九州鹿児島開聞岳の遥か沖の太平洋上に屋久島がある。
一月30日の内35日雨と譬えられる多雨が屋久杉の密林を形成する。
寿命の尽きた大木が倒れ、若木がその上に生育する倒木更新は屋久杉の墓場。
千年を超える生涯を終え、遺伝子を伝承して、安らかに眠る老木。太陽と大地と水のお陰で、ゆっくり成長する若木には夢と希望がある。
動物の死は日没の印象、植物の死には朝日が昇る。
朽木を磨き、流木を飾り、日々拝むオイラは植物を弔う坊主。
マックバーガーやKFCフライドチキン・吉野家の牛丼が人気の現代は日が落ちる国。米を食っていた聖徳太子の時代は日出ずる国だった。