東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

「本阿弥光悦の大宇宙」(東京国立博物館)

2024年02月19日 | 展覧会(日本美術)
本阿弥光悦の大宇宙
2024年1月16日〜3月10日
東京国立博物館 平成館特別展示室
 
 
 本阿弥光悦(1558〜1637)。
 
 「天才観測」に誘われるのはありがたいが、刀も書も漆も陶も、正直、興味薄。
 ただ、13.56メートルがフル展示されるという、本阿弥光悦筆・俵屋宗達下絵の《鶴下絵三十六歌仙和歌巻》を再見したい、というだけで出かける。
 2015年の京博「琳派 京を彩る」にて、初のフル展示がなされ、鶴たちのダイナミックな飛翔に感嘆したからである。
 
 
 滞在時間の多くを《鶴下絵三十六歌仙和歌巻》のある展示室で過ごす。
 
 その展示室の天井には、《鶴下絵三十六歌仙和歌巻》の拡大レプリカを吊すという、凝った設営も見られる。
 
 京博での鑑賞時は、なかなか作品に辿りつかない、やっと辿りついてもなかなか進まない、長蛇の列に並ぶ必要があった。
 今回の訪問時、それほど混んではおらず、何度も並び直してじっくりと観る。
 
 飛び立ち、海を渡り、羽を休める無数の鶴が織りなす、流れるような飛翔形。リズム感が快い音楽を観ているように感じる。を再び味わう。
 
 他、《蓮下絵百人一首和歌巻断簡》3点(サントリー美術館、個人、京都・樂美術館)や、《花卉鳥下絵新古今集和歌巻》《松山花卉摺下絵新古今集和歌巻》などを楽しむ。
 
 《鹿下絵新古今集和歌巻(断簡)》もあったらなあ、と贅沢なことを思う。
 MOA美術館、野村美術館、畠山美術館などが所蔵する作品もあったらなあ、とさらに贅沢なことを思う。
 
 
【本展の構成】
第1章 本阿弥家の家職と法華信仰 - 光悦芸術の源泉
第2章 謡本と光悦蒔絵 - 炸裂する言葉とかたち
第3章 光悦の筆線と字姿 - 二次元空間の妙技
第4章 光悦茶碗 - 土の刀剣
 
 
 通期で110点が出品される本展。
 質は凄いのだろうが、量としては少なめ、平成館特別展示室のスペースを余していると感じてしまうのは、質量ともに暴力的であった一つ前の特別展「やまと絵」の後遺症。


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