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東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

NHK日曜美術館「アートで見つめる1995-2025」を見る。

2025年02月10日 | 展覧会情報
 2025年2月9日放送の日曜美術館「アートで見つめる1995-2025」を見る。
 
 兵庫県立美術館で開催中の企画展が紹介される。
 
阪神・淡路大震災30年 企画展
1995 ⇄ 2025 30年目のわたしたち
2024年12月21日〜2025年3月9日
兵庫県立美術館
 
 
 同展は、6組7名のアーティストによるグループ展。
 
 7名のうち、4名が兵庫県の出身。
 
 森山未來。1984年生の俳優。本展には、アーティスト梅田哲也とのコラボ作品を出品。
 当時10歳で、神戸市の自宅で揺れにあう。
 
 芋束。1975年生。
 当時19歳の浪人生で、神戸市北区の実家で揺れにあう。
 
 やなぎみわ。1967年生。
 当時美術家として「エレベーター・ガール」シリーズにより注目を集めようとしているところ。
 京都在住で、揺れの数日後に、大阪から遊覧船にて神戸港に行き、神戸市兵庫区の実家に向かう。
 
 米田知子。1965年生。ロンドンを拠点に活動する写真家。
 当時ロンドン在住だが、実家は兵庫県明石市。
 春に戻り、傷ついた街を撮影する(発表は10年後)。
 
 
 作家の語る体験や出品作の制作への思いは非常に興味深く聞くのだが、作品自体はどうしてこんなに難解になるのだろう。
 
 
 番組の最後に取り上げられた米田知子の出品作。
 1995年1月17日に生まれ、今年30歳を迎えようとしている人のポートレート「30年目の◯◯さん」。
 
 会社勤めをしながら語り部としての活動に取り組む男性。
 大相撲力士を昨年引退し、総合格闘家に転身した男性。
 医師の道に進んだ女性。
 
 ネット検索すると、彼らを取り上げたマスコミのネット記事が容易に見つかる。
 
 語り部の男性は、幼少の頃からマスコミの取材を多数受けつづけてきたらしい。
 元力士は、(話好きであったこともあり)記者たちの間では、その日に話を聞きに行くことが慣習になっていたらしい。
 医師の女性は、朝日新聞が停電中の病院を取材している際に誕生した赤ちゃんとして、その翌日の夕刊社会面トップで掲載されたらしい。
 
 その日に生まれてその地で生活することだけで思うところいっぱいであっただろうに、本人の記憶があるはずのないことに関連して、取材を受け続ける。
 
 そして、彼らはアーティストの作品のモデルにまでなってしまった。
 
 本展の主催者の一つである朝日新聞は、30年特集として、彼らのインタビュー記事を掲載している。米田作品と同じ服装をした彼らの別写真とともに。


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