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糸遊日記

和裁士の日常を感じたままに

着物(洗い張り)について

2020-11-17 15:00:00 | 日記
前のブログで訪問着、附下げなど柄のある物でも幅の広い方、狭い方に柄が合うように出来ていて面白いなと思うというコメントを頂きました。

「あ、そうだね  忘れていた」 
「いつも何気なく与えられた仕事をこなしていたな〜」

改めて考えてみようと言う気持ちにさせてもらえた ありがとうございました😊

着物には洗い張りといい、汚れてきた着物を一度解いて、反物のように縫い合わせて綺麗にすると言う方法があります。

着物は曲線の断ち切りがありません

全部真っ直ぐに切ってます
(時々、最近は襟肩あきカーブもあります)

だからまた反物のように縫い合わせられるんです

襟汚れや裾のスレ、穴が空いたり弱ってたり色々です






このように洗い張りをして仕立てに回ってきます


また、頂いた着物を自分の寸法に仕立て替えたり、洋服とはちょっと違います


これは共襟(重なっている上の襟)が汚れていて、下の綺麗な襟を共襟にし、汚れた共襟を襟と接いだ物です
こうすると見える所は綺麗になります

これは丈が足りなくなった裏地を襟肩あきを切り直した物です
紫の所が新しく切った所です

表の生地は丈が足りても、裏が足りないことも多くあります

その時に襟肩あきを切り直して、後ろ見頃にハギを入れるんです
ハギの入ってる所わかりますか?↓


見えない所でハギをいれれば丈が足りて着用できます

表の生地でも帯などで見えなくなる所にハギをいれて仕立てる場合ももちろんあります

最近の依頼で仕立て上がったばかりの着物を水で濡らしてしまい、裏が縮んで直しきれずに仕立て替えと言う着物がありました。

まだ新しいのに裏は先程のように切り替え、ハギをいれました

表はガード加工してるので縮みがなく綺麗でした

その他にも上前、下前を天地したり、袖を見頃に持ってきたりやり方は沢山あります

ご自分のお着物をお嬢さん用に仕立て替えたり、必ずしも購入しなくても活用できると思います
振袖なんかはとても良いと思います

今では着る機会があまりなくなった日本の伝統衣装の着物を着て、歌舞伎でも観に行きたいな〜と思いました