東京でカラヴァッジョ 日記

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国宝《餓鬼草紙》を観る 2016

2016年07月31日 | 東博総合文化展

   東京国立博物館本館2階の国宝室では、7/26から8/21まで、国宝《餓鬼草紙》を展示中。


国宝《餓鬼草紙》1巻
縦26.9cm、全長380.2cm
平安時代 12世紀


   10の場面に繰り広げられる餓鬼たちを愉しむ。


食人精気餓鬼

   管弦などの遊びにふける男女に取り付く小さな餓鬼たち。
   不信心な人の精気を食らうという。

 

食小児餓鬼

   出産直後の嬰児を食そうと手を伸ばす餓鬼。
   病人をたぶらかし、地獄から転生した餓鬼の姿。

 

食糞餓鬼

   人びとの糞尿を食らう餓鬼。
   僧侶に不浄のものを食べさせた者がなる。

 

疾行餓鬼

   墓を荒らし、骸を食らう餓鬼たちは、病者に与えるべき食物を自ら食した僧がなる。

住不浄巷陌餓鬼

   不浄な場所に住み、排泄物や吐瀉物を食らう餓鬼。
   僧侶に不浄のものを食べさせた者がなる。

 

曠野餓鬼

   広野で池などを壊し、旅人を苦しめた者がなる。
   水を求めても池にありつかない。

 

殺身餓鬼

   熱い鉄の塊を呑まされる餓鬼は、人に媚びへつらって悪事を働いた者がなる。

 

住塚間食熱灰土餓鬼

   燃えさかる刀で獄卒に打たれる餓鬼。
   仏前に供えられた花を盗んだ者がなる。

 

食吐餓鬼

   食物を口にしても、獄卒に無理矢理吐かされてしまう餓鬼。
   妻子に食を与えず、自ら美食にふけった者がなる。

 

曠野餓鬼または食水餓鬼

   前出の、広野で水を求める曠野餓鬼の場面の続き、もしくはわずかな水も口にすることのできない食水餓鬼を描く。

 


   2014年の東博「日本国宝展」以来の鑑賞。
   特別展と異なり、落ち着いた環境で鑑賞できる。撮影も可能。
   絵巻全場面公開も嬉しく、30分近く観る。


   江戸東京博物館の「大妖怪展」では「六道絵」も取り上げられているが、本展示は連動企画なのだろうか。



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