東京でカラヴァッジョ 日記

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ケレスとバッカスがいなければウェヌスは凍える

2019年12月22日 | 西洋美術・各国美術
ヘンドリック・ホルティウス
《ケレスとバッカスがいなければウェヌスは凍える》
1600〜03年頃、105.1×80cm
フィラデルフィア美術館
 
 
   ケレス(美食)とバッカス(酒)がいなければウェヌス(愛)は凍える。

   古代ローマの劇作家テレンティウス(BC195/185〜BC159)の喜劇「宦官」の台詞に由来する。
   
   ヘンドリック・ホルティウス(1558〜1617年)は、16世紀ネーデルラントの「ロマニスト」の版画家。
   「17世紀オランダ版画の基礎を築き、レンブラントへの道を切り開いた」版画家の1人とされる。
    40歳を超えて絵画制作も手掛けており、その1作である本作は、ペンと油彩の混合が特徴であるらしい。
 
   この主題は、当時の北方にて人気であったようだ。エロティック裸体を描くのに好都合の主題の一つということだろう。ルーベンスもこの主題の作品を残している。
 
   ホルティウス自身もフィラデルフィア作品以外にも、次のような絵画作品を残している。
 
 
ヘンドリック・ホルティウス
《ケレスとバッカスがいなければウェヌスは凍える》
1599年、43.5×32.1cm、グリザイユ
大英博物館
 
 
ヘンドリック・ホルティウス
《ケレスとバッカスがいなければウェヌスは凍える》
1606年、22.8×17cm
エルミタージュ美術館
 
 
   北方マニエリスムに典型的なエロティック裸体画との印象。
 


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