会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

秘密保護に過敏過ぎる企業は、やがて停滞する(ダイヤモンドオンラインより)

秘密保護に過敏過ぎる企業は、やがて停滞する

アメリカで高まっている、雇用主が元従業員を秘密厳守の規制でがんじがらめにする動きのデメリットを論じた記事。

「法律によって、雇用主は従業員の持つ知識への規制力を強めており、企業はそれをますます行使するようになっている。しかし経済学者らは、公共政策の面でも企業戦略の面でもこうした改正は近視眼的であることを確証している。企業にも社会にもよい影響を及ぼしてこなかったことが、経験的証拠によって示されているのだ。企業は秘密を保護すること、そして従業員に新たなスキルと知識の習得を促すことを、うまく両立させる必要がある。習得する知識を将来のキャリアで生かせなければ、従業員の学習意欲は低下する英語論文)。知識習得への投資は減り、スキルも創造性も鈍化してしまう。

研究によれば、規制を強化すると従業員の学習意欲は下がり、優秀な人材が失われ、長期的には企業のイノベーション能力は低下することが示されている。企業による競業避止契約の厳格化は賃金の抑制につながり(英語論文)、企業秘密保護法の厳格化は人材流動の抑制につながる(英語論文)。一見するとこれは雇用者にとって有益かもしれないが、両刃の剣でもある。職場での従業員の学習意欲は削がれ、有能な人材の雇用が困難になるおそれがあるからだ。実際に各州の状況を調査した研究者によると、競業避止契約を厳しく規定している州ほど頭脳流出が起きているという(英語報告書)。発明家は規制の緩やかな州に移住する傾向があり、とりわけ生産性の高い(特許数の多い)発明家はその傾向が顕著だった。当然ながら規制が厳しくなれば、資本投資やR&D投資も減少する。」

この記事の結論とは逆に、日本でも、米国同様、従業員を締め付ける方向で進んでいるようです。

「企業秘密は国富」 官民会議、保護求める(日経)

「通常国会には、政府が不正競争防止法の改正案を出す。刑事罰を引き上げ、民事訴訟では被害者が証拠を集めやすくなるよう制度を改める。ただ、政府の動きだけでは重要な技術の流出を防ぎきれない。今後は実務者レベルの官民会議を年に1~2回開いて企業との情報交換を続ける。

これまで製造方法を盗まれても表沙汰にしないケースが多かったが、今回の宣言では「恥じる必要はない」と指摘した。「漏洩者に対して民事および刑事上の措置を辞さない厳正な態度で臨む」と企業に対応を促した。」
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