路上で一万円札を拾ったので届け出た。書類に記述の必要があり、収得物と記述した。間違えを指摘され恥をかいた。拾得物が正しいようである。
しゅうとくの漢字を携帯電話に内蔵されているモバイル辞典の漢字辞書で調べてみた。収得・習得・拾得・修得と四つの漢字が画面に現れる。
収得 受け取って自分の所有物にすること
習得 学問・技術などを習って覚えこむこと
拾得 落とし物を拾うこと
修得 学問・技芸などを学んで身につけること
1万円札に署名が無いから誰の物か特定することは困難である。その1万円札で物を買ってしまったら、購入した物は拾得物でなくなる。そこには正規の商取引があり、現金は拾得物であるが、購入した物は収得物である。マネー・ロンダリングの成立である。
小説を創作すれば、一万円の拾得物で金地金を買った。2、3日して金を売却したら、高騰して直ぐに二万円を収得したので一万円を拾得物として警察に届けたとする。
「拾得してから7日以内に差し出さないと、報労金を受ける権利がない。更に、遺失者などが判明しなかった場合の拾得物の所有権もなくなる。遺失者などが判明しない場合は、3か月が経過すると、拾得者にその物件を受け取る権利が生じる。物件を受け取ることができる期間は、前記経過の日から2か月間である」
修得した知識で3ヵ月後に警察に出頭すると遺失者が名乗り出ないで、ようやく拾得物であった一万円が私の収得物に変わる。その1万円を慈善団体に寄付して大変に喜ばれる。
私は悪人なのだろうか、善人なのだろうか。悩ましい問題である。西洋では落とした人間が悪いとするが、日本は届けないことに罪悪感がある。狩猟民族の獲物は所有者が不明であるが、農耕民族の水田の稲の所有者は決まっている。
届出る勇気がなく、人様が誤って紛失した金品を拾得して収得したことを重大な犯罪と思い込み、良心の呵責に耐えられず、脅えて暮らし、発覚の恐怖に耐えられず、アルコール依存症に成る弱い人間もいるだろう。現代社会はこのようなささやかな問題で苦しみ悩む人々を、敗者、負け組みとして徹底的に排除する悪魔の心が勝ち組の論理として蔓延しているように感じる。人間の印刷した1万円札の紙幣は必要悪の麻薬のようである。人間にはもっと大切なものがある。
例えば天然自然の贈り物である、山の茸を修得して、田舎の古老に教えを乞い特に松茸の秘密の存在位置を習得して、赤松の落し物である松茸を拾得して収得して、培養法を習得して、書籍やメディアで修得し、新しい松茸の栽培法を開発した暁には億万長者になるだろう。その様な人々が、古き善き日本の成功者なのだと思うのである。
戦後の西洋の科学主義に洗脳された現代の成功者は拾得物を無断で収得して私腹を肥やす知識を学校で修得し、就職して習得した他人の喜怒哀楽を無視できることが成功者の条件である。他人の心情に配慮したら権力者にはなれない。
しゅうとくの漢字の間違えを指摘してくれた未成年の若い巡査は私の先生で、未来に本人の努力しだいで、警察署長の地位が約束されるなら、日本は素晴らしい国になるだろう。
しゅうとくの漢字を携帯電話に内蔵されているモバイル辞典の漢字辞書で調べてみた。収得・習得・拾得・修得と四つの漢字が画面に現れる。
収得 受け取って自分の所有物にすること
習得 学問・技術などを習って覚えこむこと
拾得 落とし物を拾うこと
修得 学問・技芸などを学んで身につけること
1万円札に署名が無いから誰の物か特定することは困難である。その1万円札で物を買ってしまったら、購入した物は拾得物でなくなる。そこには正規の商取引があり、現金は拾得物であるが、購入した物は収得物である。マネー・ロンダリングの成立である。
小説を創作すれば、一万円の拾得物で金地金を買った。2、3日して金を売却したら、高騰して直ぐに二万円を収得したので一万円を拾得物として警察に届けたとする。
「拾得してから7日以内に差し出さないと、報労金を受ける権利がない。更に、遺失者などが判明しなかった場合の拾得物の所有権もなくなる。遺失者などが判明しない場合は、3か月が経過すると、拾得者にその物件を受け取る権利が生じる。物件を受け取ることができる期間は、前記経過の日から2か月間である」
修得した知識で3ヵ月後に警察に出頭すると遺失者が名乗り出ないで、ようやく拾得物であった一万円が私の収得物に変わる。その1万円を慈善団体に寄付して大変に喜ばれる。
私は悪人なのだろうか、善人なのだろうか。悩ましい問題である。西洋では落とした人間が悪いとするが、日本は届けないことに罪悪感がある。狩猟民族の獲物は所有者が不明であるが、農耕民族の水田の稲の所有者は決まっている。
届出る勇気がなく、人様が誤って紛失した金品を拾得して収得したことを重大な犯罪と思い込み、良心の呵責に耐えられず、脅えて暮らし、発覚の恐怖に耐えられず、アルコール依存症に成る弱い人間もいるだろう。現代社会はこのようなささやかな問題で苦しみ悩む人々を、敗者、負け組みとして徹底的に排除する悪魔の心が勝ち組の論理として蔓延しているように感じる。人間の印刷した1万円札の紙幣は必要悪の麻薬のようである。人間にはもっと大切なものがある。
例えば天然自然の贈り物である、山の茸を修得して、田舎の古老に教えを乞い特に松茸の秘密の存在位置を習得して、赤松の落し物である松茸を拾得して収得して、培養法を習得して、書籍やメディアで修得し、新しい松茸の栽培法を開発した暁には億万長者になるだろう。その様な人々が、古き善き日本の成功者なのだと思うのである。
戦後の西洋の科学主義に洗脳された現代の成功者は拾得物を無断で収得して私腹を肥やす知識を学校で修得し、就職して習得した他人の喜怒哀楽を無視できることが成功者の条件である。他人の心情に配慮したら権力者にはなれない。
しゅうとくの漢字の間違えを指摘してくれた未成年の若い巡査は私の先生で、未来に本人の努力しだいで、警察署長の地位が約束されるなら、日本は素晴らしい国になるだろう。