漆黒の北の漁場で徹夜で魚を取る。夜明け前に帰港する。灯台の明かりが出迎えてくれる。灯台守が護ってくれている事に感謝する漁師。
重油エンジンで発電し、明かりを煌煌と照らして取る秋刀魚漁の会社員。GPSと自動操縦で帰港する。灯台の明かりに見向きもしない。故に灯台守は消滅した。
喜びも悲しみも幾歳月、灯台守の過酷な人生に涙した青春時代、回顧して灯台の話を子供に話すと、東大に入り学歴があれば解雇されないと反論する。
体力の有る若い時の過酷な労働体験の蓄積が、遠くの老後を明るく照らすと思うが、灯台もと暗し、今が安易に流れる。
