
須田悦弘
2024年11月30日〜2025年2月2日
渋谷区立松濤美術館
須田悦弘(1969-)の都内の美術館では25年ぶりだという個展。
展覧会名が、一切装飾語なく「須田悦弘」なのが潔い。
「実物大」で「本物と見紛うほどの精巧さ」の「木彫」の草花や雑草を、「思いがけない場所にさりげなく」設置する。
本展では、各作品がどこに設置してあるのか「展示マップ」が配布されるので、見落とすことはない。
ただ、1点だけ難易度の高いところに設置されている。どうしても見つけられず、館内に置かれた図録を参照して、ようやく見つける。
以下、画像を掲載する。
「古美術品の欠損部分を木彫りで補う補作」
いずれも補作があるとは分からない出来で、感心する。
《春日若宮神鹿像》
鎌倉時代(13~14世紀)、木彫
&《五髷文殊菩薩掛仏》
鎌倉時代、板絵著色
公益財団法人小田原文化財団

須田の補作部分は、角、榊、鞍および瑞雲だとのこと。
《随身坐像》
平安時代、木彫、個人蔵

須田の補作部分は、手および弓だとのこと。
定番の草花・雑草の木彫作品
《朝顔》2024年


《雑草》2024年
《ヒナゲシ》2024年
《雑草》1995・2024年



《ベルリン》1997年、練馬区立美術館


《雑草》2024年


商品パッケージイラスト
《アサヒ飲料「アサヒ十六茶」原画》
2010〜19年、株式会社日本デザインセンター寄託


多摩美術大学を卒業した須田は、株式会社日本デザインセンターに入社し、パッケージデザインの部署に配属されるが、1年で退職。ただ、退職後も"アルバイト”としてイラストを手がけ、現在に至る、という。
ご本人のシルエット?

館外にも2点の作品が展示

皆さん、撮影に熱心だ。
後日知ったが、訪問日当日はアーティストトークが実施されていたようだ。
美術館の建築とあわせ、気軽に楽しめる。