kageの機材庫

Nikon F・F2・F3・F4・F5。Nikon S2。Aisニッコール。Sマウントニッコールetc。一部フジフィルム

不遇の背番号4

2012-10-02 00:00:00 | ニコン

Nikon F4s (1988-1996)


とあるリサイクルショップ。

ジャンクコーナーに放り込まれていたF4sを拾い上げる。

「500円」

「え?」(・o・;)

外観は綺麗だし、製造番号も所謂250万番台以降。
F4が嫌われる最大の要因のボディのテカリも無く、フィルム室も、ミラーも、ファインダーも、モルトも綺麗。

店員にジャンク理由を訊くと「モーターが動かないんです。」との返答。
バッテリーグリップとカメラ本体との接点不良か、内部で通電していないとかだろうか。



Fシリーズは既にF・F2・F3・F5と所有していたのですが、F4のプラ外装はやはり好きになれず買う事は無いだろうと思っていました。

でも500円なら話は別で、動かなくても飾り物にはなるので迷う事無く買い、(逃げるように)足早に店を後にしました。
だって、フォーカシングスクリーンだけでも1,500円する訳ですし、頭(ファインダー)だけでも数千円はするだろうに・・。


早速、エネループを入れ動作チェックを。
買う時にチェックし忘れていたのですが、電池室も液漏れ跡などなく綺麗。

グリップカバーを外し、単三を3本。
さらにバッテリー下部に3本必要らしい。
合計6本。

バッテリー室に電源切り替えスイッチがある。エネループの場合はNi-MHに合わせておけば良いのだろう。
これで装填完了。

シャッターを切ってみる。

「ドキュ。」(←シャッター音)

「へ? 動く・・?」


シャッター幕も動いているし、シャッター速度も順次変化している。

「う~ん・・」

ファインダーを覗くと「×」と表示されているが、何がペケなのかよく分からない(笑)
とりあえず帰って、レンズを付けてからまた色々試してみる事に。

このF4はニッコールレンズの対応が非常に幅広い事で知られています。

Dタイプレンズ時代のボディですが勿論Aiレンズも使えます。
マウントのピンを倒せば、非Aiのオートニッコールも付く。

現行のGタイプレンズもVRは機能しないものの使えます。これが一番驚きました。
(F4はボディ側で絞りを調整する事が出来ないので、プログラム撮影・シャッター優先撮影に制限されますが)

AFも、露出計も動いているし、ファインダー内液晶もちゃんと表示されている。

翌日、ネガ一本試し撮りしてみましたが露出も大体あっているし、フィルムに傷や光線漏れなどが入ったりもしない。

「なぜこのF4がジャンクに?」

手に入れた喜びよりもそちらの方が気になって仕方が有りません(笑)

前の所有者がショップに持ち込んだのならば「動きませんね。ジャンクですね。」で納得する訳ないですし・・



(推測)
このF4sは故人の遺品で、親族がショップに持ち込んだ。
ショップの店員がこのカメラに詳しくなく電池の入れ方が分からず、ジャンクと判断した。(確かにバッテリー下部に3本入れる所が分かり辛い)
カメラに詳しくないであろう親族も、「そうですか・・でも持って帰っても仕方ないので引き取って下さい。」

となったのだろうか-



Fシリーズの中で唯一外装がエンジニアプラスチックな為、一番不人気とは言えニコンフィルム一眼レフのフラッグシップ。
恐ろしい話である。

今度ニコンに行く用事があれば点検に出してみます。
多少不具合が無いとおかしい・・・ちゃんと動くF4が500円なんてそんなウマい話がある訳ない。


よくこのF4はAFが遅い、と言われますが普段使っているAF-S 24-70mmや70-200mm、マイクロ60mmなどで
使ってみる限り十分なスピード。(動体相手には使い物になりませんが)

操作もF3より使いやすく露出の±もF3より分かりやすい。

ただ、ISO感度設定ダイヤルや給送モードダイヤルにロックがあるのはいいとして、
露出補正ダイヤルにもロックボタンがあるのは正直煩わしい。

F3の時もそうでしたが、このロックに再び忌々しさを覚えます。
せっかくF3の時より露出補正ダイヤルが大きく、指が届きやすい位置になったのに、何故わざわざ使いにくくするのか。


外装がプラな点と、この操作性(と言ってもF3よりは使いやすい)を除けば、必要十分な機能です。
何と言ってもシャッター速度も1/8000秒まであるので日中、単焦点での開放撮影もこなせます。

本来AFカメラなので中央の測距ポイント[ ]表示がMF時に
煩わしく感じますが、ファインダーは確かに明るくAFカメラにしてはMFもしやすい。

とは言え、ピントの山の掴みやすさはやはり、MF機であるF2やF3の方が分があると個人的に思いました。




外装がプラな為、不遇な扱いを受けているこのF4。
例に漏れず、僕もスタイリングだけで見れば正直、好きなカメラではありません。
プラカメラに愛着が持てないといいますか・・・(;^_^A

プラ外装故に、曲面を多く取り入れる事が出来たデザイン。デザイナーはF3から引き続きジウジアーロが担当。
ただそのテカリと相まって、良く言えばグラマラスでマッチョなデザイン。悪く言えば太っちょ。

FからF5まで並べてみると明らかに異端児のように目に映ります。

僕にとってのF4の立場は・・・
F4を散歩カメラに使うには重すぎます。
MFで散歩するならF2かF3を連れ出すでしょうし、AFでお散歩ならF100を連れ出すと思います。

また、風景などの撮影ならF5を連れ出し、フィルム2台体制で撮るならF100をサブに持って行くでしょう。

F4の出番はやはり無さそうです。

でもこのプラ外装を剥がせば中身は骨太のアルミダイキャスト。
いつも通りフラッグシップならではのボディ。

実力も十分で頼もしい1台なんですよ(^_^)

何はともあれ、これでF・F2・F3・F4・F5と揃いました。あとはF6・・・。

(2012.10.29追記)
ニコンSCでこの500円ジャンクF4sを点検してもらいましたが、「特に問題ありません。」との事・・・(苦笑)
若干プレビュー鳴きの兆候があったので、オイルだけ差してもらいました。

まぁ、また再発するでしょうが・・・

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