「そら聞いたこたないけどなぁ…」
なにを?
「紳士協定っつーとナニ思い出す?」
しんしきょうてい?聞いたことはあるけど…なんかあったっけ?
「オレ、聞いたことあるのって1989年のイモラの再スタート時にプロストがセナを抜いたときの話を…」
…随分古い話だねぇ…そいえばあの時シンシキョウテイシンシキョウテイ言ってた記憶が…
「あの頃、マクラーレンの2台の早さが圧倒的で、普通に走りきればどっちかが優勝もう一人が2位、みたいな状況で…ただ、スタート直後のゴチャついたところでムリして競り合うと、後ろに抜かれたり、最悪同士討ちの可能性も高いから、先手取られても抜き返さない、みたいな約束があって」
そんなことだったんだ。それを、契約書かなんかに?
「いや、そこまでする必要もないだろう、とか、互いのこと信じてたから、とか、そんなのがあったんだと思うけど、ま、口約束、だな。破ったらどう、とかそーゆーもんでもなかったみたいだし」
あーそーなんだ…
「みてる側には実際にあったのかすらわからんのだが…ま、破ったらどう、がないとはいえ、信頼関係はなくなる、わな」
そ、だねぇ…あの年、イモラ以降、あの2人のギクシャクした関係が中心になっちゃったもんねぇ…
「プロストがフェラーリに移籍する、って言ったり、マクラーレンがもらうはずの優勝カップ、イタリアのファンにあげちゃったり、はては、翌年チームメイトになる万セルが援護射撃でセナに追突したり…」
なんつーか、グダグダすぎて、かえっておもしろい年ではあった、よねぇ…つか、お前、セナ嫌いじゃなかったっけ?
「嫌いというより、興味なかった、というほうが…じみーにベネトンだのオニックスだの応援してたし…」
いまや名前が残ってないねぇ、両方とも…
「ま、辞書で紳士協定、を調べるとこーゆー感じ、らしいのだが…」
あー、当時のF1見てた人にとってはわかりやすい例だったんだなぁ、って気がするねぇ…
「で、久しぶりに紳士協定、という言葉を聞いたんだけど」
へぇ?どれ?
「これ」
ん?靖国、の?
「みたい」
紳士協定があるから、やるな!といってるの?
「そだな。約束は守れ!と」
…え、と…いっていい?
「どぞ」
いまごろ?
「と思う、よなぁ…小泉、3年前だっけ?から参拝してるけど…なんでそのときに言わないんだろ?」
つか…結ぶ意味がわかんない…
「記事の最後にある後藤田の言葉『戦争への反省と平和友好への決意に対する誤解と不信さえ生まれるおそれがある』ってこと、なのかなぁ?」
反省してると参拝しない、という意味がいまいちわかんないけど、ねぇ…
「で」
ん?
「小泉はこんなコト言ってるわけだが」
ないの?
「なかったかどうか、はわからんというのがホントのところ。申し送りがうまくいかなかった、なんて可能性とかはいくらでもあると思う」
ま、それはそうだけど…
「ただ、まぁ、あったかどうかより、さっきお前が言ったみたいに、何で今ごろ?っつー方が不思議、だよなぁ」
ホントにあったの?って、まず疑問に思っちゃう、よねぇ
「ま、こーゆー言い方、なんだけど…紳士協定なんて互いに信用してる同士が結ぶものであって…互いに信用してないような間柄で結ぶもんじゃない、よなぁ」
それはそう、だねぇ…セナプロなんかにしても、1988年なんかを見てると、互いに、少なくとも表面上はたたえあったりしてた、もんねぇ…
「いきなし、靖国参拝はいけない!なんて言いだしてきた相手に紳士協定結ぶと思えん、よなぁ…」
約束するにしても、キチンと文書だので残す、よねぇ…
「ま、ついでに言えば…紳士協定があったとして、それでも参拝した、っつーのが事実だったとして…約束破った日本はいけない!とかの理屈なのかも知れんけど…」
ま、口約束だろうと約束破るのは、ねぇ…
「さっきの後藤田の発言、誤解と不信さえ生まれるおそれ、って、現在どうよ?」
誤解かどうかはともかく、不信はすごいことになってる、よねぇ…あちらさんのデモとか見てると…
「そでなくても尖閣を自分のものにしようとしたり、領海に原子力潜水艦よこしたり…こっちは信用してないし、信用してない相手に信用されなくても全然構わん、と思うんだが」
ま、ねぇ…信用してもらって何のメリットあるの?って聞きたい感じ…
「ま、おもしろいから、小泉にはキチンと参拝して欲しいな」
おもしろさが理由なのかよ…