東京でカラヴァッジョ 日記

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ムンクと出光美術館

2018年11月29日 | 西洋美術・各国美術
   1994年完成のムンク美術館の増築。
   2004年盗難、2006年発見、重大な損傷を負ったムンク美術館所蔵《叫び》の修復。
   2020年予定のムンク美術館の移転・新美術館の開館。
 
   この間、1991年より、出光は、ノルウェーの現地法人を通じ、ムンク美術館へのスポンサー活動を継続して行ってきたという。
 
   そのおかげで、1993年に東京と大阪の出光美術館にて、大規模なムンク展が開催されている。
 
 
ムンク展
ザ・フリーズ・オブ・ライフ―愛と死
1993年10月5日〜11月7日
出光美術館・東京
 
1993年11月15日〜12月12日
出光美術館・大阪(✳︎)
 
 
   ムンク100%、かつ、目玉作品は複数のバージョンがあるなかでもキング・オブ・《叫び》とされるオスロ国立美術館所蔵の1893年制作の《叫び》。にとどまらず、ノルウェーの画家ムンクを世界の巨匠ムンクとしている1890年代制作の油彩画の重要作が多数出品という、超弩級のムンク展。前年のロンドン・ナショナル・ギャラリーでのムンク展を一部再構成したもののようだ。
 
 
   例えば、以下のような作品が出品されている。
 
《月光》
1895年、オスロ国立美術館
 
《月光》
1893年、オスロ国立美術館
 
《声》
1893年、ボストン美術館
 
《声》
1893年、オスロ市立ムンク美術館
 
《マドンナ》
1893-4年、オスロ市立ムンク美術館
 
《カール・ヨハン通りの夕暮れ》
1892年、ラスムス・メイエル・コレクション(ベルゲン)
 
《思春期》
1893年、オスロ市立ムンク美術館
 
《死んだ母と子》
1897-9年、オスロ市立ムンク美術館
 
《病室での死》
1893年、オスロ市立ムンク美術館
 
《病める子》
1896年、イヨーテボリ美術館(スウェーデン)
 
 
 
   引き続き、1995年より、ムンク美術館から毎年3点のムンク油彩作品を借りて、東京の出光美術館に1年間(9月〜翌8月)常設展示するという企画がスタートする。
 
   私的には、たまに出光美術館に行くとムンク3点を確認するが、じっくりと見ることはあまりなかった。永遠に続くように錯覚していたが、20年間・延べ60点を展示したところで2015年10月をもって終了した。60点の半分も見ていない。
 
 
出光美術館のサイトより、20年間の展示作品。
 
2014-2015
《クラーゲルーの庭》1909年
《犬小屋にて》1913〜15年
《子供たちとアヒル》1906年
 
2013-2014
《カールヨハン通り》1889年
《リヴィエラにて》1892年
《夏の夕暮れの官能》1891年
 
2012-2013
《白いブラウスを着たインゲル》1891年
《ヴェランダにて》1892年
《秋》1897〜98年
 
2011-2012
《殺人》1906年
《オースゴールストランの赤い岩》1904年
《葬儀》1904年
 
2010-2011
《嫉妬》1933〜35年
《海辺の二人》1933〜35年
《浜辺の出会い》1933〜35年
 
2009-2010
《頬杖をついた自画像》1911年
《波》1916年
《大きな犬と小さな犬》1913年
 
2008-2009
《楡林の秋II》1920年
《庭のリンゴ樹》1932〜42年
《ケシの花と女》1918〜19年
 
2007-2008
《寄り添って》1905年
《ポケットに手を入れた自画像》1923年
《結婚式の席でII》1925年
 
2006-2007
《肘掛けイスの側の裸婦I》1919年
《ソファーに寄りかかる裸婦》1924年
《うずくまって横たわる裸婦》1917年
 
2005-2006
《ロルフ・ステネルセンの肖像》1925年あるいは1926年
《シャルロッテ・コルデーの肖像》1930年
《栗の木の下で》1937年
 
2004-2005
《屋外にて》1891年
《ニースの海岸で》1892年
《サン・クルーのセーヌ川のほとり》1890年
 
2003-2004
《最初の一杯》1906〜07年
《モデルのいる自画像-寄り添って》 1905年
《ドイツの風景-テューリンゲン地方のエルゲルスブルグ》1906年
 
2002-2003
《精神病院にて》1897〜99年
《遺伝I》1897〜99年
《ルーレット》1892年
 
2001-2002
《病める子》1922年
《波》1921年
《争い、あるいはファウストの分離》1932〜33年
 
2000-2001
《クラーゲルーの冬》1912年
《クラーゲルーの春》1911〜19年
《岩場の春支度》1910〜11年
 
1999-2000
《汽車の煙》1900年
《静けき雪》1900年
《オースゴールストランの4人の少女達》1903年
 
1998-1999 
《夏の公園(リンデ・フリーズ) 》1904年
《庭の少女たち(リンデ・フリーズ)》1904年 
《果物をつむ少女たち(リンデ・フリーズ)》1904年
 
1997-1998
《黄色い丸太》1911〜12年
《樵》1913年
《船の解体》1912年頃
 
1996-1997
《ヴァルネムンデの風景》1904年
《チューリンゲルワルドから》1905年
《雪解け、エルゲルスブルグ》1906年
 
1995-1996
《ヴェランダにてI》1922〜24年
《星月夜、エーケリー》1923〜24年
《冬の夜、エーケリー》1924〜26年
 
 
 
 
   さて、出光美術館、今後新たなムンクの企画を期待してもよいのだろうか。
 
 
✳︎当時はあった大阪の出光美術館は2003年に閉館。現在の出光美術館は東京と門司の2館となっている。
 
 


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