®)等を提供し経営管理のイノベーションに貢献できるよう取り組んでいます。」

2.あずさ監査法人

理事長メッセージ(注:日付なし)

「コロナ禍という世界的なパンデミックの発生から早くも1年が経とうとしております。...弊法人においても、感染リスクを極力減殺することに努め国民としてパンデミックを阻止することに協力すること、そして同時に私どもの職員はもとよりクライアントの皆様の健康と安全を守ることが常に優先すると考えています。その上で私ども監査法人が社会から付託された「監査を通して健全な市場経済を守る」という責務を従前どおり確実に、かつ効果的に果たしていく所存です。」

「今年は監査上の主要な検討事項(KAM)を監査報告書に記載することが強制される初年度であります。同時に気候変動や格差・分断問題の深刻化を契機にESGの重要性が高まり、非財務情報の重要性が一挙に高まっております。さらにコロナ禍が進めたテレワークの常態化が、価値観を変化させ新しい働き方に大きな変革をもたらしていますが、同時に企業経営においては海外子会社のガバナンス方法に時として困難を生じさせ、実は私どもの監査においてもフィジカルな監査証拠の入手が困難という新たな問題を提起してきています。このような具体的で早急に対応していく必要のあることに対して、タイムリーで適切な情報発信に努めるとともに、必要なガバナンス構築への助言、そして新しい監査手法の追求を通して、皆様の期待に応えていく所存です。」

「...以下の3つについて重点的に取り組んでまいります。

1つ目は、環境の変化に伴い、日本企業が直面するリスクへの想定力を高め、そのリスクへのプロアクティブな対応ができる体制の構築です。...

2つ目は、テクノロジーの進化への不断の対応です。...特に、監査のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するため、新しい監査プラットフォームである「KPMG Clara」を活用し、リモート環境下においても社会・企業に対して新たなInsights(付加価値のある洞察や知見)を提供してまいります。

3つ目は、当法人の特徴であるグローバル対応力のさらなる強化です。...」

「昨年、弊法人の一部パートナーおよび職員が、法人内のeラーニングにおいて、不適切な受講を行った結果必要な単位数を満たしていないという事実が判明いたしました。職業的専門家として保持すべき倫理観の欠如、さらに社内での管理体制が十分に機能していなかったことによるものと厳粛に受け止め、コンプライアンス教育を徹底するとともに社内管理体制を強化し、再発防止に向けて真摯に取り組んでまいります。」

あらた監査法人は、昨年7月のものが最新なので省略します。新日本監査法人も、日付がなく、内容も昨年のもののようなので、省略します。

Accountant's magazine vol.60(新日本理事長への長めのインタビューが掲載されています。)

パラダイムシフトを迎えた日本社会と、加速するイノベーション(新日本監査法人)

新日本の情報誌の最新号に、同法人理事長と同法人監査クライアントの経営者の対談記事が掲載されています。法令違反ではなさそうですが、独立性の観点からは好ましくないでしょう。監査法人トップと監査クライアントのトップがお互いによいしょし合うのを読んで、監査の利用者はどのように感じるか...。また、監査チームも、会社に厳しい指摘がやりづらくなるのでは。

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