会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

レセプト債4社が破綻、227億円償還不能か(読売より)

レセプト債4社が破綻、227億円償還不能か

レセプト債という債券を発行しているファンド3社と運用会社1社が破綻したという記事。

「3社の発行債券の残高は約227億円に上るが、数千人の顧客が償還を受けられない可能性がある。ファンドの決算内容に不審な点があることから、証券取引等監視委員会が調査を始めた。」

「関係者によると、メディカル社などは、病院や薬局が健康保険組合側に請求できる診療報酬の権利を買い取り、元利金の支払いに充てる債券を発行。年利は3%で、国内の七つの中小証券会社が延べ数千人の投資家に販売していたという。」

診療報酬請求権を基にした金融商品ということでは、MRI事件を思い出します。MRIの場合は、ポンジスキームだといわれていますが、今回の破たんはどうなのでしょうか。

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診療報酬の流動化サービスなど
株式会社オプティファクターなど2社
自己破産を申請
負債105億7900万円
(帝国データバンク)

「(株)オプティファクターは、2000年(平成12年)9月に設立され、医療機関向けに診療報酬債権の流動化サービス(資金調達支援)や資産運用に関するコンサルティングなどを展開して事業を拡大。しかし、2013年に創業者が死去したのち、決算書に実態が不明又は実在性の確認できない債権や売り上げが多額に計上されていること、関係会社の3ファンド(メディカル・リレーションズ・リミテッド、メディカル・トレンド・リミテッド、オプティ・メディックス・リミテッド)が有するべき現預金や医療報酬債権等のうち、実在性のあることが確認できた資産の合計額が明らかに僅少であることが判明。現代表は、ファンドの財務状態を改善するため、診療報酬債権等の取得に向けた積極的な営業、社債の利率や手数料の減額等による経費圧縮等、財務状態の健全化に努めたものの、負債の規模が過大であったため(2015年10月現在の3ファンドの発行済債権残高は約227億円)、財務状態を大幅に改善することができない状況が続いていた。 」

粉飾がわかったあとも「積極的営業」をするのはいくらなんでもまずいでしょう。

「そうしたなか、10月29日に証券取引等監視委員会の調査を受ける事態となり、これ以上社債の新規発行を行うことは困難と判断。起債を行わなければ、その後に償還期限を迎える社債の償還・利払いを継続的に行うことが困難であること、また、3ファンドの譲受債権の対象医療機関に対する安定的な資金供給ができなくなる状況となり、グループの事業継続を断念した。 」

監視委の調査開始がすごく遅いような気がしますが...。

レセプト債発行4社が破綻 227億円償還不能の恐れ(朝日)

「同社とファンド3社の創業者である前代表取締役が亡くなった2013年3月以降、財務状況を調べたところ、決算書に実態が確認できない資産や売り上げが多額に計上されており、確認できた資産の合計額は債券発行残高に比べてわずかだったという。」
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