kageの機材庫

Nikon F・F2・F3・F4・F5。Nikon S2。Aisニッコール。Sマウントニッコールetc。一部フジフィルム

おお、兄弟。

2012-10-20 00:00:00 | ニコン

Nikon F5 (1996-2006)、Nikon F100 (1998-2006)



「軽快・F5ジュニア」


このキャッチコピーを冠し、F5発売から2年後の1998年にF100は登場しました。

「F5は重すぎる。アマチュアにはハイスペックすぎる。」との声を受けて、要望に応えて
発売されたのがこのF100です。

ニコンが公的に「F5ジュニア」と謳っているだけあり、外観もF5からバッテリーグリップを
取り去ったスタイリングでこうして並べてみると本当に兄弟。

操作もF5とほぼ同様で、何の違和感も無く使えます。

いや、現在のニコン デジタル一眼の一桁機や三桁機の操作は基本的にF5の操作を
継承している為、普段デジタルをお使いの方もすんなり入れると思います。

個人的にはF5で見にくかったファインダー内のAFポイント表示が、F100では赤く点灯するようになり
暗い所でもどこにAFポイントを置いているか分かりやすくなったのが非常に有り難く感じました。

勿論、スペックもF5に引けを取りません。

AF機構はF5譲りで、AFスピード・モーターのパワーも十分。
手にしただけで「手抜きの無い」ボディだと言うのが伝わってきます。

シャッタースピードも最高1/8000秒と、最近発売されたD600のような「上位機種との差別化の
為のコストダウン」も無く、フラッグシップであるF5とほぼ同等の性能です。

電池をよく食うのもF5譲りです(笑)


F5と違う点で大まかな所を挙げれば、

・F5 (1005分割 3D-RGBマルチパターン測光搭載)、F100 (10分割 3D-マルチパターン測光搭載)
・F5 (連写スピード 秒8コマ)、F100 (連写スピード 秒4.5コマ、ボディ単体の場合)
・F5 (ファインダー視野率約100%)、F100 (ファインダー視野率約96%)
・F5 (シャッター耐久性15万回)、F100 (シャッター耐久性10万回)
・F5 (ファインダー交換可)、F100(ファインダー交換不可)
・F5 (ミラーアップ可)、F100(ミラーアップ不可)
・F5 (フィルム巻き戻しクランクあり)、F100 (フィルム巻き戻しクランクなし)
・F5 (発売時メーカー希望小売価格32,5000円)、F100 (発売時メーカー希望小売価格19,9500円)

位でしょうか。

あ。

使うに当たって一番違う点は、F5がボディ本体で約1.2kg。F100は785g。
F5を単三電池で使う場合8本必要なのに対して、F100は4本で済むので実際に持ってみるとこの重量差は大きいです。

F5と比べると本当に軽快で、近年で言うとD3とD700のような関係ですね。
まぁ、D700は軽いとは言い難いですが・・。

D800やD600が発売されましたが、いずれの機種も「D4ジュニア(D700後継機)」では無いので、こういう機種を待ち望んで
いる方は本当に多いと思います。

勿論僕もその一人です・・・(;^_^A


難点を挙げるとすればF100(と言うか、この時代の中級機全般に使われている)裏蓋のラバーが経年で加水分解を起こし
ベタベタして不快な点でしょうか。

無水アルコールで拭いても改善されないのでジャンクのF100を取り寄せ、裏蓋を交換しました。
今の所、ベタつきも無く気持ちよく使えています。








実際、(※趣味ではなく仕事としての撮影現場、ブライダルやスクール行事など大伸ばしが必要でないスナップの場合)
F5ではなくF100を使うカメラマンが多かったと聞きますし、デジタル時代の今もD3やD4では無く、D700を使うカメラマンが多いです。

仕事として撮る時、まして屋外ロケとなると「機動性」ほど有り難いものはありません。

そして「信頼性」ほど重要な事はありません。

「撮影中にカメラが壊れて撮影が出来なくなった」なんてあり得ません。
趣味とは違い、撮影をしてお金を頂くのですから。
(もっとも、万が一の為にカメラは最低2台持っておくものですが)

そういう面でF100も、D700も十分信頼出来るいい機種だったと思います。

どちらも兄貴譲りの性能を持ち、それでいて小回りが利く。

兄貴よりも万人に受けられやすい体格・性格でF100は人気を集めましたが2004年、カメラのデジタル化が加速するなか
生みの親ニコンから、


「まさかのF6登場」。


2年後の2006年、F5・F100は運命を共にし生産終了となりました。

F100を購入したのはフィルムAF機が二台必要な時があり、「F5のサブ」が欲しくなったからです。

早速、この冬の干潟撮影には兄弟揃って出動させてあげたいと思います。
「F5にAF-S 70-200mm f2.8G ED VR II」、「F100にAF-S 24-70mm f2.8G ED」。

散歩スナップなどでF100単体で連れ出す時は50mm 1.8Gか、写真のようにマイクロ60mm 2.8G。


F100を触っていると「こういうのを本当のサブって言うんだよなぁ。」と実感します。

最近のニコンは良くも悪くもマーケティングが巧みになったと思います。
D4とD800を全く異なるキャラクターに仕上げ、D600はこれまたどちらとも違うフルサイズ入門機に仕上げました。

F100にしろ、D700にしろ「フラッグシップとほぼ同等の性能」を持った機種はどうしても上位機種の販売に
影響を及ぼします。
ほぼ同等の性能で価格は1/3~2/3ですからねぇ。。

ビジネス戦略上仕方ないのかもしれませんが、今後「F5とF100」「D3とD700」みたいな兄弟ラインナップは構成されないのかもしれませんね(悲)


あぁ。すばらしき兄弟(^_^)

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