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東京でカラヴァッジョ 日記

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ボストン美術館浮世絵名品展 北斎(上野の森美術館)

2014年09月21日 | 展覧会(日本美術)

ボストン美術館浮世絵名品展 北斎
2014年9月13日~11月9日
上野の森美術館


 ボストン美術館所蔵の「いま摺りあがったかのような鮮やかな色彩を放つ」北斎作品が約140点。
 代表作は勿論、珍しい作品も楽しめる。


 ボストン美術館浮世絵名品展は3回シリーズで、本展が最終(第3回)とのこと。

第1回:2008年「色あざやかなり江戸の夢」
 版画122点、肉筆画5点、版本10点
 春信、歌麿、写楽、北斎、広重など、浮世絵初期から幕末まで
(名古屋、新潟、福岡、東京に巡回。東京会場は江戸東京博物館)

第2回:2010-11年「錦絵の黄金時代」
 清長、歌麿、写楽を中心に天明・寛政年間(1781-1801)の約140点
(神戸、名古屋、東京、千葉に巡回。東京会場は山種美術館。5番目に巡回予定の仙台は、震災の影響で中止)

第3回:2013-14年「北斎」
 北斎が約140点
(名古屋、神戸、北九州、東京に巡回)


 会期が始まったばかりで、既に会場は混雑。鑑賞する列が、完全に2列できている。
 目の前鑑賞ができる第1列につく。2列目も、進むスピードは、どうやら期待するほど早くない様子。
 1階の展示53点の観賞に約70分。
 2階はさすがに完全2列制までの状態ではない。
 第1章の残り58点と第2章の少しを見終えた時点で約50分を要する。閉館まであと30分。
  ここで列を離れ、いったん1階へ戻り、人が減った会場で気になる作品を再鑑賞してから、第2章の残りと第3章を見る。


第1章 稀品と優品でたどる浮世絵版画70年
1 春朗時代の小品(20代~35歳)
 6点
2 初期の浮世絵群
 西欧の透視遠近法を取り入れた浮世絵(浮絵)。
 8点+1組(11点)
3 浮絵から洋風版画へ
 洋風風景版画。3点。
4 壮年期の多彩な作品(40後半~50代)
 浮世絵制作は少ない時代。14点
5 為一時代の風景版画(61~74歳)
 富嶽三十六景:21点(全46図中)
<ここまでが1階、次から2階>
 諸国名橋奇覧:5点(全11図中)
 雪月花:3点(全3図中)
 諸国瀧廻り:8点(全8図中)
6 華麗な花鳥版画
 横大判の花鳥画:9点(全10図中)
 中判の花鳥画:7点(全10図中)
7 為一期のその他の作品 
 長大判など:11点
 百物語:5点(全5図)
8 最晩年の作品(1834年以降)
 10点

第2章 華麗な摺物と稀覯本
 摺物:17件(19点)
 版本:7点 
 注文制作による、高級な用紙を使い精緻な技巧が凝らされた、保存状態が良好の摺物。
 遺存例が極めて少ない貴重な版本

第3章 肉筆画と版下絵・父娘の作品
 肉筆画:5点
 版下絵:1点
 娘(葛飾応為)の肉筆画:1点


 一番のお気に入りは、≪百物語≫シリーズ。
 その次は、第1章2「初期の浮世絵群」から。やはり妖怪・幽霊関係で。

≪新板浮絵 化物屋鋪百物語の図≫
 怪談会で100話語り終えたところ、本物の怪が現れた場面。
 いろんな化物が楽しいし、驚く人間たちも面白い。



 総じて窮屈観賞だったが、会期が進むにつれ、一層の窮屈は確実。



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