「首都直下地震時、博物館はどうなるのか 実験公開」
2021.12.18朝日新聞記事、および12.26朝日新聞Digital記事より。
世界最大規模の震動実験施設「Eディフェンス」(兵庫県三木市)を使って、博物館や美術館の地震被害を想定した初めての実験が報道陣に公開された。
Eディフェンスで耐震研究を進める防災科学技術研究所と、東京国立博物館や文化財防災センターが協力。
東京・上野の同館周辺を首都直下地震が襲ったという想定で、日本刀や仏像などの模造品約30点と、展示ケースや照明まで博物館を再現した建物を、震度6強の地震で揺らすことにした。
日本刀や仏像が展示台から転落する。
重さ10キロ以上の額縁が、ワイヤが切れてフロアに落ちる。
重さ250キロの展示ケースは、転倒はしなかったが、ガタガタずれ動く。
天井につるした照明やプロジェクターは、落下は免れたものの、支えが外れたりワイヤが切れたりしてグラグラ揺れている。
一方、茶わんは、転がり落ちそうだが、転がり落ちることなく、傷一つつかず無事。
秘密は、高価な展示品用に使われる「免震台」。激しく揺れながらも台で衝撃を吸収して茶わんを守る様子が映像に写っている。
2021.12.18朝日新聞記事
2021.12.26朝日新聞Digital記事
博物館・美術館での鑑賞時、緊急地震速報とともに激しい揺れ。
揺れる展示品、展示ケース、照明器具、天井、その他展示室設備。
これに多数の来館者が加わったとしたら。
建物は無事だとしても。
私はどのように行動できるだろうか。
本実験については、設定条件を含めた詳しい報告書がいずれ取りまとめられ、おそらく公表されるだろう。
次回東博に行った際には、地震対策の観点でも展示室を眺めてみよう。
また、博物館を出たあとの帰宅難民対策も想像しておこう。
観賞環境を劣化させないうまい維持管理法が必要。
コメントありがとうございます。
大地震による被害は、激しい揺れによる展示室内の展示品への被害だけではないですね。
今回の実験がどういう目的・前提・条件だったのか、いずれ確認できればと思っています。