はな子と一緒に思い出を紡いだ2801人もの人が花を手向けた。

お別れ会には、はな子の贈り主、故ソムアン・サラサスさんの家族も出席。

タイから駆けつけた三男のシナバスさん(57)が代表し「はな子は愛してくれた人たちの心の中に生きています。

天国で父と再会し、日タイの友好を願っていると思います」とあいさつ。日本在住の長男、ウクリッドさん(73)が通訳した。

1949年、当時2歳半のはな子は戦後初めてのゾウとして来日。

54年に上野動物園から井の頭自然文化園に移り、62年の歳月を過ごした。

板橋区の女性(77)は「夫を早く亡くし、寂しくなると子や孫と会いに来た。はな子に元気と勇気をもらった」と感謝した。

はな子の晩年を支えた最後の飼育担当者4人は、食が細くなったはな子が少しでも多く餌を食べるよう工夫した様子を、声を詰まらせながら話した。

【斉藤三奈子】