前代表による善管注意義務違反の疑いに関する調査・検討開始のお知らせ（PDFファイル）
ジーネクストのプレスリリース（2024年8月16日）。
同社は、株主総会や第三者割当増資をめぐって、前社長と現経営陣が対立していますが（→当サイトの関連記事、その２）、会社は、前社長在任中の行動の適切性について、調査するそうです。
「当社は、2024 年８月８日付「株主による新株式及び新株予約権の発行の差止め仮処分の申立ての却下決定に関するお知らせ」にて東京地方裁判所において申立てを却下する決定がなされた旨を開示いたしましたが、裁判所の仮処分決定書にて、当社前代表取締役であり当社株主である横治祐介氏（以下「横治氏」といいます。）の在任中の行動を問題視する指摘がされており、本日開催の取締役会において、横治氏による一連の行動の適切性を事後的に調査・検証する方法の検討をすることを決議いたしましたので、下記のとおり、お知らせいたします。」
具体的には、2つの行動を指摘しています。
「当社は、2024 年８月８日付「株主による新株式及び新株予約権の発行の差止め仮処分の申立ての却下決定に関するお知らせ」にてお知らせいたしましたとおり、東京地方裁判所において横治氏の申立を却下する決定がなされましたが、裁判所の仮処分決定書において、「債権者（※横治氏のこと）が代表取締役を解職されたのは、債権者（※横治氏のこと）が、自らも構成員として入った取締役会において繰り返し資金調達等に関して検討してきた経緯から外れて、令和６年５月９日の取締役会の数日前に突如として、自己の保有株式の大半（公開買付規制にかからない発行済株式の約３３％）を市場価格の１．５倍で（コントロールプレミアムを他の株主と分かち合うことなく）同取締役会の６日後に譲渡すると言い出し、同取締役会においてその譲渡先等について十分な説明をしなかったことを主な原因とするものであり、債権者（※横治氏のこと）が、代表取締役として株主共同の利益を追求する責任を果たすことよりも、持分の大半を高値で売却することを優先したからである」と明確に指摘され、横治氏の善管注意義務違反・忠実義務違反の疑いが強まりました。この点は、当社取締役会においても同様の問題意識を持っていた点になります。
さらに、2024 年７月 22 日付「通知書」において、横治氏から提出された臨時株主総会招集の請求および株主提案に関連した質問状のやり取りの過程で、横治氏が、当社に秘密裡に、当社と競業する可能性がありうる事業（ビジネスアポイントのプラットフォームの開発等）を営んでいる株式会社 BigSmall（本店所在地：東京都港区赤坂二丁目１７番１号、代表取締役中内奈々氏）の取締役CIO（Chief Information Officer）、すなわち情報やシステムの最高責任者に、同社設立時の令和 3年５月 22 日から就任していることが発覚しました。なお、横治氏は、当社からの 2024 年 7 月 22日付「通知書」による質問に対して、「同社の役員に就任している事実はありません」という回答をされていましたが、当社が、同社の同年７月 25 日時点での商業登記簿の記載を確認したところ、上記のとおり、横治氏が同社の取締役として就任している旨の記載が確認されました。（なお、本日現在、BigSmall 社の HP からは横治氏の表記のみ削除されております。）」
関連するプレスリリース。現在、株主総会が、株主開催のものと、会社開催のものの２つが予定されているようです。
当社株主開催による臨時株主総会に係る株主提案に対する当社取締役会の反対意見に関するお知らせ（2024年8月16日）（PDFファイル）
「当社は、本日開催の取締役会において、株主開催による本臨時株主総会にて横治氏からの提案である付議議案（以下、「本件株主提案」といいます。）の全てに対して反対することを決議いたしましたので、下記のとおり反対理由と併せてお知らせいたします。」
「以下のとおり、横治氏は、当社在任期間中に、当社の代表取締役として株主共同の利益を追求する責任を果たすことよりも、自らの利益の確保を優先する等の善管注意義務・忠実義務違反の疑いがあり、株主共同の利益の確保、コーポレート・ガバナンス、コンプライアンスがより重視される上場会社の取締役として不適任であると考えます。また、かかる取締役として不適任である横治氏により推薦された各取締役候補及び各監査役候補者についても不適任であると考えます。」
横治氏を代表取締役から解任した理由も、より具体的に述べています。
第1四半期の決算発表が8月14日に行われています。57百万円の債務超過です。
2025年３月期 第１四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)（PDFファイル）
