会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

まだある危ない銀行…豊和銀に金融庁が重大関心

ZAKZAK

公的資金の注入を受けて経営再建中の第2地銀「豊和銀行」(大分市)を取り上げた記事。

現時点では数年前のような大手銀行が関わる金融危機の可能性は低いといえますが、地銀クラスは一部でまだまだ大変な状態が続いているようです。

弊行の企業価値最大化に向けた抜本的な不良債権処理の実施並びに業績予想及び配当予想の修正について(PDFファイル)

この銀行は決算に関してまだ一昔前の感覚をもっているようです。

「今回の業績下方修正は、昨年10 月に公表した「経営強化計画」に織り込んだ向こう3 年間の大口問題先の処理を一気に前倒しするものであり、経営強化計画(21 年3 月期における数値目標の達成)は確実に履行いたします。」

貸倒引当金は、期末日現在の債権の回収可能性に応じて計上するものです。問題先の処理を「一気に前倒しする」とはどういう意味なのでしょうか。引当金は経営者の判断で勝手に前倒しや先送りできるものだと考えているのでしょうか。おそらく、「「経営強化計画」に織り込んだ向こう3 年間の大口問題先の処理」というのも何らかの利益操作を予定していたのでしょう。

公的資金投入に関する金融庁のプレスリリース
株式会社豊和銀行に対する資本参加の決定について(2006年10月20日)

長崎の九州親和HDも、2007年3月期決算が過去最大の赤字に陥る見通しになり、ふくおかFGに統合されるようです。
九州親和HD、ふくおかFGに経営統合を申し入れ

ちなみに、地方銀行の監査人の監査報酬は、銀行間で談合が行われ、横浜銀行の40百万円(2006年3月期、有報より)を上限として、銀行のランクに応じた横並びの極めて低い金額に抑えられていることは、関係者の間ではよく知られている事実のようです。
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