会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

ソフトバンク携帯、苦情再び 分割払いで「¥0」広告

asahi.com:ソフトバンク携帯、苦情再び 分割払いで「¥0」広告 - ビジネス


携帯電話端末を分割払いで買うと通話料に割引が適用されるというソフトバンクモバイルの料金サービスを取り上げた記事。

顧客からの苦情が多いという点はさておき、前にも書きましたが、会計処理がどうなっているのかが少し気になります。(以下、会社の会計方針がどうなっているのか未確認の段階で書いていますのでご注意下さい。)

「販売店では、例えば月の分割費が2500円で割引額が2000円の機種の場合、「実質負担 月々500円×24回」などと表示。分割払い分と割引額の差額がなくなる機種も多く、頭金払いもないため、「全機種¥0」などの広告も大々的に張り出された。同社もHPでは、端末分割費が割引対象のように図示するなどしていた。 」

将来の通話料を割り引くことを条件に端末を販売しているということですから、通話料割引のコストを端末の売上時に負担する(例えば引当金を計上するなど)必要はないのかという点です。(いいかえると、2000円の値引きは通話料の割引なのか、広告で宣伝しているように実質的には端末代金の値引きなのかという問題)

分割払いという法形式にとらわれず端末の値引きとして扱う、あるいは、通話料値引きのコストを(算定は難しいが)引き当てるという考え方もあるでしょう。他方、値引き後の通話料でもコスト割れにならずに十分利益が上がるのであれば、そういう面倒な処理までする必要はない(法形式どおりでよい)という考え方もあるかもしれません。

そもそも、他の携帯電話会社のように、端末の販売で大きな赤字を出すというのは、契約獲得のためのコストなのですから、赤字部分を一挙に計上するのではなく、予想契約継続期間で償却していくという方法も考えられます(あまり健全な方法ではありませんが)。そのような会計処理であれば、結果として、分割払いで通話料値引きというのと同じような数字になってきます。
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