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東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

ジャクソン・ポロック展(東京国立近代美術館)

2012年03月19日 | 展覧会(西洋美術)

生誕100年 ジャクソン・ポロック展
2012年2月10日~5月6日
東京国立近代美術館


日本で初めてのポロック回顧展なのだそうだ。


1:現在、日本国内に所蔵されている約30点のポロック作品「すべて」が一堂に会します。
2:ポロックの作品が日本に初めてやってきたのは、1951年の第3回読売アンデパンダン展でした。その時展示された2作品、「ナンバー7, 1950」(ニューヨーク近代美術館)と「ナンバー11, 1949」(インディアナ大学美術館)が60年ぶりに来日しています。


と日本へのこだわりも感じられる。


目玉は、イランのテヘラン現代美術館から出品された「インディアンレッドの地の壁画」。
同館所蔵後の本作の海外への貸出は今回が初めてで、なんでも最新の保険評価額は2.5億ドル(200億円)とのこと。
ポロックに今まで関心を持ったことのない私も、「イラン革命によって“門外”不出となった伝説の作品」は気になるところ。


さて、本展では初期から晩年までの作品が並ぶ。


その中心となるのは「インディアンレッドの地の壁画」とその前後数点の「オールオーバー」「ボーリング」な作品。
特別の一室が与えられた183cm×244cmと大画面の「インディアンレッドの地の壁画」は興味深い。

黒の線。白の線。躍動する線を眺めるのはなかなか面白い。

もう1点同レベルの作品が欲しい(贅沢)。比べたい。比べないとそれ以上何とも言えない。


前半部分は、「オールオーバー」「ボーリング」に至るまでの模索中の作品群。
ピカソをライバルとして、誰も試みたことのない自分だけの様式を目指して、苦闘していたらしい。
見るべき人が見れば感じること多々なんだろうが、私にとっては、どこかでも見た類の馴染めない現代絵画。


後半部分は、新たな境地に至らなかったことで、結果として「衰退」と言わざるを得ないような絵画達。
「オールオーバー」「ボーリング」作品にプラスアルファを施した、「ナンバー9」(セゾン現代美術館)や「カット・アウト」(大原美術館)などは、プラスアルファにより作品を壊している。
最後の部屋の作品群も「巨匠」とはいえない。


メトロポリタン美術館、ニューヨーク近代美術館、ヒューストン美術館、ハーシュホーン美術館、チューリッヒ美術館、バーゼル美術館、バイエラー財団、シュトゥットガルト州立美術館等々、世界の名だたる美術館から作品を集めていて、所蔵館の名前を見るだけで旅情に誘われる。

 



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