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東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

「最澄と天台宗のすべて」展(東京国立博物館)

2021年11月23日 | 展覧会(日本美術)
伝教大師1200年大遠忌記念 特別展
最澄と天台宗のすべて
2021年10月12日〜11月21日
東京国立博物館
 
 会期最後の週末に滑り込み訪問。
 
 本展は、東博のあと、九博と京博に巡回する。
 出品番号ベースでの出品点数は、3会場あわせると232点で、東博に限ると82点。私の訪問日だと63点で、1点とカウントされていても会期中に幅・巻などの展示替えがなされる作品もある。
 本展は3会場全期間トータルで1つの展覧会であり、私はそのごく一部を鑑賞したに過ぎない、ということになるようである。
 
 以下、特に熱心に見たもの3選。
 
 
国宝《聖徳太子及び天台高僧像》10幅中6幅
平安時代・11世紀、兵庫・一乗寺
・聖徳太子
・龍樹(複製)
・善無畏(複製)
・慧文
・慧思
・智顗
・灌頂
・湛然
・最澄(複製)
・円仁(複製)
 
 第1会場に入場してすぐ左手の壁面ケースに、全10幅(うち複製4幅)が並ぶ。
 インド・中国・日本の古の高僧たちの肖像が、画面いっぱいに描かれ、その容貌や衣装などの描写が興味深く、全10幅(ただし、うち複製4幅)が並ぶ迫力もあって、想像以上に見応えがある。
 ただ複製は、背景が黒色だし、皺もないし、見応えに欠けるのはやむを得ない。
 伝教大師の現存最古の彫像、重文《伝教大師(最澄)坐像》鎌倉時代・1224年、滋賀・観音寺 と全10幅を同時に見通すことができる位置に立って眺めたりする。
 実物全10幅が勢ぞろいした11/2〜7に訪問していたならば、より深く感銘を受けたことだろう。
 
 
《十二神将立像(2、4、6、9号像)》
鎌倉時代・13世紀、愛知・瀧山寺
 
 愛知県岡崎市の瀧山寺といえば、江戸時代末期から明治頃に非常に濃い補色が行われたことにより歴史を感じさせなくなった運慶仏3軀を所蔵する寺との記憶がある。
 運慶仏だけではなく、こんな「異色な姿」の十二神将も所蔵しているのか。
 玉眼。頭部はシンプルな部品を寄せ集めた寄せ絵っぽく、愛嬌も感じさせる。衣装は平面的で純色を大胆に使用しているかのよう。
 面白い。他の8軀も気になる。
 
 
《慈恵大師(良源)坐像》
鎌倉時代・13〜14世紀、東京・深大寺
 
 本展の一番最後のコーナーに登場。でかい。
 坐像でありながら2メートル近くの高さ。頭が異様にでかいのは、東博所蔵の重文《土蜘蛛草紙絵巻》に描かれる、顔が二尺・体が一尺の尼の姿を連想させる。
 深大寺では、昨年(2020年)春に、本像の11年ぶりの特別開帳を予定していたが、コロナ禍により断念していた。
 今回の寺外への出開帳は、両国・回向院への出開帳以来205年ぶりという。
 同じく深大寺が所蔵する国宝《釈迦如来倚像》飛鳥時代・7世紀 も近くに展示されている。
 
 
 挙げた3点のうち2点は東博限りの出品、国宝《聖徳太子及び天台高僧像》も東博では全10幅も、九博では2幅、京博では4幅の出品予定。
 
 
 今回、無料日時指定券を事前入手のうえ、当日に「友の会」年会費7,000円也を購入し、東博特別展無料観覧券3枚のうち1枚を使用した。
 次の使用は、「ポンペイ」展(1/11〜4/3)となるだろう。
 その次は、「体感! 日本の伝統芸能―歌舞伎・文楽・能楽・雅楽・組踊の世界」展(1/7〜3/13)は表慶館での開催、「空也上人と六波羅蜜寺」展(3/1〜5/8)は、本館特別5室での開催なので使用せず、平成館での展覧会に回すこととなるだろう。
 値上がりして、かつ、観覧券の枚数が減って、寂しい。


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