*** june typhoon tokyo ***

G×F@東京ドーム 【日本シリーズ】(5)

■ 日本シリーズ 読売ジャイアンツ×北海道日本ハムファイターズ

2009gf_05_00
 

≪5回戦≫ @東京ドーム

巨人 3-2 日本ハム

日 010 000 001  2
巨 000 000 012X 3

【バッテリー】
(日): 藤井、建山、林、×武田久 - 大野、鶴岡
(巨): ゴンザレス、○山口 - 阿部
【本塁打】
(日): 高橋2号(9回表ソロ)
(巨): 亀井2号(9回裏ソロ)、阿部2号(9回裏ソロ)

巨人3勝2敗


◇◇◇ 
 
 前日のミスの連鎖を断ち切れずに先制されるも、相手の采配ミスに助けられた。そんな感じのする試合だった。

 日本ハムの先発は藤井。ずば抜けた速球がある訳でもない。2回表、古城のエラーで出塁を許し、藤井のサードゴロを小笠原のエラーによって失点。ただ、その後は持ちこたえて1失点で抑えていた。最少得点差。だから、いつかは同点、そして逆転出来るだろう。そういう気持ちが働いていたのかもしれない。外角を中心に組み立てた藤井の投球術に、すっかりとハマってしまい3塁も踏めずじまいで終盤へと向かう。強力打線を誇るチームが負けるときのパターンだ。

 3回裏、古城がセンター前ヒットを打つ。ゴンザレスの犠打で2進。坂本が四球を選び、2死1、2塁。ここで松本が初球をレフトへのファールフライを打ち上げチェンジ。
 4回裏、一死からラミレスがセンター前ヒット。だが、続く亀井が外角のカーブを簡単に打ち上げて、走者を先の塁へ進められず、この後凡退。
 5回裏、古城がまたもやセンター前ヒット。ゴンザレスが送って二死2塁となるもセンターフライを打ち上げチェンジ。
 7回裏、一死から阿部が死球で出塁するも、古城が早々と併殺打をうち、チェンジ。

 と、結果は二の次にして、チームとしての戦術をなさずに凡退している場面が多すぎた。考えずに打席に入っていると言われても仕方がない。先の塁へ進めるバッティング、相手にいやらしさを与えるバッティングがひとつも出来ずに、ペースを相手に与えてしまっていた。

 だが、日本ハムも痛いミスを犯す。しかしこちらは、確率としての采配ミスだ。
 8回裏、日本ハムは好投の藤井に代えて建山をマウンドにあげた。この時本来なら巨人は寺内の打順だったが、建山を投入してきたことで、代打にイ・スンヨプを送る。最初から7回で降板という目算を立てていたのなら仕方がないが、そうでなければそのまま藤井続投でもよかったはず。投球数も85で、100球にはまだ15球も残していた。右横手の建山を出せば、それほど長打を望めない寺内のところで左打者を代打に出してくることは容易に想像がつくところ。
 死球をイ・スンヨプに与えた建山。代走の鈴木が初球で盗塁を成功させ、無死2塁のチャンス。だが、坂本は相変わらずのチームの流れを活かす意識に乏しく、泳がされての三振を喫する。ここでかなり勝利が遠のいたかと思ったが、日本ハムベンチは巨人・松本の打順で左の林を投入。巨人ベンチも松本に代えて大道を代打に送る。ここで林が2塁へ牽制悪送球をして鈴木が3進。一死3塁で林対大道。1塁は空いている。ボール臭いところへ投げて、振ってくれればもうけもの。四球を出しても、次がここまで当たっていない左の小笠原。同点は仕方ないとして、2塁ゲッツーが奪える場面に出来る。日本ハムとしては、そうすべきだった。
 しかしながら、日本ハムバッテリーは大道との真っ向勝負を選び、粘られたあげく詰まりながらもセカンドの頭を越えるヒットを打たれて同点を許す。これが日ハムベンチの采配ミスその1。

 9回表に高橋が勝ち越し弾を叩き込み2対1としてリード。だが、その流れをまた切ってしまうことになる。
 9回裏、巨人は左の亀井から。それまで左の藤井に対してまったくバッティングをさせてもらえない打撃が続いていた。であるならば、林を亀井まで投げさせて、その後から武田久を投入すべきだった。だが、日ハムベンチはこれまでクローザーとして活躍してくれた信頼から武田久を送る。武田久もずば抜けた速球を持つ投手ではない。藤井もそうだ。ただし、藤井は左で、武田久は縦というより横の変化で勝負するタイプだ。それまで不振の左打者が気分を換えて打席に入るには、またとないチャンスとなった。その初球、大きな弧を描いた打球はライトスタンドに飛び込んだ。同点。これが采配ミスその2。

 谷も初球を打つがライトフライで終わる。だが、同点となったとはいえ、勝ち越してはいない9回。相手の守護神から立て続けに初球を狙っていくというのは、よほどの自信があるか、相手投手が浮き足立っているかのどちらかのことが多い。続く阿部が、完全に見切ったように2球目を右中間へ本塁打し、劇的なサヨナラを迎えることとなった。

 巨人が本拠地を2勝1敗と勝ち越し、王手で札幌へと乗り込むこととなった。だが、これで俄然有利となった訳ではない。
 このシリーズ、巨人の試合運びはミスが連発し、決していいとはいえない。いや、寧ろ悪い。しかしながら、大事な場面で、日本ハムが記録に残らないミスでお返ししてくれた。それに乗じたというだけだ。

 6戦以降は札幌ドームでの試合ということを考えると、これでイーブンといってもいいくらいだ。今日は東京ドームの試合がゆえ、重ねたミスも限りなく広がることがなかったが、これが日本ハムの本拠地で起こったら……取り返しのつかない状況になっていた可能性も低くない。
 
 ただし、王手をかけている方が有利だというのも確か。巨人が普段着の野球をすれば、総合力からみても、自ずと結果がついて来るはず。重要なのは自分たちの野球が出来るか否か、そこにかかっているのだ。


◇◇◇

 
2009gf_05_01
「闘魂こめて」を合唱。“GIANTS”の横断幕が揺れるライトスタンド。

2009gf_05_02
ジャビットやチームヴィーナス(チームジャビット21から改名してた)も踊る。

2009gf_05_03
阿部のサヨナラ弾! ホームインでもみくちゃに。

2009gf_05_04
スタンドの声援に応える巨人選手たち。

2009gf_05_05
ヒーローインタビュー。大道、阿部、亀井。

2009gf_05_06
阿部「最高でーす!」

2009gf_05_07
亀井の本塁打のリプレイ。

2009gf_05_08
歓喜に沸くスタンド。

2009gf_05_09
日本一に王手!

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「野球」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事