会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

「不都合な幽霊」認めたアジア・アライアンス(FACTAより)

「不都合な幽霊」認めたアジア・アライアンス

東証2部上場のアジア・アライアンス(この記事によれば「ハコ企業」)(もともとは倉庫会社)を取り上げた記事。

新株予約権譲渡に関する虚偽開示疑惑、監査人交代後の決算訂正など、いろいろあるようです。

「FACTA8月号では、新株予約権を譲渡したことになっている海外ファンドが実は1年前に解散していたことを指摘したが、同社は8月1日付のニュースリリースで渋々これを認めたうえで、「現在、本件譲渡を遡って有効とするために必要な措置が進められておりますので、当該措置の結果が判明し次第、その結果をお知らせいたします。また、当社としては、現時点では本新株予約権が行使される見込みはないと認識しております」という摩訶不思議なコメントを載せている。存在しないファンドの名を使っても、 リリースの虚偽記載はなかった、とでも言いたいのだろうか。」

会社のプレスリリース
平成26年4月30日付新株予約権の譲渡に関する経過について(アジア・アライアンス)(PDFファイル)

新株予約権の取得・消却の中止および新株予約権の譲渡に関するお知らせ(同上)(PDFファイル)

行使されれば約12億円の資金が得られるはずの新株予約権について、その保有者が宙に浮いているということのようです。

「これに先立って8月14日には、これとは別に2010年3月期以降の決算をすべて訂正した。これまでの会計監査人だったX監査法人がいい加減な監査(金融庁から行政処分を受けた)を行ってきた分、これを引き継いだY監査法人がドブさらいをやらされているようなものだが、「とにかくやたらと厳しい監査」(AAH関係者)だそうだ。過去の監査の不適切さをこれだけビシビシ指摘されては、X監査法人もいいツラの皮だろう。

訂正内容は為替換算調整勘定の修正などで大したものではないが、Y監査法人はAAHの投資先である中国の病院持ち株会社、Z医療産業集団有限公司など、これまで問題視されていなかった案件にまで口ばしを突っ込んできたというから、まだ何か隠れているのだろうか。」

監査人の実名については
公認会計士等の異動に関するお知らせ(同上)(PDFファイル)

訂正内容については
(訂正)有価証券報告書等の提出および過年度決算短信等の訂正に関するお知らせ(同上)(PDFファイル)

「為替換算調整勘定の修正」についてはたしかに大したものではありません。特別な意図がなければ、単純な連結仕訳ミス(もれ?)のようです。

「平成21 年3 月期第2 四半期において、在外子会社であるJ SINGAPORE INVESTMENT PTE., LTD.(現社名Prominence Investments Pte. Ltd.)が保有していた株式を売却したことに伴い、売却損が発生いたしました。

当社は、同第3 四半期において、上記売却損に関して為替変動により発生する変動額を為替差損益として計上することは、売却損がさらに増減するとの誤解を与えると考え、当該変動額を、『連結損益計算書』の「為替差益」ではなく、『連結貸借対照表』純資産の部の「為替換算調整勘定」として計上しました。

しかしながら、この度、すでに終了した取引に関する為替換算調整勘定が依然として連結貸借対照表上に計上されているのは不適切であると判断し、訂正に至ったものです。」(プレスリリースより)

売却した年度は訂正対象ではなく、訂正年度においては、資本(純資産)で、利益剰余金と為替換算調整勘定が入り繰りになっていただけです。
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