kageの機材庫

Nikon F・F2・F3・F4・F5。Nikon S2。Aisニッコール。Sマウントニッコールetc。一部フジフィルム

Ai-sレンズ編

2011-10-15 21:00:00 | ニコン
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元々デジタルカメラから入ったのですが、フィルムカメラの魅力に取り付かれ、Nikon F5、F3、Fと立て続けに揃えました。
それに伴い、ポツポツと単焦点レンズAi-sシリーズも揃えるようになり、24mm・35mm・50mm・85mm・105mm・80-200mmと、
ひとまずの焦点距離が集まりました。

AFが効かないような場面や、星や花火など、すんなり無限遠を出して撮りたい時、あらかじめ撮影距離を決めている場合などに出動させています。
また、何といってもコンパクトさが単焦点の魅力で気軽に撮影したい時に連れ出しています。







■Ai Nikkor 24mm f2.8s (1981-2011現在)
■レンズ構成9群9枚、最短撮影距離0.3m、275g

僕の使用用途では24mmもあれば十分ですのでこれが最大の広角レンズです。
建築物などは撮らないので湾曲面は特に気にしていませんが、建築物などを撮られる方は評価の高い
Ai Nikkor 28mm f2.8sの方が良いかもしれません。

描写については真面目なレンズです。普通に素直によく写りますので、クセ玉好きな方には向いていません。
開放では周辺減光がやや出ますが、一段も絞れば改善されます。
逆光には強くも無く弱くもなくと言ったところです。

APS-Cで使うと36mmとなります。
個人的には35mmあたりの画角を使う事が多いのでDXフォーマットのD300でも使用しています。
デジタルとの相性も良好です。

グッと被写体に近付くと得られる暈けも自然な描写です。作例は絞りF4でソフトフィルター使用です。
霧の中での撮影なので若干コントラストが低下してますが、絞れば十分シャープです。作例はF8です。









■Ai Nikkor 35mm f2s (1981-2005?)
■レンズ構成6群8枚、最短撮影距離0.3m、280g

コンパクトで好きなレンズです。現在も生産されている1.4Sと迷ったのですが、コンパクトさを重視しました。
優等生レンズでよく写ります。
逆光にも割と強いのか、ハレ切りすればある程度防げます。
作例はF11。日の出の場面です。シャドウ部も黒つぶれせずに粘っていますが、右側に少しゴーストが出ています。

もっとも24-70mmナノクリレンズでもまともに太陽を入れるとゴーストは出ますので、それを踏まえると十分な逆光耐性です。
現行のAi-sレンズはコーティングも変わっているので性能も上がっていると思います。

名玉と呼ばれている1本で、特に撮りたいものが決まっていない時、MFレンズで一本だけ持っていくとしたらこれを選びます。









■Ai Nikkor 50mm f1.4s (1981-2011現在)
■レンズ構成6群7枚、最短撮影距離0.45m、250g

「標準レンズ」です。
開放1.4と暗い場所でも安心して使えますが、自分にとっての「標準レンズ」は35mmのようなので、案外出番の少ないレンズです。
50mmは個人的にはやや中望遠よりの感覚があって、それならばいっそのこと85mmにジャンプします。

APS-Cで使用すると75mm。ちょっと中途半端な焦点距離かもしれません。
開放付近でポートレートなどで一度使用してみたいのですが、モデル撮影といった類いに縁が無いので。。
作例は花火でF16。露光間フォーカスしていますが十分にシャープです。この時代のレンズには円形絞りがありませんので
点光源は多角ボケが出ています。





(2012年2月 追記)
以前からピントリングのトルクのムラ(ガタ)の兆候があったのですが、我慢できないレベルになったので
フォト工房キィートスさんでグリス交換してもらいました。

レンズ中玉が少し曇っていたらしく、清掃もしてもらいました。
この50mm f1.4sによくある兆候だそうです。

修理から帰ってきて、レンズ内もスカッとクリアに抜けています。
ピントリングの感触も適度にトルクがあって好感が持てます。
MFレンズで気持ちよく撮る上で重要な事ですね。











■Ai Nikkor 85mm f2s (1981-1999?)
■レンズ構成5群5枚、最短撮影距離0.85m、310g


いわゆる「ポートレートレンズ」です。
85mm f1.4sも選択肢にありましたが、価格の割にあまり高い評価を聞きません。使い手を選ぶレンズなのかもしれません。
それにf1.4ならMFでも操作しやすく名玉と名高いAF 85mm f1.4Dもあります。

しかし、どちらもコストと重量がかさむので、コンパクトさ重視でこちらのf2sにしました。

作例はf2です。開放からシャープですが、線の太いボケ方をしますので煩くなりがちです。
f2.8の作例です。シャープネスも1段上がっていますが線が太い多角ボケがちょっと煩わしく感じます。

ポートレートや花の撮影使用ならスッキリとした背景を選んだほうが良いと思います。
以前、AF 85mm f1.8Dを持っていて、点光源のボケが気に入らなくて手放しましたがそれを思い出します。

名玉と言われたりクセ玉と言われたり、評価の分かれる1本ですが何よりこの「85mmでフィルター径52mm」のコンパクトさが売りです。
Ai 35mm f2sと外観がそっくりですので、フードを付けていないとバッグから出す時、間違えます。(^▽^;)












■Ai Nikkor 105mm f2.5s (1981-2005?)
■レンズ構成4群5枚、最短撮影距離1m、435g

「Ai Nikkor 180mm f2.8s ED」と並んで、ニッコールMFレンズ群の中で名玉と呼ばれるレンズです。
描写が良く価格も手頃と、非常にコストパフォーマンスの高い1本です。

見た目はコンパクトですが、手に持つとズッシリ。ガラスが詰まっている感じがしますので
何となく、やる気が出てきます。

驚くべきは1971年(昭和46年)の「Nikkor Auto 105mm F2.5」から、この「Ai Nikkor 105mm f2.5s」まで30年以上に渡って
基本的な光学設計が変わっていなかった事です。
ニッコール千夜一夜物語~ベストセラー中望遠レンズ~第五夜
よほど完成された光学設計だったのでしょう。

デジタルとの相性も良好で開放からシャープ。上品な発色で、ボケ味もなめらかで美しいです。
F4も絞れば毛並みまで鮮明に写し撮ります。作例

個体差はあるかもしれませんが、ピントリングもトルクがあり、MFでじっくり合わせるには最高です。
絞りリングにF2.8の表示は無いのですが、「2.5」からほんの少し回したところに、ちゃんと「2.8」のクリック感があり、有り難いです。

「105mmでフィルター径52mm」のコンパクトさで、つい持ち出したくなる中望遠レンズです。
PLフィルター、トワイライトフィルター、ソフトフィルターなどよく使うフィルターは52mmで揃えているので
各種単焦点で使い回しが出来て便利ですし、コストがかかりません。


組み込み式のフードも気軽なお出かけには持ってこいです。


が、組み込み式のフードはちょっと短く頼りないので十分に遮光したい時は外付けのフードを使っています。


Ai Micro Nikkor 105mm f2.8s用のフード HS-14を装着。
組み込み式のフードは引き出した時にちょっと間抜けなのですが、これだとグッと格好よくなります。

上でAi Nikkor 85mm f2sを紹介しましたが、こちらの105mmの方をポートレートレンズとして使いたいと思います。
信頼のおける1本で、噂どおり名玉でした。

廃盤になったのが惜しまれるレンズです。


(2012年2月 追記)
グリスの劣化でピントリングが重かったのですが、我慢できないレベルになったので
フォト工房キィートスさんでグリス交換・清掃してもらいました。

同時に修理に出していた50mm f1.4sと比べるとピントリングのトルクがやや重めですが、それは
被写界深度の浅い、中望遠レンズなので微妙なピント合わせが出来るよう調整してあるのでしょう。

ひさびさに105mm f2.5sを使いました。

作例はF2.8です。
ピントの合ったところはシャープでいて、背景はまろやかにボケています。
被写体がスーッと浮かび上がってきます。


相変わらずポートレートに最高だと感じさせてくれるレンズです。
流石、MFニッコールの中でベスト5に入ってくる1本です。













■Ai Zoom Nikkor 80-200mm f4s (1981-1997?)
■レンズ構成9群13枚、最短撮影距離1.2m、810g

単焦点レンズが24mm~105mmまで揃ったところで、望遠側がもう少し欲しくなりました。
調べているうちにこの1本が「安くてよく写る」と評判だったので騙されたと思って買ってみました。

「ヒゲ」とか「花火」と呼ばれる、被写界深度を示すカラフルな曲線が美しいレンズです。
スレンダーで、望遠ズームにしてはコンパクトな鏡筒ですが、持ってみると重量感があります。


デジタルで試してみたところ、開放からシャープで安心して使えます。発色も良いです。
が、ズームレンズですので、焦点距離が変わるたびに「レンズ情報手動設定」を変更しないといけないのが億劫です。

また、開放f4と暗いので、Nikon F~F3などで使う場合フォーカシングスクリーンをD型などにしないと、
スクリーンがザラツいてピント合わせがしづらいです。
(絞って撮る事が多いのでB型スクリーンで我慢していますが)

それでも「70(80)-200mmのf4通し」と言うのは有り難いです。
キャノンにあって、現在のニコンには無い人気のレンズです。(近い将来、リニューアルされて出るかとは思いますが)

ピントリングを兼用した直進式ズームは最初戸惑いましたが、慣れると回転式ズームより素早くズーミングでき、使いやすいです。
但し、このリングが緩んでいるものを買うとレンズを上に向けて長時間露光している時など、いつの間にかズリ落ちてきて焦点距離が変わってしまい
ピンぼけになってしまいます。

直進式ズーム全般に言える事ですが、光跡の撮影など、長時間露光する時はテープなどで固定しておいた方が良いと思います。

本当にコストパフォーマンスの高い1本で、安値で売られているのが可哀想です。

勿論中古になりますが、ヤフオクなどで6,000円位~お店でも12,000円くらいで手に入りますので、
程度の良さそうなものを見かけると意味も無く、もう一本買ってしまいそうになる時があります・・・(^▽^;)


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