<訃報>アイ高野さん55歳=元ザ・カーナビーツのドラマー
1970年生まれのオレは、リアルタイムで経験しちゃいないのだが。代表作「好きさ好きさ好きさ」は好き。というより原曲であるTHE ZOMBIESの「I LOVE YOU」(どーでもいいけどひねりなさ過ぎる曲名…)がな。カーナビーツのバージョンはしらんでも、さらにカバーしたMi-Keのバージョンで聞いた人も多いとは思う。って、Mikeのカバーも1991年だから15年も前のことなんだなぁ
この曲を聴いたのは、確か土曜の深夜にやっていた番組「土曜深夜族」だった。後に大人気を博すイカすバンド天国の枠になる時間。三宅裕二がSETのメンバーを従えた、基本的には音楽を中心にしたバラエティ。その中で、GSや60年代ポップスを80年代のアレンジでアイドル予備軍(?)の女の子たちが歌うコーナーが
定番どおりビートルズからオールディーズにハマってみたはいいが、有名どころ(他にストーンズだのドアーズだのは聞いてた)以外の、主に一発家の曲なんか聞く機会もなく、オールディーズ熱が冷めかかった所でこの番組に出会っちゃったのは幸運だった、と思う
ちなみにこのコンセプトは、後にAngelsというアイドルユニットをつくり、惨敗する…好きだったんだけどなぁ、この路線
で。I LOVE YOU、そしてTIME OF THE SEASONの2曲が演奏された、元ネタのTHE ZOMBIES、えれぇひねくれてるけどなんかかなり好み…特にTIME OF THE SEASONの変なリズムと不安定なコーラスライン、脈絡なさげなハモンドオルガン(?)のソロ、なんだろなぁ、無理矢理サイケデリック風味な音にしてみました!なのが妙にオレの心をわしづかみ!
で。当時は洋モノのCDなんてのは現在進行で売れている、あるいは名盤中の名盤!的なもののみ(その数年後より、聞いといた方がいいよ、な旧譜が2000円程度で発売されるようになる)で、それ以外は輸入レコードを買うしか手段なし。もちろん売ってるという保障はなし。こう考えると今って恵まれてるなぁ…
当時、横浜そごうのCD売り場の横に、ひっそりと輸入レコードのコーナーあり。ダメもとで探してみる
Odessey and Oracle
なんかすんごいサイケなジャケットだけど、オレが買ったヤツ、このジャケットじゃないんだよなぁ。なんでだろう?
針を落とす。ん?なんだ?これ、すごいいいアルバムなんじゃないのか?
A-1. Care Of Cell 44
ハネたピアノともぐるようなベースライン、サビ前ではビーチボーイズを意識したようなハーモニーの後、なんか吹っ切れたように歌が飛んでいく。凝ってるなぁ…
A-2. A Rose For Emily
単純にピアノの弾き語りみたいなもん、なんだけど、サビではやはり凝ったコーラスワーク、きれい
A-3. Maybe After He's Gone
シンプルなアルペジオ(つか、このバンド、ギターの影薄い…)から導入し、重たいAメロ、サビではドラムも入ってきて案外シンプルなメロディ、がなぜか妙に心地よい
A-4. Beechwood Park
メロトロン(?)のフレーズと、ディレイをかけた(?)ギター、と言う、この時代としては凝った(でも目立たない)バックに載せて、やはり地味目なメロディ。サビの転調プラスオルガンの白玉が美しい
A-5. Brief Candles
A-2と似た、淡々としたピアノに乗せたメロディライン。ここではサビではドラムとオルガン?でダイナミズムを
A-6. Hung Up On Dream
ピアノとギターが(珍しく)絡む。メロディ自体は投げやりっぽい気もしないでもないけど、構成が丁寧なので全然気にならない
B-1. Changes
Tommorow Never Knowsをちと思い出すような、宗教チック?なコーラス。好きとか嫌いとかでなく、なんだこらー!を叫びたくなる
B-2. I Want Her She Wants Me
全然ホメ言葉にならんけど、すんごい普通のバンドサウンド。これはこれで好き
B-3. This Will Be Our Year
3連のリズムの中、ちと洒落たメロディ。こーゆーのもやるんだなぁ
B-4. Butcher's Tale
B-1にも通じる、大げさでたぶんなんかすごいんだろうなぁ、と言う可能性ばっかり脳内に広がる、不思議な曲
B-5. Friends Of Mine
割と普通の曲なんだけど、サビの後ろで全然関係ない(いかにもイギリス人の名前の)連呼が妙に楽しい
B-6. Time Of The Season
なにげにこのアルバムでは浮いてる気がしないでもないけど…妙なリズムとやる気あるんだかないんだかわからんカッティング、何声使ってるんだろう?というかどれが旋律なんだろう?なサビ、メロディより目立ってるんじゃ?というオルガンソロ、意図がわからんアレンジではあるけど、なぜか印象的
あまり評価は高くない、と聞く。Time Of The Seasonは大ヒットしたもののアルバム自体がバカ売れした、ということではない、らしい。なんで?このアルバム、なんかすごいと思うのだが
後に、ローリングストーン誌のアンケートとかを見ると、妙に評価が高い。売れはしなかったけど、このアルバムは聞いておけ!なアイテムになってるっぽい。ま、この手のアンケートってのは素直に信じるものではないが、それでも何か嬉しい。
で、じゃ、他の作品は?と探したりもするのだが、ない。輸入レコード屋まわったりもするのだが…
1、2年探したかなぁ?The Zombiesに限らんが、レコード屋によっては探す、んなことをしていたら
The Singles Collection: A's & B's, 1964-1969
これもジャケットが違うのだが…ついでに言うと曲順も微妙に違うのだが…タイトル見てわかるとおり、シングルのA面B面コレクション。つか、随分シングルいっぱい出してたのね…アルバムはあまり出してないのに。アルバムアーチストな気がするけどなぁ…
1. She's Not There
デビュー曲。妙なリズムに妙なコーラス、気合の入ったキーボードソロ、と言うあたりは、Time Of The Seasonに通じるところも。つか、デビュー曲でここまでひねくれててどうするんだよ…
2. You Make Me Feel Good
1.のB面。こっちは割と普通。といっても当時のギター中心のバンドサウンドとは全然違う、と思われてたんだろうなぁ…
3. Leave Me Be
うっわー、地味…といいつつ、サビでのキーボードの重ね方とか、えれーカッコいいのだが…いや、しかし、そら売れんよなぁ、これをシングルにしてるんじゃ(オレは大好きなんだが)
4. Woman
3.のB面、と言うか、こっちの方がよっぽどキャッチーなんじゃないか?
5. Tell Her No
随分素直な曲だな。ま、歌詞ではNoを連呼する、ムチャクチャネガティブなものになってるけど
6. What More Can I Do
なんか生き急いでるなぁ、とすら感じられるアレンジがえれぇカッコいい!曲があまりにも短いあたりも(3コーラスプラスキーボードソロ、ギターソロ込みで2分ない)
7. She's Coming Home
路線変えたなぁ、あんまり印象にない
8. I Must Move
これも。なんか悩んでるなのかなぁ
9. Whenever You're Ready
1.の路線へ。但しメロディはやや明るめ。そーゆー意味だとTHE ZOMBIESらしくない、という気もしないでもない
10. I Love You
上記「好きさ好きさ好きさ」の原曲。歌詞とか見ると割とポジティブな内容なのに、メロディが圧倒的に暗い
11. Is This The Dream
9.とかなり近い路線。この路線は案外ありなんじゃないかなぁ、とも思う。が、オレはあんまり興味がない…
12. Don't Go Away
なんか、地味…
13. Remember You
あっさりと路線変更。3連の3拍子、という非常にめんどくさいリズムで、実は明るいメロディ。ピアノソロも何が楽しげ。しかし…時代考えると、懲りすぎだろ…20年後にやったらかなり受けたかも知れんけど
14. Just Out Of Reach
珍しくボーカルにおんぶしてるなぁ、と言う曲。つか、ボーカルだけ聞いてもいいバンドなんだよなぁ、実は
15. Indication
13.とは路線が違うけど、これも懲りすぎ…というか、Oddessey & Oracleに入ってても違和感ないサウンドだよなぁ。このあたりでかなり完成しちゃったんだなぁ
16. How We Were Before
反対にアレンジの手を抜いた?と感じる曲。歌を聞かせるときには最低限のアレンジか最大限のアレンジ、どちらか、と極端な方向に…
17. Gotta Get A Hold Of Myself
なぜかカバーに…作曲者のせいで売れない、と言う判断でもされたんだろうか。といいつつ、曲もいいんだけどアレンジも、いかにもTHE ZOMBIESだなぁ、という感じで、にやりとさせられる
18. The Way I Feel Inside
とうとうほぼ独唱状態に…ほんとに極端なバンド…
19. Goin' Out Of My Head
もっかいカバー。ゴージャスなでき
20. She Does Everything For Me
珍しくギターを全面に。サビでメインボーカルとコーラスがまったく別のことをやるというのはこの頃からか
ま、ともかくマニアックすぎて、ついでに言うとメンバーの容姿やバンド名など、アイドルにもなれないわ、かといってワルぶることもできないわ…
ある意味、ニューウェイブのはしりなんだよなぁ。誰もやらないようなことを、何者かわからない人らがさらっとやる、という感じが
ほとんどアイ高野には触れてないエントリなのは謝る。ただ、THE ZOMBIESのこと書きたかっただけです