東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

奈良 西大寺展(三井記念美術館)

2017年06月09日 | 展覧会(日本美術)

奈良  西大寺展 
叡尊と一門の名宝
2017年4月15日~6月11日
三井記念美術館

 

   奈良博「快慶展」に行って、仏像見たいモードになり、「奈良 西大寺展」に目を付ける。
   会期最終週6日間の期間限定の「秘仏」の出品を待って訪問する。

 

重文《吉祥天立像》
鎌倉時代 京都・浄瑠璃寺

 

   吉祥天は奈良時代以来、「吉祥悔過(けか)」という法要の本尊として祀られてきました。普段は本堂厨子のなかに秘仏として安置され、美しい彩色を今に伝えています。ふくよかな容姿、繧繝彩色の文様を施された衣、風をはらんだ袖など薬師寺所蔵の吉祥天画像(8世紀)に通じる天平美人を彷彿とさせます。

 

   本当に華麗である。その腕に特に見惚れる。

 

   美人で知られるこの仏像にお会いするのは、2回目。


   1回目は、本ブログを始める前の関西プチ美術旅行にて、現地・浄瑠璃寺の本堂でのこと。


   当時、西村公朝著『よくわかる仏像の見方-大和路の仏たち』小学館刊で取り上げられた12の寺の22の仏像を順番に観ていこうと考えていた。


   書籍で取り上げられていた仏像は、国宝である九体の《阿弥陀如来像》であるが、運よく訪問時期が吉祥天立像開扉の期間にあたっていた。

 

   小さな厨子がオープンされ、なかには《吉祥天立像》がいらっしゃった。

 

   改めて、開扉期間を確認。
1/1~1/15
3/21~5/20
10/1~11/30


   そうか、年の3分の1強か。
   今回は、春の開扉が終了してからの出品なのですね。

 

   浄瑠璃寺は、住所こそ京都府だが、奈良県境にあり、奈良駅からJRで15分の加茂駅が最寄駅と、文化的には奈良圏内。
   どのルートで浄瑠璃寺に行ったのか、奈良駅からバスなのか、加茂駅まで行ってバスなのか、記憶にない。帰りは加茂駅からJRに乗ったような記憶がある。近隣の岩船寺や周辺の石仏群には行ってない。奈良駅周辺の寺と浄瑠璃寺との組合せ訪問だったと思う。

 

   その岩船寺からも出品。


重文《普賢菩薩騎象像》
平安時代、岩船寺

   像高40cmほどの小像。えらく痩せてみえる菩薩が印象的。

 

 

   さて、メインの西大寺には、勿論行ったことはない。


   近鉄京都線・奈良線・橿原線が乗り入れ、近鉄で京都から奈良に向かう際、奈良行でなく橿原神宮前行の電車にあたった場合の乗換駅となり(ここから奈良駅まで2駅5分)、近鉄百貨店奈良店があることからどうやら奈良市屈指の繁華街と思われる、大ターミナル駅「大和西大寺駅」から徒歩数分の好立地にあるようだ。


   名宝揃いのお寺のよう。
   今回は、仏像・仏画限定の鑑賞、展示室でいえば4と7限定の鑑賞としたが、西大寺所蔵のなかでは。

 

国宝《興正菩薩坐像》善春作
鎌倉時代、1280年


   鎌倉時代の肖像彫刻の傑作。昨年(平成28年)国宝に指定され、東博の毎年恒例の「新指定国宝・重要文化財展」でも展示(スルーしている・・・)。


重文《文殊菩薩騎獅及び四侍者像》のうち
《文殊菩薩坐像》
《善財童子立像》
《最勝老人立像》
鎌倉時代、1302年

   特に《善財童子立像》と《最勝老人立像》に魅入る。

 

 

みどころ3:地域性も豊かな展示構成

   鎌倉時代以降、東国・畿内・瀬戸内や九州に至る真言律宗の地域的な広がりと信仰のかたちを東京・大阪・山口各会場独自の展示構成で紹介。当時の僧侶や関係者の足跡を辿ります。

   それで最後のほうに神奈川や福島のお寺が所蔵する仏像が登場させているのか。

 

 

   さすが会期最終週、結構な混雑で、特に期間限定出品の重文《吉祥天立像》は相当人が群がる状況。この週末も大人気であろう。

 

   ところで、12の寺の22の仏像鑑賞について、今の関西プチ美術旅行は展覧会巡りにシフトしてしまって、比較的容易そうに思えるコンプリートは実現していない。

 



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