2000年8月1日初版第1刷発行
著者は北海道生まれ。メーカーSEを経てライターに転身。サン・テグシュペリ遺族公認「星の王子様クラブ」機関誌「レ・プラネッツ」初代編集長。
真面目に水車の作り方を解説している本。
P94 津山市周辺
和紙の原料を砕いて繊維にする叩解器や製材用の帯鋸を動かすハードボイルドな現役水車がある。一種の工業施設。
P37 クモ手
水車の中心から放射線状に伸びたスポークの部分のこと。カラミはクモ手の構造を強化する補強材を指す。日本の水車にはデザインパターンが1000種近くある。日本人特有の美意識と改良志向。ヨーロッパは実用本位。これほどの多様性はない。
京都の話。この本とは関係ない話。蹴上の発電所がある。現存最古の水力発電所。この発電所を作る前の計画では、岡崎から銀閣に至る疎水の縁に水車を並べ、工場を誘致して近代化を図るというものだったらしい。ヨーロッパの最新水力発電所を取り入れたため水車案は廃案となり、結果疎水近辺の景観も守られたそうだ。京都は都だが工業都市でもあった。だからこういう話も出てくる。
(2022年12月 西宮図書館)