東京でカラヴァッジョ 日記

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「見世物大博覧会」と「台湾と日本」(国立歴史民俗博物館)

2017年01月27日 | 展覧会(その他)

見世物大博覧会
2017年1月17日〜3月20日
国立歴史民俗博物館


台湾と日本―震災史とともにたどる近現代―
2017年1月11日〜2月19日
国立歴史民俗博物館

 

   大阪の国立民族学博物館で開催された「見世物大博覧会」が佐倉の国立歴史民俗博物館に巡回。早速訪問する。


1  常設展料金420円で鑑賞可。


2  会場は、広大な第3展示室内に4箇所、遠く離れて位置する。うち、2箇所は常設展示を転用?している(ように見えた)ので、実質の特集展示は2箇所。


3  図録を見る限り、大阪では、「大博覧会」の名前に相応しい展示内容であったと想像される。
   一方、佐倉では、残念なことに縮小に縮小を重ねたと思われ、図録とはかけ離れて厚みを感じさせない展示内容、「大博覧会」という名はいかがなものか、という印象。


4  唯一の「絵看板」の出品作品である《絵看板 謎の人魚 志村静峯作》(昭和20年代)は、そのいかがわしさが印象に残る。


    その近くに、2015年「大ニセモノ博覧会」のメイン作品の一つであった《人魚のミイラ》もいる。

 

   全体として、展示数控えめの錦絵や刷物による紹介が基本。見世物細工は、常設展示転用?エリアにある「干物で拵えた三尊像」が目についた程度。生人形もない。
   昔、知人と大きな神社の祭に行って、見世物小屋があって、本当であるなら人権上問題大としか思われない者が見世物だと謳っていて、入場するとそんな者を見せることは全くなくて、やっぱりなあと退場したが、出口でおじさんが小屋の関係者に大声で大クレームしていた。

 

   そんな記憶から本展にどうやら、いかがわしさを期待していたらしい私。見方が浅いだけで、見る人が見れば違うのかもしれない。


5  ミュージアムショップの「人間ポンプ」のペナントが、異様な存在感。

 

6  4/18から第4展示室で「見世物大博覧会 現代編」を開催するようだ。2展合わせて一つの展覧会ならば、評価をくだすのは早すぎる。が、もう一度、佐倉に行くのは大変だ。

 
 
 


   続いて、企画展示室Bの特集展示(国際展示)、「台湾と日本」へ。

 

【展示構成】

プロローグ 台湾島と震災

第1章 日本植民地時代の震災

1 1904〜1906年の震災
1)1904年嘉義斗六烈震と地震学
2)1906年嘉義烈震と塩水港烈震
2 1935年震災
1)震災概況
2)震災情報と報道
3)救援と治安維持
4)義援金・御下賜金
5)台湾震災と国際社会
6)震災体験と記憶・追悼
7)復興
3 1941年嘉義地方烈震

第2章 1999年921地震
1 集集地区の被害
2 石岡の復興と客家
3 アイデンティティの問い直し
1)先住民と震災-日月潭とサオ族-
2)先住民と震災-タイヤル族の「共食」-

 

   日清戦争による日本の台湾領有以降、日本植民地時代の約50年の間に、大きく3度もの大震災に見舞われた台湾。


   時代的にメインとなる1935年(昭和10年)の震災は、上記展示構成記載の7つの切り口により紹介される。


   国際連盟脱退後の時期だが、各国の元首からのお見舞いの電報も紹介。英(ジョージ5世)、米(フランクリン・ルーズベルト)、仏(アルベール・ルブラン)、独(アドルフ・ヒトラー)、伊(ヴィットーリオ・エマヌエーレ3世)、ベルギー、ブラジル、ポーランド、エジプト、スペイン、ノルウェー、アルバニア、ハンガリー、イラン、そして満州国。


   台湾は、「震災を発生させる構造においては、日本列島と台湾が、海溝帯・地溝帯を通じて接続しているという地域構造を持つことから、日本と台湾は大きく見て一体的である」という。


 国立台湾歴史博物館でも、今年6月から、関東大震災、阪神大震災、東日本大震災などの資料を展示した地震展を開催するという。



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