*** june typhoon tokyo ***

巨人×横浜@東京ドーム【CS 1st】第3戦

 広島への挑戦権はラミレス監督率いるベイスターズが獲得。

 ともに1勝1敗で第3戦を迎えた、巨人と横浜DeNAベイスターズによるクライマックスシリーズファーストステージ。初めてCSに進出した横浜が対戦成績を2勝1敗として、12日からマツダスタジアムで行なわれるCSファイナルステージへの進出を決めて、日本シリーズ進出をかけて広島と対戦する。

 相変わらず貧打で苦しむ巨人だったが、それでも2本のホームランで追いつき延長へ持ち込んだ。引き分け以上でファイナルステージへ進める有利な立場だったが、マシソンが三者三振に抑えて迎えた9回裏、先頭の村田が内野安打で出塁してサヨナラ勝ちへのシチュエーションへ近づき始めていたが、村田の代走の鈴木が牽制死で好機を潰してしまう。11回表の横浜の攻撃では、倉本の強烈な当たりが直撃した澤村に代わって田原がマウンドに上がるが、エリアンが送りバントを決めた後の初球を途中出場の嶺井にレフト線へ痛打され失点。今季11試合しか出場していない伏兵だったが、小林は外目の変化球を要求したのだろうが、この場面ではバッテリーとしてあまりにも不用意な入り方だったのが悔やまれる。
 さらに、3-4と勝ち越された11回裏、坂本がレフト前ヒットで出塁するも、続く橋本到が送りバントを試みるもファウルフライに倒れて同点へのムードに水を差す格好に。初のCSへ進出した横浜とCSにある意味慣れ切ってしまっている巨人との勝利への執念の差といえばそれまでだが、巨人は直前の菅野の離脱などチーム状態が芳しくなく、全般的に活気がないままでシーズンを終えることとなった。

 一方、CSファイナルステージ進出へ沸く横浜だが、こちらも勢いこそあれど、している野球の質はそれほど高くない。巨人とのCSファーストステージは巨人のほぼ自滅のような形で勝ち抜けることが出来たが、結局のところシーズンも貧打の巨人に競り負けての3位で終え、このファーストステージでも“勢い”ほどスカッと勝ててはいない。ロペスや筒香の一発は魅力だが、それ以外は調子の波が激しく、あまり怖さを感じないのも事実。
 采配についても懸念はある。この日は殊勲打を放った嶺井が当初登場してきた8回表、ラミレス監督は2アウト2塁で石川に代打の後藤を送ったが、敬遠気味の四球で歩かされると、続く捕手・戸柱に代わって嶺井を代打に指名。だが、嶺井は山口の内角ストレートに詰まったセカンドフライに倒れている。この時点では、この回を含め9回まで2回の攻撃しか残されていなかったこともあるだろうが、1塁が空いている場面で代打の切り札を先に使ってしまっては、歩かされるのは当然。延長も見据えた代打のカードを有効に使うならば、嶺井を先に代打として出すべきだっただろう。
 また、抑えの山崎康だが、ツーシームの連投ばかりで、長打を打たれる不安を大きく孕んでいるように思えた。戸柱とは異なる嶺井のリードならではなのかもしれないが、ツーシームはそのボール単独で活きる球種というよりは、ストレートはじめ他の球種に組み込むことで効果を発揮する。スライダー同様、手元の狂いが長打に繋がる諸刃の剣でもある。最後、阿部をライトフライへ打ち取った場面も、あとボールの数ミリ上を叩いていたら、ライトスタンドへ運ばれて巨人がサヨナラでファイナルステージへ進出していたかもしれない。

 たしかに、勢いはある。ただ、その勢いが止められ、我慢する時間が続いた時やその打開策の質量を考えると、広島に勝つのはなかなか難しいかもしれない。

 巨人は投手陣の再構築が急務。また、小林以外の(それにとって代わるでもいい)捕手を育てることも重要だ。小林は今季ミスリードで失点の流れを作った場面も多かったゆえ、シーズンオフにしっかりと復習して来季へ臨んでもらいたい。

◇◇◇

□2016/10/10(月) 第3回戦
 東京ドーム 試合開始14:00 終了18:21 試合時間4時間21分
 球審:森/一塁:秋村、二塁:原、三塁:柳田/左外:嶋田、右外:山本貴
 観衆:45477人

横 浜 210 000 000 01 4
巨 人 200 001 000 00 3

【バッテリー】
(横)石田、砂田、三上、田中、山崎康-戸柱、嶺井
(巨)内海、大竹寛、山口、マシソン、澤村、田原誠、戸根-小林誠
【勝】(横)田中(1勝0敗0S)
【S】(横)山崎康(0勝0敗2S)
【敗】(巨)澤村(0勝1敗0S)
【本塁打】
(横)ロペス2号(1回表2ラン)
(巨)阿部1号(1回表2ラン)
(巨)村田1号(6回裏ソロ)

【戦評】
横浜が延長11回、4時間21分の熱戦を制して、CSファイナルステージ進出を決定。横浜は巨人先発・内海の立ち上がりを攻めてロペスの2ランで先制。その裏に巨人は阿部の2ランで追いつくも、2回表1アウト2、3塁から関根の犠飛で勝ち越し。その後、6回裏に巨人が村田のソロ本塁打で同点。一進一退の展開で延長へ突入すると、11回表1アウト2塁から嶺井がレフトへ勝ち越しタイムリーを放って三度リードを奪うと、その裏の2アウト1、2塁、一打同点の場面で阿部をライトフライに打ち取り試合終了。巨人は再三のチャンスも勝ち越し点が奪えずに、ファイナルステージ進出を5年ぶりに逃した。

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