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東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

ラスキンのイタリア、ラファエル前派周縁画家のイタリア ー 【再訪】ラファエル前派の軌跡展(三菱一号館美術館)

2019年04月13日 | 展覧会(西洋美術)
ラスキン生誕200年記念
ラファエル前派の軌跡展
2019年3月14日~6月9日
三菱一号館美術館

   ウインダム様からご案内の「ブロガー・特別内覧会」に当選し、「ラファエル前派の軌跡展」を再訪する。
 
   19世紀後半のヴィクトリア朝の英国美術、夏目漱石や青木繁、民藝運動を提唱した柳宗悦に影響を与えた英国美術を楽しむ。
 
   全作品の写真撮影可であったので、少々撮影させていただく。
   ここではテーマを絞って画像掲示する。題して「ラスキンのイタリア、ラファエル前派周縁画家のイタリア」。
 
 
 
1  ターナー
 
ターナー
《ナポリ湾(怒れるヴェスヴィオ山)》
1817年頃、ウィリアムスン美術館
   ターナーがイタリアを初めて訪問したのは本作制作の2年後のこと、本作は他の画家の素描をもとに制作したと考えられている。
 
 
 
2  ラスキン(建築物・建築装飾)
 
ラスキン
《高脚アーキヴォールト(飾り迫縁):カ・フォスカリ川岸、ビザンツ帝国期の廃墟ーヴェネツィア》
1849年、ラスキン財団
 
 
ラスキン
《サン・マルコ大聖堂ー中央ポーチの柱頭彫刻》
1851年、ラスキン財団
 
 
ラスキン
《サン・ミニアート・アル・モンテ聖堂ファザード部分ーフィレンツェ》
1846年、ラスキン財団
   フィレンツェ旧市街を一望できる小高い丘の上にある、トスカーナ・ロマネスク様式の教会の西側面の破風を描く。
 
 
ラスキン
《ストラスブール大聖堂の塔》
1842年、マンチェスター大学ホイットワース美術館
   「ここでの関心は石造りの塔と手前の木造家屋との対比にあり、「鉄製品のよう」な大聖堂に対し「木造家屋の高い天井と豊かな正面部分にひどく興奮し、感銘を受けた」と回想しているという。
✳︎本作品だけイタリアではありません。
 
 
 
3  ラスキン(美術作品)
 
ラスキン
《フラ・アンジェリコ《受胎告知》の模写》
1845年、ラスキン財団
   フィレンツェのサン・マルコ修道院のあまりにも有名な壁画。
 
 
ラスキン
《シモーネ・マルティーニ《聖ラニエリの改宗》の模写》
1845年、ラスキン財団
   聖ラニエリは12世紀の人物でピサの守護聖人。シモーネ・マルティーニ(1284頃〜1344)を調べてもこの作品は出てこないと思っていたら、どうやらヴァザーリが『芸術家列伝』にて本作品をシモーネ・マルティーニ作と記したことで、ラスキンの時代もそう考えられていたということらしい。現在はアンドレア・ダ・フィレンツェ(1319〜77)作とされている。ピサのカンポサントに描かれたフレスコ画「聖ラニエリの生涯」の一場面。
 
 
ラスキン
《ティントレット《東方三博士の礼拝》(サン・ロッコ同信会館)よりケルビムの模写》
1852年、ラスキン財団
   ティントレットの聖地、ヴェネツィアのサン・ロッコ同信会館。ラスキンは「ティントレットの前で完全に地面に打ちのめされた」と述べている。
 
 
ラスキン
《イラリア・デル・カレットの墓、ルッカ大聖堂ー頭部》
1874年、ラスキン財団
   シエナ派の彫刻家ヤコポ・デッラ・クエルチャ(1371年頃〜1438年)の作で、イタリアの石棺彫刻を代表する傑作と言われている。
   イラリア・デル・カレット(1379〜1405)は、1400年から1430年までルッカの君主であったパオロ・グイニージ(1372頃〜1432)の2番目の妻。静かに横たわるイラリア、彼女の足元には貞節の証である犬が寝そべっている。
 
 
ラスキン
《バラの習作ーボッティチェリ《プリマヴェーラ》、「春」の衣装より》
1874年、ラスキン財団
  フィレンツェ・ウフィツィ美術館の至宝。
(参考)



4  ラファエル前派周縁画家

ジョージ・プライス・ボイス
《マスティーノ・デッラ・スカラ2世の墓ーヴェローナ》
1854年、個人蔵
   1262〜1387年、領主としてヴェローナを支配したデッラ・スカラ家。12世紀建立のロマネスク様式のサンタ・マリア・アンティーカ教会に隣接して、一族の墓廟が作られた。マスティーノ2世(1308〜51)は1329年より兄アルベルト2世(1306〜52)ともにヴェローナの共同統治者であった。
 
 
ウィリアム・ダイス
《初めて彩色を試みる少年ティツィアーノ》
1856-57年、アバディーン美術館
   「ティツィアーノは幼少の頃、描かれた聖母像に花の汁で彩色したことで、将来色彩画家として著名になる最初の兆候を示した」場面が描かれているとのこと。
 
 
   私の関心にしたがい、掲示画像が地味目の素描に偏ったが、本展にはラファエル前派らしい女性像ほか極彩色の作品も多数出品されているので申し添えたい。
 
   このような機会を設けてくださった内覧会関係者にお礼申し上げます。
 
✳︎上記画像は主催者の許可を得て特別に撮影させていただいたものです。


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