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投錨備忘録 - 暇つぶしに借りた本のメモを残すブログ

インストール - 綿矢 りさ(河出文庫)

インストール (河出文庫)
綿矢 りさ
河出書房新社

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2010年9月5日に借りて読んだ。初めての綿矢りさ。17歳で文藝賞を受賞しデビュー、19歳で芥川賞受賞、若くてビジュアル的にも良くて・・・というところが引っかかり今までなんとなく避けてきたというのが本当。小説を読まなくなったというのもある。

で、なんとなく借りる本を探していたら目に付いてこれを今日の10冊目にしよう(10冊まで一度に借りることが出来る)ということにして借りてきた。

正直、本当に何も期待していなかった。

読んでみて驚いた。すがすがしかった。恥かしい話だが、最近仕事のことで鬱々としていた自分が恥かしくなった、元気をもらったって言うのかな。その場で友人に綿矢りさについてメールして、大学生の息子の部屋へ行って「読め」と押し付けてきた。

新人の作品は昔は刊行される前に雑誌掲載時によく読んでいた時期がある。何か受賞するような作品でも、どこかイライラするところが多い。一冊で三冊分を浪費していたり、無駄に登場人物が多かったり、妙にこねくり回されていたり・・・。

そういうのが全く無い。テンポも良い。文章もすっきりしている。17歳らしい若々しさにあふれていて、大人の得体の知れなさや怪しさと、大人の優しさ脆さ、その間で自分自身のほんの少しの大人への成長を鮮やかに書ききっている。

現代文の教科書に出てきてもおかしくは無いと思う。題材的に無理だろうけど・・・。

数日後、息子が「インストール、面白いな」とぼそっとすれ違いざまに言って来た。「今、三順目」だそうだ。たいがい父親からの薦めがあった本は投げ出していたのに、こういう息子を見るのも初めてで驚いた。

(2010年9月 西図書館)
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