会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

ビッグ3、米議会に340億ドルの支援要請

asahi.com(朝日新聞社):ビッグ3、米議会に340億ドルの支援要請 - 国際

米自動車大手3社「ビッグ3」が、経営再建計画を米議会に提出したという記事。最大で計340億ドル(約3兆2千億円)の資金支援を要請しています。

「資金支援の要請額は、ゼネラル・モーターズ(GM)が最大180億ドル(約1兆6700億円)。運転資金に使うつなぎ融資として最大120億ドルに加え、販売不振が長引くのに備えた融資枠60億ドルの設定も求めた。支援が得られれば、今月中に40億ドルを引き出す方針も明らかにし、資金繰りが厳しくなっていることを示唆した。」

「GMは、12年までに最大3万1千人を削減する方針を表明。工場労働者の労務費削減を労組と協議し、12年までにトヨタ自動車と競争できる水準まで引き下げるとした。傘下の「サーブ」や「サターン」など3ブランドの売却などの検討も示唆。取引金融機関や社債保有者らと交渉し、債務を大幅に減らす方針も打ち出した。」

最近、わが国では、継続企業の前提の扱いで意見不表明になるケースが出てきていますが、経営危機に陥っている米自動車会社(代表例としてGM)の決算を見ると、2007年12月期ですでに370億ドルもの債務超過となっています。これに対し監査報告書(監査人はデロイト)をみると意見不表明どころかゴーイングコンサーンについて全くふれていない模様です。

負債の中には繰延税金負債のように課税所得が生じなければキャッシュの流出がないものや、年金やその他退職後給付の債務のように超長期の債務も多額に含まれているので、債務超過だからといって、すぐに破綻するわけではありませんが、やや意外でした。

しかし、2008年の決算ではそうもいかないでしょう。政府や債権者による支援策が決まらなければ、監査報告書にゴーイングコンサーンの記載がなされることでしょう。(監査報告書が出るまで会社がもつかどうかわかりませんが・・・。)

ちなみに、米国では四半期レビューの報告書は開示されておらず、四半期における継続企業の前提に関する扱いは不明です。

GMのサイトのSEC提出書類のページ

【ビッグ3】破綻すれば日本メーカーも大打撃
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「企業会計」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事